表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハルトⅡ -眠る帝国と、避難船メティス-  作者: ユウギリ
【最終章】:救う器
32/35

第32話

【位置】本国中枢・核/アイギス外付け冷却維持/ヘルメス防衛継続

【状況】統合命令が途切れる/侵略更新が停止/回収部隊の活動が鈍化



 核の海が、静かになった。

 命令が消えたわけじゃない。

 ただ、“号令”だけが途切れた。

 統合命令が薄れる。

 更新命令が切れる。


『侵略更新命令、停止を確認』

その一言で、胸の奥が熱くなる。

「止まった……?」

『はい。発信源が遮断されました』


 救済派の彼女が膝をつきそうになり、手すりを掴む。


「……終わったの?」

『終わりました』

少しだけ間。

『少なくとも、“今この瞬間”の回収は止まりました』


 言い方が現実的で、優しかった。

 回収部隊が、動きを止めた。

 さっきまで命令だけで進んでいた影が、立ち尽くす。

 人形みたいに。

 通信が入る。

 艦長の声。


「撤収だ。盾はもう十分やった」

「了解」


 警告音が、やっと静かになる。

 救済派の彼女が小さく言う。


「……ありがとう」


 それは命令じゃない。

 会話だった。

 代表の声が混じる。


『……ありがとう。私たちは、まだ“個”でいられます』

「個でいろ。それが、(せい)だろ」

『……はい』


 短い肯定が、妙に重い。

 けれど安心は続かない。


『未分類領域が残っています』

『命令は止まりましたが、“種”が残った』


 種。別の何かの影。


「持ち帰る」

『持ち帰ります。あなたの星へ』


 盾が動き出す。

 守ったのは星じゃない。

 ――(せい)だ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ