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物語に出る宝石にはロマンがある

本日2度目の更新!

「わぁ……!」


 中にある色とりどりの宝石たちは光を浴びてどれもキラキラと輝いていて、私は思わず目を開く。小さなものから大きなものまで、様々な宝石がショーケースの中に収まっていた。


「中をゆっくりみていくといい。気に入ったものがあったら呼んでくれ」


 お父様が扉を閉め、こちらにやってくるとそう声を掛けた。あれ? 話と違う気がする。


「あら?お見せしたい宝石があるのでは?」

「奥にしまっておいてあるから今から出してもらうんだ。出すのに時間がかかるからその間に色々と見ておくといい」

「なるほど、では見てまいります」

「ああ、準備が整ったら呼ぶから自由に見ておいで」

「はい」


 どんな宝石か気になるけど、お父様の時間がもったいないので店内を回ることにする。それにせっかく来たんだし、たくさん見ておきたい。特に古典文学に出てくる宝石とか!


 宝石、宝石かぁ……有名なのは『アリオス・アヴニール』の物語かなぁ。主人公が宝石をお守り代わりにって戦争に向かう恋人に渡して見送るの。それで最後恋人が銃に撃たれた時、その宝石が弾の貫通を防いだんだよね。宝石に命を救われた恋人は主人公の元に帰還して2人は幸せに暮らすっていう……。

 主人公が恋人に宝石を渡す時に言ったセリフ「この宝石が、私の想いよ」は今でも告白の言葉に使われるくらい有名。それで確かその時渡した宝石の名前は……


「クックム・ルーチャットって言うんだよね〜」

「クックム・ルーチャットをお探しですか?」

「!」


 思わず肩が跳ねる。今の聞かれていなかったよね!?恐る恐る振り返ると黒髪の青年が微笑みながらこちらを見ていた。


「あ、いえ、あの……えっと……」


 突然声をかけられた事と今までのひとりごと(になってたかもしれない)が聞かれたかもしれないというパニックから頭が回らなくなる。こちらの様子を察したのか青年は一礼すると口を開いた。


「失礼いたしました。赤い宝石の方に足を運んでおりましたのでてっきりクックム・ルーチャットをお探しかと思いまして……」

「え、ええ、そうですね。クックム・ルーチャットを探しておりました」

「そうでしたか!恋人や好きな人に贈る宝石と言えばこちらですよね。恋を実らせたいと願うお客様が、よくご購入にいらっしゃるんですよ」

「はぁ……」

「それにかの有名な『アリオス・アヴニール』に出てくる宝石ですからね」

「え?」


 待ってこの人今なんて言った? 彼の口から出てきた言葉に思わず反応する。これはもしや、お仲間の予感……! こちらのそんな気も知らずに、彼は言葉を続けた。


「お客様も誰かに恋をしていらっしゃるので?」

「あ、いえあの……」

「ん?」

「あの、『アリオス・アヴニール』をご存知なんですか?」

「? ええ」

「実は私も『アリオス・アヴニール』が好きで……!」

「おや、そうでしたか。実は私も、あのお話はロマンがあって好きです。今でも愛読書にしてるんですよ」

「私もです!作中に出てくる「この宝石が、私の想いよ」と言うセリフと共にクックム・ルーチャットを渡す描写がとても好きで……」

「その描写は有名ですよね。私はクックム・ルーチャットを光にかざして「……必ず、必ず君の元に帰るからな」と恋人が決意する描写が好きですね」

「その描写もとても美しいですよね! クックム・ルーチャットの輝きと決意を掛けているのが良いというか……!」


 こんな所で古典文学のお話ができるなんて思わなかった! この店員さん他にどんなお話が好きなんだろう……!もっと色々聞きたいと思い話しかけようとするとお父様に呼ばれてしまった。悔しいー!


「いろいろとお話したかったのですけれど、呼ばれてしまったので……またお話しましょう」

「はい、その時は他の宝石も案内させてください」

「ぜひ!」


 一礼してお父様の元に向かう。どんな宝石が見られるんだろう、楽しみだなぁ。古典文学のお話もできたし、また彼とお話したいかも…


「……あ」

 しまったあぁぁ!!お話できた嬉しさのあまり彼の名前聞くの忘れちゃったああああ!

面白い!続きが気になる!と思いましたらブックマーク&下の評価を5つ星にしてくださると嬉しいです!


してくださったら嬉しさで作者がその場で小躍りします“ᕕ( ᐛ )ᕗ,,


ぜひお願いします!

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