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ダンジョンの奥に取り残されたうえ、魔法少女になってしまった俺の話 魔法の力でモンスターを撃滅だ!  作者: ああボルテック峠


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13/50

13.魔法少年はどんなときでも諦めない

「食らうがいい、わが獄炎を!」

骸の竜、ガイガスが叫び、その口から業火を吐き出す。

「ピピラ・パルマ──うわっ!」

掌の形の障壁を出すも、業火の凄まじい熱に砕け散る。

「ぐううう!」

熱い、痛い。肌が焼ける。 髪の焦げる匂いがする。

服もフリルの一部が燃え、煤けてしまった。

「どうしたどうした!ヴォル・ヴァルマ!」

暗黒のオーラを纏った槍が、無数に俺めがけて飛ぶ。

「ピピラ・パルマ!ぐっ」

障壁で受け止め損ねた1本が、肩口に刺さる。

刺さった傷口が、燃えるように熱い。

「どうした!防戦一方ではなぁ!」

「くっ!ペポラ・パルマ・プレシオン!」

天井から、巨大な掌の形をした光弾が、竜のその巨体を押しつぶさんと──

「ぬぅん!」

ガイガスの掌底が天を突き、ペポラ・パルマ・プレジオンすらも砕け散る。

「どうした、まさかこの程度ではあるまいな!」

強い。圧倒的に。

まだ、強い呪文はある。 体力も魔力もまだ、尽きていない。だが。

こいつには勝てない。そう、心の奥底で、思ってしまっている。

圧倒的な力、圧倒的な防御力。

その戦闘力に、象と蟻ほどの差があるような、そんな絶望感が腹の奥にずん、とのしかかっている。

「決めさせてもらうぞ!ヴォル・アヴラ・ヴァルマ!」

暗黒の槍が無数に空中に浮かぶ。先ほどのものより長く、太く──そして、多い。

「諦めるのかい?」

いつの間にか傍らに浮いていた、兎のような小動物が俺に問う。

「守りたいあの子たちを。そしてこの世界を、諦めるのかい?」と。

その言葉にフィグの顔を、ふと思い出した。

一緒に冒険をして、酒を飲んで──そうだ、あの楽しい時間を、またもう一度過ごすためにも。

腹の奥の重い絶望感が、熱に変わる。

そうだ、まだ諦める時じゃない。勝てる勝てないじゃない。何をおいても今は、こいつに勝つ。

「ピピラ・パルマ!」

ガラスの軋むような、耳障りな音が響く。

掌の形をした障壁に、暗黒の槍は深々と突き刺さり──しかし、障壁は砕けない。

「ふむ、これはなかなか」

「ペポラ・プレイザー!」

攻撃に転じた俺の放つ光線が、竜の纏う鎧に穴を穿つ。

「ぐっ……急に気迫を増したか!そうでなくてはな!」

穿たれた穴は一瞬で消える。だが、効いていないわけではあるまい。

「ペポラ・エレフ・プレイザー!!!!」

光の玉が、宙に舞う。

一つ、二つ、三つ──やがて、数え切れないほどの数になる。

「はぁっ!」

放たれた幾千の光弾が、全穿つ、穿つ、穿つ。

「ぐ、うっ……これは……まずい……!」

蜂の巣のように穴だらけになった骸の竜が、痙攣するように手を伸ばす。

「まだだ!ペポラ・スピカ・ププ・パピリマ・プレイザー!!」

杖の先端に光が集まり、巨大な光弾を形取る。

杖を振り抜くと、ダンジョンの通路を埋め尽くすほどの太さの光線が振り注いだ。

「ぐうううっ!ぐああああああ!!」

爆発音と土煙。

肩で息をし、咳き込みながらも通路の奥を睨めつける。

意外にも、骸の竜はその原型をとどめていた。

「はぁ……はぁ……ぐうううっ……まずいな……油断したか……今日のところは、勝負はお預けとしようか……」

満身創痍のガイガスの姿が元の骸骨騎士に戻ったかと思うと、影に包まれる。

「待てっ!」

とっさに放った光弾は、その影すら消え去ったダンジョンの床に弾かれただけだった。

「逃がした──けど、生き延びたぞ……!」

桃色の光が俺を包み、元の姿に戻す。

体力も、精神力もとうに限界を超えている。

出口は、きっとあっちの方だ。

一歩進み、二歩進み──三歩目を踏み出す前に、俺は意識を失い、倒れ伏した。









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