その香りは静かに世に解き放たれる
幕間これにて終わり。明日から2章に移ります。
ついに、ついに来たわ……!もうすぐ始まるのよ!花と宝石の冠を君にの世界が!私のハーレムが!ああ、本当に楽しみ。エドモンド様やロナウド、ルフレ……彼らに会えると思うとワクワクしちゃう!制服のデザインもかわいいし、私にぴったり。きっと皆私に優しくて、愛を囁いてくれて……ゲームのスチルを体験できるなんて本当に最高!
「早く明日にならないかなぁ」
明日は入学式なのに寝付けない。明日はどう行動しよう。エドモンド様が新入生代表の挨拶をするから、講堂に向かう彼にわざと遭遇して、迷子になったと嘘をついて一緒に講堂に向かう?あるいは門をくぐってエドモンド様たちが来るのを待ってからわざと目の前に現れて挨拶をする?でもこのやり方だとその場にいる令嬢の反感を買いそう。無難なのは迷子のフリか……。あ、でも……
「その場合、アリシアもいるんだっけ」
うわめんどくさい、絶対なんか言うに決まってる。貴族の礼儀を学ばなかったのですか〜とか、エドモンド様はお忙しいから他の方にご案内をお願いしてもらってはいかがですか〜とか。てか婚約者候補ってだけででかい顔するんじゃないわよ。正式に婚約者になりましたって発表されたわけではないのに図々しい。
ま、どうせヒロインには叶わないんだからなんか言ってるな〜で流しちゃお。婚約破棄されるんだからキーキー猿みたいに喚いておくといいわ。
学園に入学するって決まった時、あの人がなんかいろいろ言ってたけど、お父様は上手く流してくれたのも最高。罪滅ぼしか知らないけどありがたく利用させてもらうわ。結局お父様にいろいろ言われて、顔を真っ赤にしながらこっちを睨んでたのは最高に気分が良かった。私はこの家の中でも無敵、誰も逆らえないの。
……ただあいつがやけにこっちをちらちら見てたのが引っかかる。はっきり言ってけど気持ち悪いんだっての。いくら私がかわいいからって変な目で見てんじゃないわよ。エドモンド様たちだけが私を見ていいの。あんたなんてお呼びじゃないのよ。
まあそれも今日までだし?明日からあいつは私の前に現れないから許してやるわ。学園から帰ってきた時にまだ家にいたらどっかに飛ばしてやろうと思うけど。
「はぁ〜明日から上手くできるかなぁ〜」
ハーレムエンドに行くためのルートはバッチリ覚えてるから大丈夫だとは思うけど……アリシアが変なことをしないことだけを祈るしかないよね。ま、どうせゲームの世界だしプログラム通りに動くでしょ!
私には秘密兵器があるし。これさえあればみんな私の虜よ。お父様に頼んでよかった〜、娘には甘いんだから本当にちょろい。なにか頼めばすぐに用意してくれる。ほんと都合のいい人。完成に時間がかかったけど、入学式までに間に合ってよかった。ただ……
「……ただレナがいないのがおかしいんだよね。明日会えるかな?」
少し都合とおりにいってないのは不満だけど、きっと大丈夫。秘密兵器で何とかしてやるわ。
寝返りを打つと、鼻を突くような甘い香りがその場に広がった。
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