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彼もあんな風に笑うのね

「ここにいたんだね、アリシア」


 ああ、これは夢だ。どうやら私は図書館で勉強しているらしい。机にある本に目を向ければ、数学を勉強しているようだった。見るたことない式で頭がくらくらしていると、少し低めの声に名前を呼ばれる。顔を上げれば、少し成長したエドモンド様がたくさんの本を持って微笑んでいた。手にした本のタイトルを見ると古典文学らしい。彼は私の隣に腰かけると、こちらのノートを覗きこんだ。


「ああ、この式?」

「頭がくらくらします……」

「はは、この式は難しいよね。でもこれは解きやすい方法があって……ペンを取っても?」

「あ、はい」


 エドモンド様にペンを渡す。彼はノートにペンを走らせ説明をはじめる。


「ここの数字を入れると式が解きやすいんだ。ほら数字を入れたからこう式を変えれるだろう?」

「ああ、なるほど。ですがどうしてここの数字を?」

「それは……」


 エドモンド様の指導の元、公式を解いていくとあっという間にできた。私が感動しているとエドモンド様が声をかける。


「そういえばアリシア、前に教えてもらったこの本を読んだのだけど……」

「! ああ、その本!」

「アリシア、図書館ではお静かに」

「!」


 思わず口を塞ぐ。その様子がおかしいのか、エドモンド様はくすくすと笑うと表紙を開いた。


「ここの部分をどう解釈したらいいか分からないんだけど……」

「ああ、ここは主人公に向けての言葉に見えますが、実は……」


 私は自分の解釈をエドモンド様に伝える。彼は嫌な顔せずにうんうんと話を聞いてくれた。それどころか、どんどん質問をしてくる。私はこうして文学を話せることが嬉しくて、色んなことを話した気がする。


 あっという間に時間が経っていたらしい。窓を見ると夕日が沈みかけていた。エドモンド様もそれに気づいたのだろう。椅子から立ち上がりこちらを手を差し出した。


「もうこんな時間か……今日は帰ろうか」

「は、はい」


 差し出された手を取る。少し高めの体温が心地よい。エドモンド様に連れ出されるように図書館を出ると、門前に馬車が置かれていた。いつの間にと驚いていると彼は私を連れて馬車にまっすぐ向かう。


「先にどうぞ」


 エスコートされるままに馬車に乗ろうとして少しふらついてしまい、体のバランスが崩れる。


 私の意識はそこでとだえた。


「!」


 朝、目を覚ますと見慣れた天井が目に入る。ゆっくり起き上がり辺りを見渡すと私の部屋だった。


「あれは、夢、よね……?」


 さきほど見た夢を思い返す。成長したエドモンド様素敵だったな。じゃなくて、やけに現実味がある夢だった。つまりあれは未来?エドモンド様と図書館で勉強する未来があるって事?それにしても……


「初めて見たなぁ、あんな夢……それに……」


 あんな幸せそうに笑うエドモンド様初めて見たかも。いつも強ばった顔をしてたから少し意外。彼女の前ではああ笑ってるんだろうなぁ。私は婚約破棄されてしまう立場だから、彼に笑ってくれなんて言えないんだろうけど。


「おはようございますお嬢様」

「エマ、おはよう。中に入っても大丈夫よ」


 扉を叩く音のあとにエマから声をかけられる。私の返事を聞いて、彼女は着替えを持って中に入って来た。彼女の手にある着替えに私は思わず眉をしかめる。


「エマ?今日はお出かけの用事はなかったと思うのだけど……」

「それが……旦那様がお嬢様を連れて街にある宝石商に行くと仰っておりまして」

「えっ」

「理由は道中で話すらしいです。さ、朝の支度をしましょう」


 お父様何を考えているのー!?

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してくださったら嬉しさで作者がその場で小躍りします“ᕕ( ᐛ )ᕗ,,


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