表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/537

いい狩り場を教えてもらう


 しばらくこの町で旅の資金を稼ぐ事にした俺達は今日も朝から森にやって来た。


 今日はなかなか大きな魔物には会えずにスライムばかり倒していた。

 一日中森の中を歩き回り夕方になっても成果は無く今日は諦めて帰る事にする。

 今日はスライムを十二匹倒しただけだった。


 「今日も換金所に寄っていく?」


  ホチネにそう聞くと、

 「今度まとめてでもいいよ」

 怠そうに答える。


 魔物との戦闘より森をただ歩き回る方が精神的に疲れる。


 


 二人は宿の部屋に帰ると明日はギルドに行って魔物の居そうな場所を聞いて見ようと話し合い寝る事にした。





 翌日。

 冒険者ギルドの朝はいつものように混み合っている。

 一度外に出て隣の換金所に昨日のスライムの魔石を売りに行くことにした。

 

 「スライムの魔石ですね。十二個で銀貨六枚です。ギルドポイントが6ポイント点きます」

 ギルドカードを出しお金とポイントを入れてもらう。


 

 冒険者ギルドに戻って来ると前に宿の食堂で話し掛けられた冒険者に会った。


 「おー!オマエ達!冒険者の仕事は順調か?」


 「初日はよかったけど昨日はスライムしか出てこなかったよ。

 もっと強い魔物が出る所教えてもらおうと思ってギルドに来たけど」

 俺はそう返した。


 「それじゃおれと今日はパーティー組まないか?

 何度かこの森でも仕事してるから魔物の狩り場もだいたいわかるぞ」


 俺はホチネの方を向くとホチネも頷きその誘いに乗ってみた。

 「俺はフゥ」

 「あたしはホチネ」

 

 「あぁ、おれはカラゴだ。よろしくな」

 

 俺達はカラゴをパーティーに入れると北門に向かった。





 北門を抜け森の中の道を行かず町を囲う塀伝いにしばらく進む。

 壁には所々何かぶつかった跡のようなものがありカラゴが、

 「この辺でいいかここからあの山に向かって歩くぞ」


 「カラゴ、この壁の跡は魔物がぶつかった跡?」

 俺はカラゴに聞いてみる。


 「あぁそうだ。

 この辺からボアが多くなってたまにぶつかる奴がいるんだ」

 カラゴはそう言うと山に向かって歩き始めた。


 しばらく進むとボアが三匹こっちに向かって来る。

 俺とホチネは横に避けて躱すがカラゴは正面からボアの突進を大盾で受け止め斧で首に切り付けた。

 ホチネが一匹を槍で仕留め俺が残りの一匹の首を風の刃で切り落とす。


 「オマエ達!なかなかやるな!」

 カラゴに関心される。


 「カラゴこそボアの突進を正面から受けるってビックリさせないでよ!」

 

 カラゴは笑って、

 「オークの血が入っているからなおれの戦い方はいつもこんな感じだ。

 オマエ達だってすごいぞそっち竜人の姉さんは槍で一撃だしフゥの風魔法だって一瞬で首をはねて」


 「お互い褒め合うのはそのくらいにしてさっさと解体しちゃいましょう!」 

 ホチネは冷静に解体を始める。


 「あぁ」

 カラゴもナイフを取り出すと自分の仕留めたボアを解体する。


 俺は一人だけ二人が解体しているのを眺めていると、

 「オマエは解体しないのか?」

 そうカラゴに聞かれた。


 「俺がやると買い取り価格が下がるから」

 

 「フゥはナイフや武器の扱いが下手なのよね。いくら教えても全然上達しなかったもの」


 「そうだけど。…そうだ、このまま袋にしまって換金所に直接持って行こうかな」

 俺は袋にボアを入れた。


 それを見ていたホチネが、

 「フゥ!あんた、換金所で解体費用差し引かれて値段が下がるわよ。

 あたしが解体するから出して」

 自分の解体をすぐに終えてホチネがこっちに来る。


 俺は袋からボアを出そうとして、

 『ボアの皮だけ出そうとしたらどうなるんだろう?』

 そんなことを思いながらボアを出すとボアの皮だけが袋から出て来た。

 

 「フゥ何したの?」

 ホチネはボアの皮を不思議そうに見ている。


 「ボアを出す時、皮だけ出そうとしたらどうなるのかと思いながら出したらこうなった」


 「じゃあ肉だけとか魔石だけとか出来るってこと?」

 ホチネが呆れ気味に聞いてきた。


 俺は袋から肉と食べられる内臓と魔石をホチネの持っている袋に出して残りの部分は外に捨てた。

 骨と血と血塗れの何かが出てきて俺は顔を背ける。


 ホチネは小さな声でつぶやく。

 「あたしは苦労して解体を覚えたのに」

 

 

 「もう!これからは解体はフゥに全部任せる!」

 大声で言って素材の入った袋を俺に渡してきた。

 俺はそれをしまうとカラゴの所に向かう。



 カラゴは少し離れた場所で解体をしていて俺達がカラゴの所に来た時丁度解体を終えた所だった。

 「なんか言い争っていたみたいだけど何かあったのか?」


 「何でも無いわ」

 ホチネはカラゴにそう言うと、


 俺の耳元で囁いた。

 「袋のことは知られ無い方がいいわ」

 

 

 俺は無言で頷くと、

 「ちょっと荷物のことでもめただけ」

 そう誤魔化した。




 三人はその後もボア、ウルフ、鹿の魔物のディアーそれにたくさんのスライムを狩って町に戻って来た。



 町に戻るとその足で換金所に向かう。

 カラゴの提案で自分の倒した魔物のお金はそれぞれに入るようにして、ギルドポイントは三人パーティーとして受け取ることになった。


 カラゴは自分の袋からボアを二匹、ウルフを五匹、ディアーを一匹、スライムの魔石を七個出す。

 カラゴは自分の素材の代金をカードに入れて貰い俺達と交代する。

 

 俺は袋からボアを六匹、ウルフを十匹、スライムの魔石を二十二個出す。

 ディアーは結局一匹しか現れなかったので、カラゴに譲った。


 「大量ですね。それでは計算しますね。

 魔石が全部で三十八個で金貨一枚と銀貨九枚。

 ボアの素材が肉が金貨十八枚、皮が金貨十二枚。

 ウルフの素材が肉が金貨十枚、皮が金貨三十枚。

 それとボアとウルフの内臓が金貨一枚となります」

 俺はギルドカードを出して入金して貰い今度は三人のカードにギルドポイントを149ポイント入れて貰う。


 「おめでとうございます。フゥさんとホチネさんはギルドポイントが100を超えたのでランクがDに上がります」


 「ありがとうございます」

 俺達はお礼を言うと換金所を後にして宿に向かった。



 宿に向かって歩きながら、

 「カラゴはギルドランク何?」


 「おれはランクCだ」



 三人は宿に着くとパーティーを解散した。

 

 「今日はありがとう。

 いい狩り場を教えて貰ったよ!」

 俺はカラゴにお礼を言う。


 「あぁおれも楽しめたよ。

 あと、あの山には強い魔物がいるから近づかない方がいいぞ!

 じゃあお互い怪我しないように気を付けて頑張ろうぜ!」

 

 お互いに挨拶をしてそれぞれの部屋に帰る。

 今日は収穫の多い一日だった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ