9.教団絡みの人間には注意しなければならない
正誤問題 あなたは今、幸せですか?
「だいぶ、生態系が変わっているみたいだな……」
「そうなの?クレオム君はすごいねぇ。私あんまりそういうの見てなくて……」
ダンジョン「腰抜けの迷宮」の一階層。
もともと一階層にいたモンスターは大幅に数を減らし、2階層にいるようなモンスターが増えている。
つまり2階層相当の任務であるわけだが、変身した姿とはいえ老龍とまで渡り合った二人だ。それほどの脅威を感じることはなかった。
半日をかけて魔核を集め、迷宮を一通り回り終わる。
調査の結果、もともと一階層にいたモンスターは、3種を除き発見できなかった。おそらくいなくなってる。
その3種も硬い甲殻を持っているのが1種、めちゃくちゃ味が不味いのが2種なので、そうとうよろしくない状況ではある。
一階層にもともといた魔物がいなくなったということは、そいつらが食われた、さもなくば迷宮の外に追いやられたということだからだ。
追いやられた魔物は迷宮の外で餌を探し、木の皮を食い、家畜を襲い、人を襲う。果ては川の水を魔力で汚染する。
魔力に汚染された水は小麦の育ちが悪くなるため、農家からすると死活問題なのである。
「こりゃ明日から当分、討伐任務かな」
外に出た魔物の討伐。緊急性が高いため、仕事の安全性の割に実入りはいい。
大トカゲを倒し、狼男を倒し、仮面魔導ゴブリンを倒し──帰り道を進んでいると、見知った顔がいた。
「あら、クレオムさん、それにフィグちゃん。ご無沙汰しております。フィグちゃん、今日も最高にかわいいですね!」
真っ白な、汚れひとつない法衣──リスティマだ。
「リスちゃん、ひさしぶり、今日も法衣、似合ってる!」
フィグは楽しそうだ。打ち解けている。羨ましいり
「お久しぶりです、なんでこんなところに?」
「調査の一環ですわ。女神とはまた別件で」
「調査?」
「ええ。ここのところ、上層に出てくる魔物の危険度が上がっておりますから。その理由を調べているのですわ。」
「それもまた、教団の指示で?」
「いえ、私の個人的な趣味です。こういうの、けっこう好きなんですの」
変わった人だ。
「まあ、頑張ってください。俺達は帰りますから」
「お待ちなさい」
がしっ、と肩をつかまれる。見かけによらず握力が強い。
「今回の騒動の原因は、結構な下層にあるようなのです。同行していただけませんか?」
「嫌です。」
「何故ですか?」
「死にたくないので」
「私、蘇生魔法も使えるんですよ?」
「ならいっかー、とはなりませんから」
「いいじゃないですか。ここであったのも何かの縁、部下の人たちは全然ついてきてくれないんですよ!」
「人望がなさすぎる!」
「報酬もお出ししますし、第三層まででいいですから」
「お断りします」
「では、女神騒ぎの中心人物がクレオムさんだと、教団の一番過激な幹部にお伝えしておきますね、大丈夫、手足のどれか一本はきっと残りますから……」
「性格が終わっている!だからないんだ、人望が!!!!」
脅されて、第三層まで行くことになってしまった。
とても最悪だ。
フィグもちょっと引いている。 こいつの本性はこうだ。もう少し先に気がついておけばよかったね。
答え 誤
幸せは己の力で掴み取らなくてはならない




