無限ループ
「聖誕祭を中止せよ!」
「教団は若者を生贄に捧げている!」
「違法や献金を受け取っている!」
根拠のあるんだかないんだかよくわからない主張を無視して散歩を続けようと、デモ隊を尻目に歩き去ろうとすると老人に声をかけられた。
「そこのあんた!教団についてどう思う!」
無視である。かかわり合いになりたくない。
足音がする。背後から追ってきているようだ。
面倒だな。
足音が近づいてくる。
「あの」
いいかけた瞬間、ドンッ、と押されるような衝撃。
「は?」
「バカにしおって!」
老人の声がする。
体に力が入らなくなり、崩れ落ちる。
脳に酸素が回っていない。
かすむ目で、地面を見ると真っ赤である。
──刺された?
頭のおかしい野郎だ。そう思ったところでもう遅い。
意識が薄れていき、途切れ──
目が覚める。ハンゾウが俺の上に寝転んでいる。
「夢、だったのか?」
ハンゾウを押しのけ、散歩のため宿を出る。
「ゆうべは おたのしみでしたね」
そうですねー。
道の先にはデモ隊。
「聖誕祭を中止せよ!」と。
帰ろう。
引き返すと、また背後から足音が聞こえる。
夢と同じか。なら同じ轍は踏むまい。
剣に手をかけ振り向くと、デモ隊全員が刃渡りの短い刃物を持って追ってきていた。
なんでだよ。ホラーすぎるだろ。
俺は逃げたが、反対方面にいたデモ隊の一人に刺されて死んだ。
そしてまた目が覚める。
「夢か」
ハンゾウが俺の上で寝ている。
ハンゾウをどかし──
「ゆうべは おたのしみでしたね」
散歩に行くのは辞めとこうか。
「またいまから おたのしみですか?」
お楽しくないから寝るんだよ。
部屋に戻り二度寝した俺は、ハンゾウの寝相が悪すぎて死んだ。




