デモ
ケニスは慣れた感じでひっ捕らえた奴らを衛兵に引き渡し、書類の類を小さな鞄に全て押し込んで「また何かあったら呼びに来ますね」と言い残し帰っていった。
また呼び出されるのだろうか。嫌だな。
宿に戻ると二つだったベッドが一つにされていた。
「おかえり、クレオムくん。今日はみんなで川丨の字で寝ようね」
「棒が1本多い気がしますが」
「下ネタは女の子に嫌われちゃうよ、クレオムくん」
「言ってませんが。」
もうどうにでもなれの気分だ。じゃんけんで決着はつかなかったのだろうか。
「で、どういう並びになったんです?」
「私が右、リスティマちゃんが左、ハンゾウちゃんが上」
「上!?」
「下でもかまわないでござるよ」
「上でも下でもかまうんですよ!」
このままでは山の字で寝ることになってしまう。
いいのか?いいような気もするな。
「拙者寝るときも鎧を着込んでおるので、少し重いかもしれませぬが、堪忍を」
よくなかったな。
「ちゃんと寝たいし、潰されて死にたくもないのでせめて鎧は外してください」
「拙者に一糸まとわず寝よと言うことでござるな!心得た!」
「話が通じない!」
なんやかんやで、寝た。状況については伏せさせていただく。
眠気覚ましに町を歩きに行くと、宿屋の店主がニヤリと笑う。
「ゆうべは おたのしみでしたね」
「楽しくはなかったです」
通りをふらついていると、怪しげな集団が手持ちの看板をかかげ、何かを訴えているのを見た。
「この世界にもデモってあるんだなぁ……」
「聖誕祭を即刻中止せよ!」
そう叫ぶ男たちの首元には、髑髏を象った、金属のペンダントがかかっていた。




