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ダンジョンの奥に取り残されたうえ、魔法少女になってしまった俺の話 魔法の力でモンスターを撃滅だ!  作者: ああボルテック峠


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19/50

19.ちょっと足を伸ばしてさ

ゼナックに勝利してから数日。

闘技場での大番狂わせが噂になったのか、声をかけられることがちょっとだけ増えた。

名が売れた、ということになるのだろか。

リスティマは俺の勝利によって小金を手にしたようだが、あいかわらず部屋に居座っている。いい加減に出ていってほしい。

ちょっと名が売れたところで、俺のやることは変わらない。

リスティマを連れて、フィグを起こし、予定を決める。

「今日こそ、ちょっと離れたダンジョンに行ってみようか」というフィグの提案により、街から少し離れたダンジョンに行くことになった。

「ゴブリンのねぐら」と呼ばれる、人型のモンスターが多い、中級者向けダンジョンだ。

前のパーティの時には行ったことが無かったな。

そもそも前のパーティでダンジョンに潜った回数だって数えるほどだが。

「結構、違うもんですね、雰囲気とか」

「腰抜けの迷宮」とは壁の質感や湿度、空気の重さが違う。

ちょっとからっとしていて、明るいと言うかなんというか。

「人型のモンスターが多いからね。彼らの住みやすいようになってるんだと思う」

「神の思し召し、というやつですね」

そんなもんなのだろうか。不思議である。

ダンジョンを進んでいくと、不気味な鳥頭の、人型モンスターがのっそりと姿を現す。

羽毛に覆われた全身、背丈は大人の男と同じくらいか。

手には木の枝そのままに見える、粗末なボロボロの棍棒。あまり知能は高くなさそうだ。

こちらをじろりとにらみつけると、口を開く。

「タスケテ!タスケテ!」

これは、あれか。

襲われた人間の断末魔を真似するタイプのモンスターか。趣味が悪い。

「オメガヘッドですね、知能は低いですが、パワーと瞬発力が高いので危険です。」

リスティマが解説してくれる。

オメガって、ΩΩ(おうむ)ってこと?

「タスケテ!」

いらん考え事をしていた俺の隙を見逃さず、オメガヘッドが棍棒を振り下ろす。

「うぉっ!」

すんでのところで避けると、眼前の石床にびしりとヒビが入る。

確かに、このパワーは脅威だ。

俺の実力じゃ、対処するのは難しいだろう。

俺一人なら。

「フィグ!お願いします!」

「アイスロック!」

フィグの放った魔法弾が、棍棒を振り下ろしたオメガヘッドの腕に直撃し、そのまま凍結させ、氷の枷で地面にその腕を縫い付ける。

「タスケテ?」

「ナイスです、フィグ!」

左に跳び、そのまま壁を蹴り──剣を横一線に振り抜く。

「やぁっ!」

命中した剣は切れ味も鋭く、そのままオメガヘッドの頸を切り落とす。

「タスケ……」

黒い靄となって消える筋肉質な身体。

魔核だけが残り、地面に落ちる。

「なかなかいい連係でしたわ、お二人とも。私の出る幕はもう少し先の階層かもしれませんわね」

リスティマが小さく拍手をする。

「順調ですね、この調子でいきましょう!」

「うん、いい感じだね、クレオムくん!」

いい感じである。順調である。

そして順調である時には必ずと言っていいほど、ろくでもないことが起きるのが俺の人生というものである。










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