24.一緒に行く
翌日。家を探してこいとリスティマを追い出し、フィグを起こしに行く。
「おはよう、クレオムくん」
部屋につくとフィグは既に起きていた。
服装もいつもの魔法装束ではなく、白のふわりとしたワンピースだ。長くウエーブがかかった髪も、今日は後ろで束ねている。
「どう、かな」
「すごく似合ってますよ」
「そっか、よかった」
少し照れたように、フィグは髪を指にくるくると巻きつける。
「クレオムくん、今日は一日暇だよね」
「ええ、特に用事もないので、装備の手入れと買い出しをしようと思ってて」
「わ、私も、一緒に行く」
「もちろん。一緒にいきましょう」
「ありがと、じゃあ行こっか」
そういえばフィグと買い物に行くなんて、初めてじゃないか?前のパーティの時はいつも一人で行ってたし……
「クレオムくん、どこに行く?私、いきたいお店があって……近くだから、そこから行ってもいい?」
「もちろん」
「じゃあ……こっち!」
フィグに案内されたのは、オシャレなカフェだった。
「ここのね、スコーンがとっても美味しいの」
フィグがおすすめしてくれたスコーンは、ドライフルーツが練り込まれており、生地も微かに甘い。
渋めの紅茶とよく合い、美味しかった。
「こんな店もあるんですね」
「クレオムくんも気に入ってくれた?また一緒に来ようね。じゃあ次は……」
魔法道具屋、鍛冶屋、雑貨屋。いくつかの店を一緒に巡る。普段ダンジョンで見る姿とは違う、フィグの表情。柔らかな笑顔と、静かな物腰。そして俺に向けてくれる、笑顔。
いつもの酒場で食事を済ませ、またいくつかの店を巡り、目的もなく広場をうろつき、小腹が減ったので屋台で串焼きを買う。
そんな感じで町を散策し、いつの間にか夕方になっていた。
「そろそろ帰りましょうか」
「うん」
「今日、楽しかったです。ありがとうございました」
「私も、楽しかった。クレオムくん」
「はい」
「また、行こうね。一緒に。いろんなところ」
「もちろんです。部屋まで送っていきますね」
「ありがと」
フィグを部屋まで送り届け、帰宅。
「ふっふっふ、おかえりなさい、クレオムさん。遅かったですね」
リスティマが腕組みをして、待ち構えていた
「部屋を探して来いって言ったよな?何でいるんだ」
「ふっふっふ、聞いて驚いてください、見て喚いてくださいよ。今からクレオムさんを、新居にご案内しますから」
「新居?見つかったのか、良かった」
「引っ越し代は折半でいいですよ。なんせ私たちと、フィグさんの3人分ですから」
「3人、ぶん?」
何を言っているんだこいつは。




