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愛とはどういうものかしら

 ダメだ、悪いことばかりが浮かんでしまって勉強に集中できない。今の状況が以前見た(未来)を示しているなら、婚約破棄されて屋敷を追い出されるのも時間の問題かも。いつ頃になるのかなぁ、明日いきなり追い出されますってなった時のために備えておいたほうがいいよね。いや今備えてる段階なんだよね、悠長なことを言ってる場合か?


 ……1人でつっこみしてると虚しくなってきた。勉強に集中しなさい私。エドモンド様が教えてくださってるのにもったいないことをするな私!


「アリシア」

「は、はいっ」


 勉強に集中していないことがバレた?もしかして顔に出てたかな。


「教えるの疲れちゃったから、休憩してもいいかな?」


 よ、よかったー!多分バレてない……と思う!このまま話の流れに乗ろう。


「ええ、教えてくださりありがとうございます」

「どういたしまして……あ、そうだ」

「ん? なんでしょう?」

「実はアリシアに聞きたいことがあってね」

「……聞きたいこと、ですか?」

「ああ」


 真剣な顔をしているエドモンド様にドキッとしてしまう。普段優しい顔立ちの方だからギャップ差にグッと来ちゃう。でもなんの話しなんだろう。気になるけど怖い。どきどきしているとエドモンド様は1冊の本を机に置いた。表紙には『愛の芽生え』と書かれてある。


「古典文学の代表と聞いて読んだのだけど、少し解釈が難しくて腑に落ちないところがあってね」

「腑に落ちないところ?」

「ああ、ここの所なんだけど……」


 栞を挟んでいたのか、該当ページを開いて見せてくれた。そこにはこう書かれている。どうやら主人公のセリフのようだ。

『何を悲しむ必要がある? 愛というものは独善的で傲慢なものだ。他人を慈しむというのは自身のエゴでしかない。相手があなたの前から姿を消しそれを嘆いても、それはあなた自身が撒いた種が結果として咲いただけなのだ。わかるかい? エゴを押し付けたから起こった結果が今なんだ』

 目を通すと該当箇所は人によって解釈が様々だから腑に落ちないのも分かる。ここは私も解釈に悩んだもん。一度は通る道なんだな。うんうんと頷いているとエドモンド様が話す。


「僕は愛をそういう風に考えたことがなかったから違和感があってね……」

「ああ、そこは読む人によって解釈が変わるので腑に落ちないのも無理は無いと思います」

「アリシアはどう考えてるんだい?よかったら教えてくれないか?」

「そうですね……まず愛とは何かと言われたら私は『相手のことを思い、慈しみ、互いを認めるもの』と答えますね」

「……理由を聞いても?」

「世間一般で言う愛は相手を慈しむものと思っておりますが、ただ相手のことを思うだけでは限界があります。なぜそうなのかと考えた時、相手のことを認めていないからではないのかと考えたのです」

「ふむ……」


 本を受け取りページを捲る。エドモンド様は私の話を聞くために隣の席に移動した。私は使っていないノートを開き、分かりやすく教えるように図を描き始めた。


「ではなぜ他人を認めないか……それは自分自身を認めていないから他人を認める余裕ができないのではないか、という声が多いですね」

「……つまりまずは自分自身を認めるところからはじめよう、ということか?」

「そうなりますね、主人公がこのセリフを言った時点では自身のことを認めていないからなんです。前のページにあるここの部分が過去を表していて……」

「ああ、なるほど。だから自分に……」

「そうです。それでそこからここのシーンに繋がりまして……」


 声に熱が入っていく。こんなに話ができると思っていなかったからすごく嬉しい。と、同時に私もエドモンド様に寄り添うことをしていなかったなと反省した。以前の私なら彼の優しさに気づくことなく話をしていたんだろうな。でも今は違う、こうして気づけたし、彼に優しさを返したいと思えるようになったのは大きな成長だと……思う。


 エドモンド様の優しさに私は救われてるんだなぁ。隣で話す彼の顔を見ながら、私は呼ばれるまで議論を続けた。

面白い!続きが気になる!と思いましたらブックマーク&下の評価を5つ星にしてくださると嬉しいです!


してくださったら嬉しさで作者がその場で小躍りします“ᕕ( ᐛ )ᕗ,,


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