欲は底なし沼のように
今回書いてて胸糞悪い気持ちになりました
どうしてどうしてどうして!
カバンを地面に叩きつけ、頭を搔く。カバンから出てきた教本に目もくれず、彼女は一人、部屋の中で呻いていた。
どうしてエドモンド様やロナウドは私になびかないの!?アンドルー先生にも注意されたし、私のハーレム計画が最初から崩れてるんだけど!他の男子たちには効いているからあの香りに効果がないわけじゃない。ならどうして!?ワケわかんない!
「お父様に頼んでやっと手に入れたのに……!」
私はかわいいのに!かわいくて愛される子なのに!エドモンド様もロナウドもアンドルー先生も私に愛を囁いてくれない!私をかわいがってくれない!あいつらにちやほやされても意味ないんだっての!
「私はカタリナなのに……!」
誰かが私の計画の邪魔をしているんだわ。でもいったい誰がこんなことを。私の計画を知っていて、エドモンド様と接点がある生徒なんているはずが……
「アリシア……?」
そうよ、アリシアだわ!あいつが私の計画の邪魔をしているのよ!そうでないとエドモンド様たちの行動に納得がいかないわ!きっと私のことを警戒するように話しているに違いないわ。こんなところまで私の邪魔をしてくるなんて本当に陰湿な女、そんなんだからいつまでもオドオドとしてるのよ。あの女は自分に自信がないから、エドモンド様たちを自分の傍にいて欲しいってマインドコントロールをしているんだわ!ええ、きっとそうよ!そうに違いないわ!
そうと決めたら早くあの女からエドモンド様たちを助けなくちゃ!
「きゃ」
背後で転ぶ音がする。振り返るとメイドのレナが散らばった教本たちを片付けていた。
「ちょっと!いつまで片付けてんのよ!」
「も、申し訳ございません……!」
「私の様子を見て分からないの?喉乾いてるんだけど?」
「申し訳ございません!すぐにお茶の用意をしますので……!」
「さっさとしなさいよ。本当にあんたはグズでノロマね。私がこうして言わないと動けないなんて使えない。あーあ、どうしてお父様はグズでノロマなあんたを解雇させてくれないのかしら」
「……」
「陰気臭い顔してんじゃないわよ、早くお茶を用意しなさい。ほらすぐに!」
「は、はい……!」
あーもう本当に使えない。なんでこんなやつが私専属のメイドなのよ。ロナウドが私専属の執事になればいいのに、彼は優秀だから私の思う通りにきっと動いてくれるわ。
そう考えるとこの状態を早くどうにかしないとね。アリシアがきっとエドモンド様たちを洗脳しているからそれを解いてあげなくちゃ。ほら真実の愛で呪いが解けるのと一緒。私の思いは本物よ?
……でもどうしてアリシアはエドモンド様たちに警戒するように話しているのかしら。私の計画が他人に漏れたことなんてないのに。
「……もしかしてあの女も転生者?」
ありえる、そうでないと香りのことをアンドルー先生に言ったりしないわ。アンドルー先生は誰が告げ口したか話さなかったけど、私はあの女がしたって思っている。私に話しかけてきたうざいモブかと思ったけど、男子に囲まれている私にこれ以上楯突こうとはしないはず。だって自分の婚約者が奪われるかもしれないものね?ああ、でもあのモブの婚約者も私の物にして悲しいのに気丈に振る舞う様子は見たいかも。私とモブでは立場が違うのよ、立場が。
それにしてもオドオドして他人の顔色を伺うあの女が誰かに意見するなんて、悪役令嬢のくせに生意気。どうして私の計画を阻止するのかしら……もしかしてアリシア自身でハーレムルートを作ろうとしてる?ハッ、私よりもかわいくないのにどうやってやろうというの。鏡を見て出直してきなさい。
「お待たせいたしました……」
「遅い」
「申し訳ございません……」
「……ねえ、これちゃんと淹れたの?美味しくないんだけど」
「え……」
「やり直し、さっさと淹れなおして」
あーもうほんとイライラする。エドモンド様探すついでに適当にモブを引っ掛けてこようかな。
「……お嬢様どちらへ?」
「どこでもいいでしょ、お茶はもういいわ。私は出かけてくるから部屋の掃除よろしく」
「……かしこまりました」
見送りまで陰気臭いのどうにかして欲しいんだけど。
私は扉を閉めた。
面白い!続きが気になる!と思いましたらブックマーク&下の評価を5つ星にしてくださると嬉しいです!
してくださったら嬉しさで作者がその場で小躍りします“ᕕ( ᐛ )ᕗ,,
ぜひお願いします!




