7.魔法少女は正体を明かしてはならない
Q、なんで正体がバレるとまずいんですか?
3日後の朝。
「早くからすみません、クレオムさん。呼び出しがかかってしまって」
俺は呼び出された。十中八九「女神」のことだろう。
ギルドの職員が直接宿に来たときは心臓が飛び出るかと思ったが、さすがにバレることはあるまい。
「では、こちらの部屋に……」
通された部屋は、このギルドの建物内で一番大きな応接室。
嫌な予感がする。
「はじめまして。すみません、朝早くに」
嫌な予感は的中した。
そこにいたのは、若い女性だった。
シミ一つない純白の法衣に、大きな宝石が象嵌された杖。
白がかった金色の長い髪に映える、透き通るような青い瞳。
机には、何やら分厚い本が一冊。聖典か何かだろうか。
これは……多分教会絡み、しかもおそらくけっこう偉い人が来てしまった。
「はじめまして。クレオム・スパークラーと申します」
「はじめまして。リスティマと申します。長々とした話は、あまり好まれないことを知っていますから、単刀直入に。 昨日ダンジョンに現れた「女神」についてお話を伺いたくまいりました。」
「ええ、まあ、なんなりと」
「私としては、女神が急に、ダンジョンの奥地に現れるなど眉唾ものでございますが……それに老龍が撃破されていることも事実。現在、調査も進んでおりますが、既存の魔法のどれとも異なる魔力の痕跡があり……我々人類に対する脅威になりうる可能性も視野に入れなくてはならないかもしれません。それゆえに、より多くの情報が必要なのです」
「具体的に、どのような?」
「うーん……とりあえず上の方からは情報を集めてこいと言われてますが……逆に何が必要だと思います?」
「さぁ……」
切れ者かと思ったが、そうでもないのかもしれない。
人を見た目で判断しちゃダメだな。
「場所はダンジョンの通路。なんてことのない場所です。魔力の痕跡は既存のものと異なるということ以外何も分からず。手がかりはあなた方の目撃証言のみ。
情報が足りないということが、現在得られている情報の全てです。正直この情報量で教会が動くこと自体、なんか不自然なんですよね。私たちには伝えてない情報が何かあるとか……?」
「お話できることなければ、もう帰っても?」
「お待ちください。もう少し。何かひねり出しますから。仕事しないと上司に怒られちゃうんです。」
「じゃあ……魔法少女と合った時の状況とか、背格好とかお話すればいいですか?」
「あっ!そうか!それでお願いします!」
大丈夫か、この人。
その後、正体が自分であること以外はつつみ隠さず話した。
明日には教会絡みの人間全員が帰ってくれればいいのだが。
だが、少しまずいことになった。
教会に魔法少女が目をつけられてしまった。
だとすると、迂闊にこの力を使うことはできない。
堅実に稼いでいくしかないということか。
A、変身してない時を狙われるから




