11.ファーストコンタクトに失敗しても構わない。
リスティマの攻撃による土煙が収まり、足音の姿が現れる。
「あー、びっくりした。何よほんとに。こっちの世界の人は血の気が多くてダメだね」
その姿は、黒い鎧をまとった、髑髏の顔の騎士。
ただし鎧の上から革ジャンを来ている。
「スカルナイト……でしょうか?にしては見慣れない格好」
「あー、大丈夫大丈夫。今表立って君等に危害を加えるつもりはないからさ。出ておいで」
髑髏の騎士は、鎧に覆われた手で手招きしている。
「出ておいでって、言ってますけど……」
「フィグ君、なんであの人の言葉がわかるの?」
「あいも変わらず唸り声にしか聞こえませんわ。怪しい……」
フィグもリスティマもやはり、あいつの話す言葉を理解できていないか。
「あ、そうかそうか。こっちの言葉じゃないと通じないんだ。あ、あー。と。アブナイコトシナイカラ デテキテクダサイ」
髑髏の騎士が片言になる。
こちらの世界の言葉になった、ということだろう。
「ああ言ってますけど」
「我が教団の教義で、頭が骸骨な者の言うことは信頼してはいけない、というものがあります。もう一発──」
「なんですかその教義!さっきの効いてもないですよ、状況悪くするだけですって!俺が話しつけて来ます」
「頭が骸骨なんですよ?」
「それでもです」
俺は髑髏の騎士の前に姿を現す。
「いやー、すみません。こちらの仲間が血気盛んで。お怪我とかありませんでした?」
「ダイジョウブ ハナシ キキタイ」
それはこっちも同じだ。俺の前世と同じ言語を操り、いかにも悪役な見た目。多分魔法少女絡みであろう。
目的を聞き出し、危ないようなら討たねば。
「ええ、なんなりと。こちらにはどういったご要件で?」
「ウーン……エット……ソノ……面倒だな、攫うか」
手がこちらに伸びる。
「あぶねっ!」
後ろに飛び退り、躱す。
「おや?もしかして言葉が分かるのか?なるほどなるほど!貴〜重なサンプルじゃぁない!」
攫うと言う言葉に反応したのを、気づかれたらしい。
どうする。リスティマの魔法が一切効いていない相手だぞ。戦って生き残れる保証はない。
「逃げてくれ!ここは俺が食い止めておくから!」
せめて二人だけでも逃がしておけば。
「誰が逃げるものですか!」
案の定というか、リスティマは臨戦態勢だ。
「フィグは!」
「クレオム君が戦うなら、私も!」
なんでこう全員血の気が多いんだ。
ありがた半分、迷惑半分──いや、ありがた迷惑がフルMAXだ。
何にせよ、やるしかないのか。
リスティマに魔法少女のことがバレたら終わるから、バレないようにしつつ、この骸骨から逃げ延びる。
……いけるか?
無理かもしれない。
次回更新日未定 早ければ明日となります




