第13話 雑貨店ヨリシロ(2)
「なんじゃと!?その口ぶりだと、もしかして短時間で鉱石を、加工出来るともでも言うのか!?」
「ん?あ ああ武器のイメージが出来てれば一分もあれば加工…?つうか、精製出来るぜ?」
「よ 良し、そうじゃな、ならこの鉄の塊を武器にしてみろ!」
そう言うと、ギルムは、俺に5kgくらいの鉄のキューブを手渡した。
「え?いいのか?加工したら、もぉ元に戻せないぞ?」
「構わん!いいからやって見せろ!!」
急かす様にギルムが言った。
「それじゃそうだな、これくらいの量と質なら短剣位なら造れそうだな。じゃやるぜ?」
そう言うと俺は手の甲にある手袋に付いているクリスタルに触れ
「インストール。えっとこれはアイアン…か。アイアンクリエイト」
俺がそう言うと5kgくらいあった鉄のキューブが光り、クリスタルに取り込まれていく。
「な なんと!?」
ギルムが驚いている。
「き きれい!」
鉱物を取り込む時に七色のエフェクトが発生すると言う設定なので、ちょっと派手だ。
それにウリシュクは感動してる。
「ほい 完成」
数秒して鉄は一本の短剣に生まれ変わった。
素材が鉄なので、大した武器には出来なかったがシグレアキラの魂が付加されているので、これにシグレがパワーを注げば、こんな物でも結構な武器になった…はずだ。
俺の漫画の中の設定だとね。
「ほ 本当だ!凄いよシグレ!あなたアルケミストだったのね!」
ウリシュクが感動しいる。
アルケミスト…錬金術師の事か。
まぁこの世界で言ったら、それに近いのかも知れないな。
「まぁそうなのかもな。俺が造れるのは武器だけだけどな」
俺がそう言ってるとギルムが短剣に、しがみつく
「か 借してくれ!み 見せろ!いや見せてくれんか小僧!!」
凄い形相でギルムが俺に迫る。
「ああ だから言ったじゃねぇか、もう元には戻せないって…」
また機嫌を損なったと思い、俺はギルムに短剣を渡した。
すると真剣な眼差しでマジマジと短剣を凝視するギルム。
少し怖いわ!
「なんと…美しい短剣なんじゃ…魔力まで付加されておるな…こ こいつはとんでも無い武器じゃぞ小僧!!」
ギルムが興奮して俺に言った。
「ほ 本当に凄い…それもシグレの国の技術なのね…一体どうなってんのよ、あなたの国は…」
ウリシュクが呆れたって感じで半笑いしている。
「こ 小僧…こいつは信じられんくらいの武器だぞ!?一級の品だ。素材が鉄じゃ無かったら値段のつけ様が無いくらいじゃ!」
良かった弁償させられるかと思ったが、そんな感じじゃ無さそうだ。
「え?じゃあ、この短剣いくらになるの?」
ウリシュクが、たずねた。
「そうじゃな強度も鉄とは思えんほど上がっとるし斬れ味も良さそうじゃ。見ればわしなら分かる」
するとギルムは同じ様な鉄に、シグレアキラの造った短剣で斬り傷を入れようと斬りつけたが、豆腐を斬る様に抵抗無く元と同じ様な鉄のキューブは真っ二つになってしまった。
「!?」
ギルムは驚愕し何度もその切り口と短剣を見比べる。
「や やはり魔力を込められる…魔力を付加出来る武器なんて、そうは無い…こいつはとんでもない代物だぞ!!」
興奮してギルムが一層、短剣をマジマジと見つめている。
「何なら、それあげるからさ、このオリハルコン…いやアダマンタイト鉱石と交換しないか?」
なんてダメ元で言ってみた。
「な なんじゃと!?…い いや確かに、この短剣は値打ちがあるが、さすがにアダマンタイト程の価値には及ばんぞ?…が、お お前それなら、ア アダマンタイトも同じ様に短剣に加工出来るって事なのか!?」
「ああ 問題ねぇ、この鉄なんかより、こいつで精製出来れば、まともな武器に出来るぜ?」
「まともって…お前この短剣でも相当な一級品だぞ?」
「俺のソウルウエポンは、こんな物じゃねぇぜ?そのアダマンタイトで普通の俺用の武器が、やっと造れるって感じなんだ。さらに強い鉱石があればソウルブレイカーって言う剣が造り出せんだ。まぁそれは中々見つからん素材からしか造れねぇんだけどな」
「ソ ソウルブレイカー?アダマンタイトで普通の武器じゃと?お主相当イカれとるの フフだがお主の目は嘘を言ってる者の目では無さそうじゃなフフフ」
ギルムは、嬉しそうだ。
「ハッキリ言うと小僧、アダマンタイトは現代の、どこの国の鍛冶職人でも加工は出来ぬ。アダマンタイトを斬り刻める物質がこの世に存在しないからだ。アダマンタイトを斬り加工出来るのは、やはりアダマンタイト製の工具だけなのだ。そんな物は古代王国の魔導具からも出土されたと言う話は聞かんでな。この世の何よりも硬く魔力も込められる最高の鉱石であるが、一切これの武器などは存在しておらん。もしお主が本当に、そのアダマンタイトを加工して、今みたいに武器に出来る所を見せてくれれば、金貨二千枚と、この短剣でアダマンタイトは譲ってやるぞ?」
「き 金貨二千枚って高いんじゃ無いのか!?ウリシュク!?」
「そうね。私の手持ちでも足り無いけど、今回の依頼をこなせれば金貨三千枚入るから大丈夫よ」
「そ そうか!じゃあ、おっさん!その時にアダマンタイトを売ってくれよ!他の奴に売っちゃだめだぜ?予約って出来ない?」
「そんなシステムは、家にはねぇよ。だが安心しなアダマンタイトなんて普通宝石位の価値しかねぇ。購入しようなんて物好きは、王族か大貴族くらいだ。そんだけそいつは高えんだ普通、金貨二万枚で、まず交渉に入るんだぞ?値打ちはこのサイズだとまぁ金貨三万五千枚って所だな」
「さ 三万五千枚!?嘘だろ!?」
「それが相場だ。王都のオークションに、かければ五万はいくだろうな」
「ご 五万!?」
それを、ソウルウエポンで造った短剣プラス金貨二千枚で良いってどんだけリーズナブルなんだ!?
「い 良いのか?五万もするアダマンタイトを、たった二千枚で譲ってくれて?」
「フン そんな事は無い。お主の造った短剣は魔力が付加出来て通常の何倍もの威力が出る。見た目も素晴らしいし芸術品としての価値も高い。冒険者で無くても喜んで貴族やら特権階級の連中が言い値で購入するだろうて。こいつで最低でも金貨一万枚はくだらぬだろ」
「す 凄いよシグレ!普通魔力込められる短剣でも金貨二千枚くらいよ…倍くらいあるわ…」
「い いやでもさ五万には、まったく足りて無くね?」
「フン アダマンタイトを精製して武器に出来る所を見れるんだったら、安いもんだろ?
なにせアダマンタイトの武器など、この世に存在する話も聞いた事が無い。そんな武器が見れるなら一生もんの価値があると言う事だ」
「そ そう?じゃあ、お言葉に甘えて必ず金貨二千枚持って来るからさ、売らないでとっておいてくれよ?」
「大丈夫だ必ずとっておく。さっさとその依頼こなしたら、こっちこそ早くアダマンタイトの武器を見せてくれ。楽しみにしてるぞ?」
口約束だが、このギルムってドワーフは、きっと約束を守ってくれるだろう。
そんな感じがする。
ウリシュクとも長い付き合いみたいだし信用して良いと俺は思ったのだった。
次回は4月21日火曜日、0時に更新です!
よろしくお願いします!(^^)
毎週火曜と土曜の0時に更新してます。覚えてもらえるとありがたいです!(^^)




