悪意の芽は激しく散る
またカタリナ視点です。
お昼ご飯食べたあとの行動が前回だけだと分かりづらいかも?と思い急遽カタリナ視点にしました。
陰気臭い見送りのあと、廊下を歩き辺りをふらつく。ふと掲示板に貼られた時間割が目に入り、授業があることを思い出した。
あーあ、授業受けたくないな〜。どうして私がめんどうなことをしないといけないのよ。そもそも勉強なんて嫌いだし、やりたくない。その点お父様は私を甘やかしてくれたよね。早く長期休みにならないかなぁ、そうしたら家でゆっくり過ごせるのに。
それにしても本当に今日は散々な日だわ。エドモンド様と昼食を摂ろうとしたら断られるし、昼食を食べ終えてエドモンド様を探そうとしたら人が多くて見失って追いかけることができなかった。仕方ないから部屋に戻ってゆっくりしようかなって思ったらレナは相変わらずでお茶はまずい。陰気臭い顔見たくないから結局こうして部屋を出ちゃったわけだし……何もかも思い通りにいかない。あーあ、なんかいい事起こらないかなぁ〜!
廊下から中庭に続く道を歩いていると、通り過ぎた人たちが振り返る気配がする。そうそうこれこれ、これが欲しいのよ私は。こうして誰もが私に注目してくれる。ヒロインだからこれがないとダメなのよ!早くエドモンド様たちもこうならないかなぁ、そのためにはアリシアの洗脳を解かないとね!確か中庭のイベントがあったから確認も兼ねて歩いてみよ〜っと。
「……ア……し……言……い……」
「……れ……みた……に……」
「……ん?」
そう思ってたらエドモンド様らしき声が聞こえたわ!やっぱり運命は私に味方をするのね!ありがとう神様!エドモンド様は近くにいるのね!
うっすらと会話が聞こえたので物陰に隠れ様子を伺う。女の声がしたので少し顔を出して確認するとそこにはアリシアがいた。アリシア、また私の邪魔をするのね!またエドモンド様の洗脳をしているのね!?早く解かないと!
いや、待って。落ち着くのよ私。あの女がどうやってエドモンド様を洗脳しているのか見れるチャンスじゃない!私って天才、この調子であいつの悪事を暴いてやるんだから!
「お……とは?」
「……が良い……は、恋……いに関……らず……」
距離が遠くて何を言っているか聞き取れないけど、二人は会話をしている。そうよ、そのまま会話をし続けなさい……、洗脳の証拠があるはずなんだから……!まあ洗脳の証拠がなかったとしても、噂話として広めてしまえばいいものね。エドモンド様を操ろうとする悪女アリシア!みたいな感じで、貴族は評判が大事。学園でそんな悪評が広まったらあの女もいたたまれなくなって学園を辞めるでしょ。
そうなったらエドモンド様は私のことを見てくれるかも……?やっぱり私って天才ね!
「……ちょっと」
「!」
声をかけられ声を上げそうになったが、慌てて手で口を抑える。危ない、エドモンド様にバレたら一大事よ。誰よ話しかけてきたのは。振り返るとそこには見たことないつり目の女子生徒がいた。
誰?首を傾げているとそいつはため息を吐いた。初対面なのにいきなりため息吐くなんて失礼じゃない?
「こんなところで一体何を?」
「私か何をしても構わないでしょう?どうしてそんなことを聞くの?」
「だって、地面に座って誰かを観察しているような動きをするんですもの。気になるに決まってるでしょう?」
「あら、この学園では観察してはいけないなんてルールはないわ。あなたの方こそ初対面なのにいきなりため息を吐くなんて失礼じゃない?」
そう言うとそいつはまたため息を吐いた。何その態度腹立つ。座っていると見下されてるような感じがして嫌なので立ち上がる。
「呆れた、クラスメイトの顔と名前をもう忘れてしまった上に論点をずらすなんて……」
「……は?」
クラスメイト?こいつが?そんな子いたっけ?思い出そうとするが全然出てこない。そもそもクラスメイトに興味無いし。
「ま、別に覚えていようが私にはどうでもいいので」
「だったら話しかけないでくださる?」
「そうはいきませんわ、学園で不埒なことをしているのは許せませんもの」
「誰が……!」
思わず声を張り上げそうになり、慌てて口を噤む。目の前にいる彼女の勝ち誇ったような顔が妙に腹立つ。
「ああ、やっぱりそういうことなのね」
「……なによ」
「お気になさらず」
ああもう腹立つ!見透かしたような顔してこっちを見るんじゃないわよ!イライラを抑えるように頭を搔いていると鐘が鳴った。彼女はスっと私に背を向け、言った。
「それでは私はこれで、教室でお会いしましょう」
「なっ……待ちなさいよ!」
私の言葉を無視して彼女は教室に向かう。私はその背中を睨みつけていた。
「! エドモンド様は!?」
さっきまでいたところを確認すると姿は見えない。教室に向かったのだろうか。
「ああ、もう!どいつもこいつも邪魔ばっかりして!」
本当に今日は散々な日だわ!
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