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ジパンニア戦記 ー奇策士に拾われた俺は召喚ガチャを使い、駒として最強の“変態”騎士となるー  作者: 桜椛 牡丹
牧瀬幸也立志編

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能力の詳細は写本から! その1

 御告の儀の翌日、俺は再び神社にやってきていた。

 示し合わせてもないのに山茶花ちゃんがいるけれど、そこはもう婚約者ということでヨシとしよう。

 ちなみにウチの親に婚約者の件を話したら『勝手にすれば』と言われました。放任主義なのか俺に興味がないのか分かんねぇなもう。


 「そんなについて回らなくても大丈夫だよ?」


 「私がやりたくてやっていることなので、大丈夫です」


 一体何が大丈夫なのか分からないけれど、今日もまたお手製のおにぎりを包んで持ってきてくれたらしい。具は佃煮ですって。今まで何度も作ってくれてきていたから、美味しいのは分かっている。楽しみだ。

 まぁやることなんていつも通りの形稽古をしながら、昨日神様に戴いた能力を調べるだけなんだけど。


 「まずは……上からみてみるか」


・分析


 使用者が五感で感じたモノを自動的に情報として処理する。



・解析


 使用者が分析した情報を精査し、本質的な部分まで踏み込んだ情報を得る。



 このふたつは多分セットだな。

 目で見て耳で聴いて鼻で嗅いで舌で感じて肌に触れるモノ全てを分析・解析して情報として区分すると。

 それらを全て『浮窓の写本(ウィンドウ・ブック)』に表示できるんだな。写本の説明は長くなるので後回し。

 性能は……これも後回しにしとくか。何せこの能力でようやくガチャ産アイテムの効果が読めるようになるのだから。


・探索


 これは……めっちゃ便利そう。

 使用時に効果範囲内の全てを透過して視認できる。透過というのは語弊があるか……?

 ゲームでよくあるじゃん、『ソナー』とか『聞き耳』とか。壁の向こうに人がどういう姿勢で居るのかとか、自身に関わりそうな物の所在地が分かるとか、そんな感じ。

 これのヤベーところは範囲の広さ。この村程度ならギリギリ覆える範囲だ。

 村の随所に仕掛けたカプセルの位置も分かるし、まだ見つけていないメダルも発見できた。神経を研ぎ澄ませれば蜘蛛サイズの虫まで感知できるのは……まぁ使い所によりけり。

 これで神社の陰にどれだけの虫が蠢いているかとかの描写したくないし。



・子孫繁栄

・子宝

・イケメン志向


 この3つは能力というか神様の加護に近い。

 子宝に恵まれ、子孫は病気も少なく長生きする、みたいなフワッとした感じ。

 実際に説明がそれだけなのだから解説のしようがない。

 イケメン志向は……なんかどんどんイケメンになっていくらしい。よく分からんが、モテるようになるという解釈でよろしいか?



・念話


 文字通り念力で人と会話する能力、らしい。

 らしい、というのは使い方がよく分からないからだ。

 どうすりゃ使えるのこれ?

 とりあえず保留。


・身体能力向上(小)


 これはまんま。ちょっとフィジカルが強化された。

 目も良くなり耳も良くなり味もよく分かる。本当の意味で身体能力の強化だ。

 もちろん走ったり殴ったりとかも強化されてるので便利なバフ効果みたいな感じ。ただくれるなら(小)よりも上の効果が欲しかったところ。

 まぁ色々貰っておいて文句は言えないんだけどさ。



・『浮窓の写本(ウィンドウ・ブック)』


 これが多分目玉。

 能力は自身の周囲、好きな所に自分にしか見えないウィンドウを出せる。ゲームっぽい能力だな。ステータスオープン! とか叫べばよろし?

 前にガチャで手に入れたガチャカプセルを格納できる能力はコチラに統合されてしまったが、複数窓を同時に開けたりと便利になっている。


 後はそう、分析・解析の結果とか探索で得た情報をマップデータとして表示できたりとか、他の能力とも噛み合わせがいいんだ。

 元々そういう設計なのかもしれないけど、有る無しでは全然違う。



 【お褒めに預かり恐縮の至り】


 …………キャァァァァァ喋ったァァァァァァ!!


 【実在に喋ってはおりません、念話です】


 念話だろうとビビるわ。思わず声を上げるところだった。

 それでも形稽古の途中で俺が『ビクゥッ!』と反応してしまったものだから山茶花ちゃんが不思議そうな目でこちらを見ている。


 「大丈夫、目の前に虫が飛んできて驚いただけだから、気にしないで」


 「はぁ、そうですか。今度虫除け草を焚かねばなりませんね」


 へぇ、虫除け草とかあるの? ハッカとか?

 とりあえず山茶花ちゃんは誤魔化せたので、問題はこちらだ。


 【問題と言われましても。私は『浮窓の写本』に付属する精霊、名をフリクトと申します。以後お見知り置きを】


 ああどうも、こりゃご丁寧に。

 というか俺の思考がダイレクトに伝わってるなこれ。

 神様といい精霊といい、俺の思考を読むのがファンタジーではデフォルトなのか。


 【私は能力(スキル)として貴方の魂に同期しているに過ぎません。役割としても『浮窓の写本』をより扱いやすくする為だけに存在しておりますので、どうかお気になさらず。私の声は他の人には“基本的には”聴こえませんので、必要であれば念話をご使用ください】


 ……なるほど、俺専用の補助AIみたいに考えておけばいいか。俺はまだまだ無知だから、色々なシーンで助言とか貰えると有難いしな。


 【マスターがそうお望みであれば、その様に】


 よろしくなフリクト。

 とにかく俺に与えられた能力はこれで全部。

 思わぬ精霊が仲間入りしたが、これもまたファンタジーの醍醐味と言えよう。


 ……では次はようやくお楽しみの。


 「ガチャアイテムの鑑定タイムだ」


 ぶっちゃけ分析・解析辺りはこの為に与えられたんじゃないかと思っている今日この頃。

 日常使いしているこの竹刀だってよく分かってないんだ、色々見てみないとな。


 山茶花ちゃん、休憩にしようか。

 え、お茶も用意してくれたの? ありがとう。

 婚約者って素晴らしいね。俺は何を返せるだろうか。

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