会いたくないヤツ
俺達が魔物を狩りすぎたのだろうか魔物の数が減って数日が過ぎた。
宿の更新をどうするか狩りを早く切り上げて帰って来て宿の食堂で少し早い夕食を食べながらホチネと話し合っていた。
「もうすぐでギルドランクがCにアップする。
明日、宿の延長をしてランクアップまでこの町にいるか?」
俺はホチネに相談するがいつも「フゥが決めていいよ」としか言われないとわかっていた。
最近はエルフや俺が魔法神の姿に似ていることが頭から離れない。
シイバからの連絡も来ていないのでラィはまだ姿を見せていないだろう。
このまま冒険者として暮らし、ラィを待つそれでいいのか?
ラィが来ない事には生き返る為に何を探せばいいかもわからない。
悩む俺に、
「そろそろ別の町に行こうよ」
ホチネが初めて提案してきた。
「今日中に荷物をまとめて明日の朝一で出発しようか」
「ホチネそれはちょっと急ぎ過ぎだよ。
俺、ここの図書館で読みたい本もあるし挨拶したい人もいるよ。
明日一日休みにして明後日準備してその次の日の朝出発にしない?」
「実は昨日の夜シイバから連絡があってあたし達の次の船でドノボ達がこっちに向かってるらしいのね。
たぶん明日には船が着くと思うのよ」
「ドノボ?」
「フゥが風魔法を使ってたのを見た時に大騒ぎしてた鬱陶しいヤツよ。
ヤツが長老派の一部と裏でチョロチョロしてあたし達が今こうなっているの!」
俺はなんとなくしか覚えていなく顔もよく思い出せない。
「なんで?そいつが来るとダメなの?
無視しとけばいいよ。
聞いた話しだと実力もないザコなんでしょ」
「まぁザコだけど育ての世話係が筆頭長老派だったのよ。
だからわがままな意見を押し通して来るの。
例えばあたしをパーティーに戻せとかね。
あたしも元々筆頭長老派で育ったのだけどラミネに憧れて路線変更したの。
だけど魔法石で繋がっているから直接育ててくれた人への恩とか?しがらみみたいなものがあるのよ。
これでもね」
「パーティーならあの時他に二人いたよね。
その二人は反対とかしないの?」
「あの二人も元々筆頭長老派なのよ。
ただあたしと同じでラミネに憧れて派閥とは距離をおいてるわ。
でも最終的にドノボに逆らえないと思う。
ドノボだけ飛び抜けて年上なの。
あたしと他の二人、ヒタリとヘンゼは年子なの最初はその三人でパーティーを組んでいて実力もないのに派閥のゴリ押しで年上でわがままでザコのドノボが入ってきたわけ!」
「ドノボひどい言われようだね」
「いいのよ!
実力もないのに自分がリーダーだとか言ってお金の管理をしようとしたり、魔法も槍もたいした事なくて戦闘はあたし達任せにするつもりなのに訓練でも口だけ出して来て連携がとかオレの指示を聞けとか。
アー!思い出しただけで腹が立ってきた!
だから!あたしが!アイツと!会いたくないのよ!」
ホチネがブチ切れ出した。
「解ったけど明日の朝一でどこに向かうの?
西の首都のある農業の町?北の冒険者の町?」
「ドノボの実力だとヒタリやヘンゼのサポートがあっても魔物ベルトを越えて北の冒険者の町には行けないはずだしね。
それか西に向かってずっと行って外国まで行ってしまうとか。
フゥが好きな方選んでいいよ」
『好きな方ね?
北に行くにしても魔物の種類と規模を調べたいしラィからの連絡待ちで外国に行って戻る事になったとき大変だ。
明日の朝一はムリ!』
「明日は無理だよ。
いっそのことホチネがドノボのパーティーに入ってドノボだけ魔物の森ではぐれていなくなってもらえば」
「それが出来たら最高だけど魔法石があるから聖域に連絡を取られてあたし達が犯人だってバレるからね」
この日は結論が出ないまま次の日を迎えた。
朝から港に行き船が入って来るのを見張る。
昼近くになり船が入港して乗客が降り始めた。
ドノボ達は一番最後に降りて来る。
「ドノボのことだから寝坊して下船ギリギリになったんじゃないかな?」
ホチネは隣で笑っている。
「ヒタリとヘンゼがドノボを見つけたみたいだよ」
ヒタリとヘンゼはすでに下船していてドノボを待っていたみたいだ。
「あぁ、あの三人ね。
思い出したホチネとあの時一緒にいたわ。
確かにあの遅れてきたヤツが大騒ぎしてたね。
見つからないように後を付けよう」
二人は頷き合うと三人の後を付けた。
三人はこの町に着いた時の俺達のようにキョロキョロしながら町を歩いていた。
「あぁー!やっぱり!あたし達と同じ宿屋だよ。
水龍人はたいていあの宿なんだ。
割引が利くしね!」
「割引?初耳なんだけど!」
「いつも二人部屋を一人の価格で泊まらせてもらっているんだよ?
知らなかったの?」
ホチネから衝撃の事実を教えられる。
「それなら俺達が宿を変えれば良かったよね。
気をつけて行動すれば合わないように出来たよね?」
「そうかもね。テへ」
『テへ、じゃないわ!』




