高嶺の花は本当に美しいのか
まさか彼女と同じクラスだなんて思いもよらなかった。こういう場合は、付かず離れずの距離を保つのが大事と聞くわ。私の新しいお友達ができたわけですし、彼女と関わらないようにすればいいだけ
……と、思っていたのに。
どうして彼女はこっちをじっと見ているのでしょうか。ちらちらとこちらの様子を伺っているのが怖いと言うか……。私の顔になにかついてたりするのかしら?何回か目が合うときつい顔をしてこちらを睨むのすごく怖いからやめてほしい。
お願いだからお互い無関心を装いましょうよ〜!いやこの場合私だけが知ってるのですが!
私の心の叫びも虚しく、彼女はこちらを見ている。あ、また睨みつけてる。怖い。とってもかわいらしい顔立ちなのに睨みをきかせているせいか怖く感じてしまう。
それにしても本当にかわいらしい方だなぁ。黒髪はツヤツヤでサラサラ、目はぱっちりしていて愛嬌のある顔ってこういうことなんでしょうね。夢で彼女のことを見ていなかったら見とれていたかもしれない。
ただものすごい形相で睨まれてるから、彼女と仲良くしたいとは絶対に思わないけど。
「どうかなさいました?」
「あ、えっと……」
私の様子を見ていたメリュー嬢の優しさが身に染みる。……でもどう答えたら良いのでしょうこれ。仮に彼女が見ていないと言えばこちらの自意識過剰になってしまうし、初日から諍いだけは起こしたくない。返答に悩んでいると何かを察したのかメリューは後ろを振り向いた。あっと思ったがもう遅い。後ろの席に座っている彼女は、にこりとメリューに微笑んだ。え、私にはそんなことしてないのですが彼女。私になんの怨みがあるんですか!?
「……彼女?」
「……はい」
メリューは彼女に聞こえないように小声で話しかけてくる。その気遣いに感謝しつつ同じように返した。
「カタリナ嬢……また彼女ですか」
「また……とは?」
「あらご存知ありませんか?実は彼女、悪い意味で噂になっているのです」
「えっ」
「元々は庶民で侯爵家が引き取った……まあここまではよく聞く話だと思いますが、問題はその後で」
「……その後?」
「ええ、彼女自分の立場をどう勘違いしているのか分かりませんが、屋敷の使用人や嫡男であるトラッド様に横暴な態度をとっているという話を聞いたことがあります」
「あらぁ……」
「それに婚約者がいる殿方とよく二人きりで会うそうで……それで破局になった恋人がいるみたいですよ」
「ひどい……」
誰かのものを奪い取りたい性分なのかしら。そうだとしても少し、いやかなりいただけないかな……。まあ私もその被害者になってしまうからなんとも言えないけど。分かっている未来とはいえ辛い。
「……それにしても」
メリューが顔をしかめる。
「あんな鼻につくような甘い香りを纏って何がしたいのかしら。品がありませんわね」
「はは……確かに入学式に似合う香りかと言われると違いますね」
「でしょう?」
夢で香ったあの香りだ。嫌でも覚えてる。少しくらいならいい香りだな、で終わるのに結構香るからこういう香りが苦手な人は辛そう。周りを見ると大半の生徒が彼女の様子を見ていた。初日からこれだけ人の注目を集めれるのはある意味すごい。良くも悪くも注目を集めるみたい。
とにかく彼女とはなるべく関わらないようにしよう。お願いだから彼女も私に関わろうとしないで……!私の平穏な学園生活のために……!
アリシアは心の中で平穏な学園生活が送れるよう、祈った。
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