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エルフのケレリスと魔物発生学


 エルフに突然話し掛けられ戸惑っているとエルフの声が大きかったようで司書の方が近付いてきて、

 「図書館ではお静かに!」

 小声で注意される。


 二人は小声で

 「「すいません」」

 頭を下げた。


 『俺が謝る必要あったかな?』




 エルフの女は俺をジッと見詰めたまま少しずつ近付いて来る。

 顔が近付き全身を舐めるように見てくる。


 「近い近い近い、何?ちょっと怖いから。

 それに魔法神てどうゆうこと?

 魔法神って猫じゃないの?」


 「猫?猫とは何ですか?

 魔法神様は四本の腕にフードの付いた服を着られています。

 今のあなたは魔法神様の御姿にそっくりです!」


 「魔法神って子供の姿なの?」

 

 『自分で子供って言っちゃったよ!』


 「いえ、もう少し大きいはずですが。

 これを見てください」

 エルフの女は創世記の一冊を手に持ちページをめくる。

 目当てのページを開き俺に見せてくる。

 「これです!

 あなたの格好と同じでしょ」


 俺はそこに描かれた絵にそっくりな格好をしていた。…………頭のフードを触り?


 『確かに格好は一緒だ。でもこの服は?耳が付いてる!ラィが持ってきたもので名前も神の服だしラィのお下がりか?』


 「この服はもらい物だから俺は魔法神ではないよ」


 「でもこの世界に魔法神様と魔物以外で四本腕の種族はいません!

 それにそんなおかしなローブを着ている人もいません!」


 「君が知らないだけじゃないの?世界は広いよ。

 それにここ見て?

 背中に翼があるよ!

 俺にはないから!」

 あの絵に翼のようなものが描かれている。


 「翼は魔法ですよ。

 翼のない絵もあります」

 本のページを捲り翼のない後ろ姿の絵を見せてくる。


 「でも俺の知ってる魔法神は違うんだよね」


 咳払いと共に、

 「お客様?お静かに出来ないのでしたら図書館から出ていただけますか?」

 後ろにさっきの司書が怖い顔で立っていた。


 「「すいません!」」

 俺達二人は図書館から追い出された。


 


 図書館から外に出てこのあとの事を考えていると。


 「私の研究室に寄ってかない」

 

 「遠慮します」

 俺は走って逃げた。


 

 後ろを振り返り追って来ていないことを確認するともう一度図書館に入った。

 周りを見回し警戒して中の様子をうかがっていると。


 「ケレリス様ならいらっしゃいませんよ」

 受付の司書に声を掛けられた。


 「ケレリス?」


 「先程のエルフの教授です」


 「あれ教授なの!」


 「エルフ学とエルフ神話学それに魔物発生学の教授ですよ」


 「魔物発生学って何?」


 「気になる事が有りましたらご自分で調べてください。

 ここは図書館ですから。

 調べたい事が有りましたらあちらで検索してください」

 司書の指した方にはタッチパネルのようなものが設置されている。


 『タッチパネルにタブレット?科学?いや魔法か?文明は発達しているなぁ』



 受付の司書にお礼を言いタッチパネルの前に行く。

 魔物発生学と打ち込み本の場所を確認してそこに向かう。


 魔物発生学の本を二冊選びテーブル席に座ると読み始める。



 

 魔物が増え出したのはここ数千年のことらしい。

 増えたと言うより寿命が伸びたと言う方が適切らしい。

 

 人種の寿命も統計的にみて伸びているのも関係しているのか。

 怪我や事故、病気など以外ではほとんど死なない傾向にある。

 エルフや竜人に近くなっているのか。

 

 魔物の中には数百年生きて魔石を大きくし圧倒的な力を持つ物も確認されている。

 今後の事を考えると我々に対抗出来ない種が現れるかもしれない。

 特に魔物ベルトと呼ばれる地域では注意が必要だろう。


 魔法神が姿を見せなくなった事との関係も指摘しておく。

 魔法神は生命の産みの神であり死の神でもある。

 魔法神の過去の目撃情報を集める必要もありそうだ。




 俺は本を閉じると著者がケレリスあのエルフだと知った。


 『その世界では有名なのか?

 魔法神に関心があるのも納得できる。

 この世界に異変が起きている事も解った。

 創世記も読んだら何か解るかな?』


 

 俺は次に創世記の棚に行った。

 ケレリスが見せてきた本を取る。


 さっきの席に座って読もうとしたが魔法石が震えた。


 『呼び出し?』


 魔法石を確認すると、

 『いつまで出掛けるの!

 夕食の時間だよ?』

 

 ホチネからの連絡だ。


 

 俺は本を片づけると図書館をあとにした。

 創世記や魔物発生学など気になる事がたくさんある。

 『近いうちにまた来て調べたいな。

 ホチネには創世記のことは話さない方がいいのかな』


 今日のことを思い出し、

 『朝から図書館に来れば良かったかな?

 でも休みの日の二度寝は至高だ』

 その考えに行き着く。


 

 宿ではホチネが先に夕食を食べていた。


 「遅い!」

 

 怒られどこに行っていたか問い詰められた。


 「図書館で魔物発生学が気になった」

 俺はそう話しホチネも

 「竜人族の中でもいろいろ噂がや仮説があるよ?」


 そして竜人族から見た魔物の大量発生の話しをしてくれた。

 それは図書館で調べた話しとほぼ同じ話しだった。

 ただ水龍神はこの事については何も語らないそうだ。



 ラィに会ったら聞く事がまた増えた気がした。


 

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