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genoside berserker  作者: 兎鈴
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災厄の前夜:二人の襲撃者

 モノ大陸の重要拠点となる街《クロス》は、賑わっていた。特に出店が立ち並ぶメインストリートは、賑わうを通り越して騒音でもあった。


「うっせぇな」


 そう言っても何もならないことを分かって舌打ちするアリスは、先ほどとある武器商から買ったハイキャパシティガバメントのバレルの換装を行っていた。銃口にネジが切ってあるロングバレルに取り換えると、同じ場所で買った特殊なサイレンサーを装着し、またまた同じ場所で買っておいたショルダーホルスターに仕舞った。

 その上から黒のパーカーを羽織ると、都市迷彩のタクティカルバックパックを持ち、ホテルの部屋から出た。

 数分ほどメインストリートの出店などを一通り見ていったところで、後ろから視線を感じた。最初はあまり気にしていなかったが、人気のない路地裏に入ってからその視線が殺気に変わったとこで、アリスは尾行されていると確信し、思わず溜息をついた。


「誰だよ。さっきから」


 アリスはゆっくりと振り返る。10メートルほど後ろに、(まさかり)のような大型のナイフを持った男が2人いた。


「私に何か用か?」


 アリスはパーカーの内側に隠してあるハイキャパに手をかけた。すると、片方の男が失笑する。


「この距離で飛び道具は無意味ですよ」


 その言葉を合図に、もう片方の男が猛然と飛びかかってきた。ナイフの切っ先が、アリスの胴体を捉える。

 アリスはそれをまるで知っていたとでも言うように、簡単に躱すと、後ろに抜けていった男の首筋目がけて強烈な回し蹴りを放った。頸動脈を強く打ちつけられた男は、ナイフを落とし、その場で崩れ落ちた。


「確かに無意味だね。だけど、あんたたちもこの場に来た意味でしょ」


 笑いながら、気絶した男が落としたナイフを拾い上げる。そしてそれを構えたかと思った次の瞬間、アリスの右手が動いた。

 その手から放たれたナイフは、男の心臓目がけて一直線に飛んでいく。無論、これは目くらましだ。男はアリスの予想通り、手の甲に仕込んでいた金属製のナイフで弾き飛ばした。そして、その一瞬を、アリスは逃すはずがない。

 ナイフを投げた直後に左手でハイキャパを抜き、躊躇なく引き金を引いた。銃声が、ナイフを弾いた音と重なり合った。


「・・・・・・?」


 男はアリスが銃を構えていることに気付き、笑みを浮かべた。それを見たアリスは、男が撃たれたことに気付いていないことが分かった。


「さっき言いましたよね。飛び道具は無意味だと。馬鹿なんですか?」

「馬鹿はそっちでしょ。って言ってももう遅いけど」

「遅い?何を言ってるのやら。まだまだ勝負はこれから・・・・・・」


 男は不意に倒れ込んだ。アリスが撃った弾は男の左胸を貫通し、大きな穴を開けていた。そこから流れ出していた血が、地面を紅く染めていた。


「何だと・・・・・・?この俺が、負ける、だと?」


 男はその直後に痙攣を起こした。そして、息絶えた。


「弱すぎだぜ」


 アリスはハイキャパをパーカーの下に隠してあるショルダーホルスターに戻すと、携帯の電源を入れた。そしてある番号に電話を掛けた。


「もしもし、私だ」

『トラブルか?』

「尾行が2人。どっちも殺したから、すぐに回収と処理を頼みたい」

『相変わらずの戦闘狂だな』

「そうじゃなきゃやってらんないよ」

『まぁいい。今いる地点の座標をこちらで確認した。お前は引き続き任務を続行せよ』

「了解」


 通話を終わらせ、携帯の電源を切ると、バチンッ!という音を立てて姿を消した。

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