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ダンジョンの奥に取り残されたうえ、魔法少女になってしまった俺の話 魔法の力でモンスターを撃滅だ!  作者: ああボルテック峠


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34/50

34.四天王って被ってね?

「君たち、すごいよ。ギガースは城一つくらいなら単騎で落とせる、Aランクの魔物だぜ。それをそんなあっさり倒されちゃ、僕も立つ瀬がないってもんだ」

声の主は、右手に開いた本を持ち、黒のスーツを着こなした、長身の男。

赤いストレートの髪を肩まで伸ばし、切れ長の目の端には紅を差し、ピアスまでつけている。ホストみたいだ。

青い肌をし、額から角が生えている──魔物か。

姿が人に似た魔物は魔力や知能が高く、非常に厄介である。具体的にはそう、そのへんの町の弱小ギルドでは対処できないほどに。

「ああ、申し遅れたね。僕は魔王ゴルテオ四天王が一人、クロウリー。君たちよりはるかに高位の存在さ。よろしくね」

四天王……なんか迷宮であった骸骨騎士と被ってるな。ややこしい。

俺たちは無言で杖を、剣を構える。魔物と話すことなど何もない。名を教えることがリスクになりうる場合もあるのだ。魔法少女名ならまあいいかもしれないが、俺だけ名乗るのも変だし……

「おや、自己紹介もしてくれないのか。じゃあ、名残惜しいけれどお別れと行こうか。」

クロウリーの本が光る。

「クロウリーが命ずる!召喚せよ、アイオーン!」

どこからともなく、パイプオルガンの荘厳な音が響き渡る。

天空に巨大な円形の魔法陣が展開され、光り輝く。

そこからぬうっ、と現れるのは、黄金に輝く機械の身体を持つ、巨体の異形。

天を衝くギガースよりも、はるかに巨大な姿。

4本の金属の脚が、石畳を抉る。

そこからつながる本体には、巨大な目を思わせるカメラのようなユニット。

巨大な三対の翼を背から生やし、その周囲には無数の剣が、浮いている。

「やれ」

剣が、剣が、剣が、雨のように俺たちに振り注ぐ。

「ペポラ・パルマー!!!!」

「セイクリッドバリアー!!!」

剣の雨は俺たちが展開したバリアを、削り、削り、削り──

「火炎滅狩手裏剣!!!」

ドォン、と爆発音とともに、アイオーンの巨体が揺らぐ。

剣の雨が、空中に躍るハンゾウに向き──突き刺さる。

「ハンゾウ!!」

針鼠のような有様になったハンゾウの姿が、ポンッと煙を立てて消える。

「変わり身の術にござる!」

「よかった!」

「油断めされるな、殿!」

「ああ!」

アイオーンの注意が一瞬、向こうに向かった。

その隙を、逃すことはない。

「ペポラ・プレイザ!」

狙うは中央のレンズ──だが、放った光線は霧散した。

「何ッ!!」

「そんな手品なんかじゃ、うちのアイオーンは、倒せないよ〜」

また剣の雨が振り注ぐ──

「バーーーーーニング!!!!!!」

フィグの放った火炎が、剣を焼き、溶かす。

「セイクリッドバリアー!」

リスティマのバリアが、溶けた剣の残骸を防ぎ、煙をあげる。

「よっしゃ、あとは本体だけだ!」

「ふうーん、なかなかやるじゃないの。」

クロウリーが本に手をかざす。

「じゃあ、第二形態といこうか」と。






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