8.ギルドの依頼を受けなければならない
「これからどうしようか……」
酒場。フィグは不安そうにしながらも揚げた芋をつまんでいる。
「堅実に、ほとぼりが冷めるまであの姿にはならないのが無難でしょうね。フィグは何か聞かれましたか?」
「特に何も。クレオム君がいっぱい話してくれたからって、お茶だけ飲んで解散。髪の毛綺麗だねって褒められちゃった」
何やってるんだあの人は。
情報が足りないと言っていたにも関わらず、新たな情報を集める気が微塵も感じられない。
上司に言われて渋々、という感じなのか。
せめて同じ内容を聞いて整合性の判断とか、そういうものはないのだろうか。
教会の行く末が心配である。
この世界で最大手の宗教、女神フリージアを信奉するフリージア教団は、教義も緩く、聖典を回転させると読んだことになる奇妙な慣習から、聖典の刻まれたバトル用のコマを売っていたりするよくわからん宗教である。
この世界の人間が基本的に食前の祈りを女神に捧げたりしているあたり、しっかりと信奉されては居るのだろうが──
教団のことはまあいいだろう。
とりあえず自分たちの仕事の足場固めだ。
「二人だけだと戦力に不安も残るし、仲間を増やしてみる?」
「女神もどきの正体がバレるリスクが多少上がることを加味しても前衛がもう一人欲しいとこですが、募集かけたところで来ますかね。」
後衛がもとBランクパーティのメンバーとはいえ、Fランクの即席パーティのメンバーが2人では心もとない。それに何かあったときに逃げられる可能性が高いのは、ニ人より三人だ。
「とりあえず、やるだけやってみようよ」
というわけで前衛募集の張り紙をギルドに掲示し、ダンジョン一層の比較的安全な魔物を狩っては帰る生活が2日、3日と続いた。
前衛募集への応募は当然なく、さらに数日後ギルドの依頼のうち、簡単なものを少しずつこなして、ランクをFからEに上げることがフィグから提案された。
ランクが上がれば応募も増えるだろう、という算段である。
「と、言うわけでよさげな依頼があれば受けたいんですが」
フィグと二人、ギルドの受付へ。
「お二人のパーティですと、この調査任務なんてお勧めですよ」
受付嬢が提示したのは、こないだ老龍と戦ったダンジョンの調査依頼。
層ごとに出る魔物の種類が変わった可能性が高いらしく、一層全体の調査をお願いしたい、とのことだ。
「もともといた魔物のリストを携帯し、いるものといないものをチェック、新しい魔物がいた場合倒してその魔核の提出をおねがいします。第二層まで行ける方なら、簡単にこなせる依頼だと思います」
何やら少し嫌な予感がしたが、気にするほどのことではないと思い受諾することにした。




