尾行と再会
その後ドノボ達に見つからないように宿を引き払う。
もちろん俺達の事は口止めした。
そして元の宿の入り口が見える部屋に宿を取り直して数日間三人を監視する事にした。
初日。
旅の疲れからか外出は無し。
二日目。
昼近くに出掛けて行く。
後を付けると冒険者ギルドに入って行く。
俺達がこの町に来た時と同じ行動だ。
その日はすぐに宿に戻るがヘンゼが一人宿から出掛ける。
どこかに行くようだ。
ホチネには残りの二人を部屋で監視して貰い俺は一人でヘンゼを尾行する。
ヘンゼは北門を確認して買い物をして町を見て回り宿に戻る。
明日の準備だろうか?
その日三人はもう出掛ける事は無く夜になる。
三日目。
この日は朝早く出掛ける。
魔物の森に行くようだ。
俺達も見つからないようにこそこそと北門を抜ける。
北門の警備員には変な顔をされた。
森の中の道を進みスライム三匹と遭遇する。
ヒタリとヘンゼは特に問題なく二匹のスライムを倒しもう一匹のスライムと闘うドノボはなぜかスライムに体当たりをされて尻餅をつく。
慌てて二人が残りのスライムを倒しなぜかドノボに怒られている。
「俺を守れ!」
大きな叫び声が聞こえてきた。
俺とホチネは少し離れた場所から隠れて見ていたが笑いを堪えるのに必死だった。
その日はドノボの機嫌が悪くなったのか宿に戻るようだ。
俺とホチネは三人を尾行しようと歩き出したがドノボの事だこのまま宿に帰って今日は出掛けないだろう。
まだ昼前だそれなら俺達は、
「いつもの狩り場に寄ってから帰ろうか!」
そう話し合いいつもの狩り場に行く。
久しぶりの狩り場は魔物の数が復活していて魔物との戦闘がドノボの事での気分の悪さを和らげてくれた。
「魔物退治は気分転換になるね!」
俺がそう言うとホチネも頷く。
夕方まで魔物との戦闘を楽しみ俺達は換金所に向かって歩いていた。
「ホチネ?」
後ろから声を掛けられ振り返るとヒタリとヘンゼがこっちに手を振っていた。
「ヒタリ!ヘンゼ!」
ホチネは今朝まで尾行していた事を知られないように満面の笑みで二人に走り寄る。
俺は苦笑いをしながら後を追った。
「二人ともいつこっちに来たの?元気にしてた?」
ホチネは惚けてそう話し掛けた。
「二日前に着いたばっかりだよ。
ホチネはどうしてたの?
宿にもいないからもうこの町にはいないと思ってたよ?」
ヒタリはホチネの手を握って会えた事を喜んだ。
「ホチネとはあの後あまり話せ無くなっていたから心配してたんだよ?」
ヘンゼも嬉しそうにホチネの手を取る。
俺は少し離れた場所で三人を眺めていた。
三人は再会を喜び喫茶店で話しをする事になった。
「俺、先に宿戻るから」
「うん、ごめんね」
ホチネはそう言うと三人で店に入って行った。
夕食の時間になり食堂に向かうと丁度ホチネが帰ってきた。
そのまま食堂に向かい席に着くと、
「フゥ、ごめんね。
でもいろいろ話し聞けたよ。
ドノボにも内緒にしてもらう事になったしこれからは見張りをしなくてもよくなったよ。
ドノボにバレないよう二人と連絡を取り合う事にしたから」
ホチネは満足そうに話す。
「それじゃ明日からは普通に狩りが出来るね。
宿代上がったのにお金も稼げなかったからちょっと不安だったんだよ」
「でもまだ余裕あるでしょ?
フゥは心配症だな」
夕食が運ばれて来て俺は食事を始める。
ホチネは二人とお茶をしてきたので軽い物にしていた。
食事を終えて部屋に戻り二人から聞いた話しを俺に話してくれた。
俺達が聖域を出た後シイバが槍の訓練を仕始めて俺達の後を追うつもりらしい事。
元気がなかったラミネがそんなシイバに槍の特訓をしていて元気を取り戻し始めた事。
ラィは相変わらず姿を見せない事。
ドノボのわがままが辛い事。
ドノボが足手まといな事。
ドノボが…………最後はドノボの悪口になっていたらしい。
ホチネが見つかったら脅迫してでもパーティーに入れようとしているらしい。
だから二人は俺達の事を黙っていてくれるそうだ。
『ドノボどんだけ嫌われてるんだよ!』
明日は朝からいつもの狩り場でギルドランク上げに専念出来そうだ。
朝からいままでの遅れを取り戻すように魔物を狩る。
今日は山の近くまで来ていた。
山の近くの魔物は同じ種類の魔物でも強くて取れる魔石も大きい。
「魔石が大きいと強くなるのかな?」
俺はホチネに聞いてみた。
「そうみたい。
ギルドポイントも多いのかな?」
「だといいね」
わくわくしながら俺達は換金所に来ていた。
「残念ですがギルドポイントは同じです。
ただ魔石の買い取りは一つ銅貨七枚とさせていただきます」
今回まででギルドポイントがランクアップ達していてランクCになった。
「おめでとうございます!
ランクCです。
この短期間でランクCになるのは将来有望ですよ!」
ギルド職員達に拍手をされ気恥ずかしさに換金所を出て来た。
「フゥ、ランクCになった事だし明日は休みにして本格的に他の町に行く事を考えようか?」
『考えるのは俺なんだろうけどね!』




