能力の詳細は写本から! その2
神様に頂いた能力は粗方見終えた。次はガチャ産アイテムを調べる番である。
カプセル保管庫の状態でも見れるの便利だな。いちいち取り出さなくていいのは好感触。いつの間にかソートと検索機能まで追加されてて致せり尽くせりである。
毎日ガチャを引いてるから、半年分となると結構な数になってんだよね。
で、まずはNから。
と言ってもこのレア度のアイテムは大したものじゃないらしい。
土鍋とか弓矢とか火打石とか、町に行けば手に入るようなものばかり。まさにノーマル。
特殊効果が付いていたりもしない一般的な品物しかない。銀貨三枚で釣り合いが取れるか微妙なラインナップ。まぁガチャってそんなもんだ。一日一回、無料で手に入るなら節約になりますよ。
お次はR。
この辺は町では買えない品物が増えてくる。
花火セットとかビニール傘とか、異世界由来の物がこのランクに封入されている感じだな。
多分好事家に売ればそれなりの金になると思う。出処聞かれたら面倒なのでやるなら慎重にやらないといけないが。
特殊効果は……うん、稀に付いてる。
カプセルから取り出す度に八分目まで必ず水が入っているバケツとか、数本使ってもカプセルに戻せば元の本数に戻る花火セットとか。
使い所は限定されてるけど、それでも便利。
カセットコンロやテントなんかも封入されていたので、いずれは便利なキャンプセットとか揃うかもね。
そして待ちに待ったVR。
この辺からはもう日用品とは一線を画す特殊効果持ち揃いだ。
・特訓用竹刀
疲労が蓄積しやすくなる代わりに鍛錬効果が上昇する。重複可。
・火鼠の皮衣
強力な火炎耐性。火炎系の攻撃を受けると魔力に変換し吸収する事ができる。
・清心の髪飾り
精神攻撃に対する耐性を得る。
・アメンボの草履
両足に装備中のみ水上歩行が可能になる。
「……うーん、この」
ハズレだと思っていた竹刀がVR枠だった件。
割と当たってたんだなベリーレア。しかも全部被っててそれぞれ一個ずつは山茶花ちゃんにプレゼントしている。
今の山茶花ちゃんのコーデはいくつかはガチャ産なので、いずれはガチガチに耐性固めた不沈要塞になるかもしれない。
素晴らしいね。
【今の分析・解析では簡単な説明しか出せませんが、マスターが能力を使いこなせるようになればより詳細なデータが出せるようになるかと。もちろん、必要に応じて取捨選択は致しますが】
念話にてそう説明してくれるフリクト。
つまり俺が成長すればもっと詳しい情報を見れたりするワケか。
【分析・解析の能力を極めれば、目前の相手のパーソナルデータまで盗み見る事ができるようになります。嘘を見破れたり能力の詳細を確認できたりと、便利なことに間違いはありません】
おお、マジか。
……それはもしや、もしやもしや弱点なんかも……?
【マスターは思っていたよりムッツリですね。頑張れば開発状況まで知ることができるでしょう】
「いよっしゃああああああああッッ!!」
「ひっ!? ななな、なんですかどうしましたかっ?」
「ああ、ごめんごめん。ちょっと色々調べててね……」
思わずテンションが上がりすぎて横にいた山茶花ちゃんをビビらせてしまった。反省。
とりあえずベリーレア系統の品物は優秀なのが分かった。ノーマルガチャ産のアイテムでコレなのだ、レア物となったらどうなることやら……。
【詳細は不明ですが、戦艦なんかもラインナップされているらしいですよ】
マジか……マジ?
戦艦? 時代錯誤も甚だしいが、ちゃんと操縦できて燃料等の問題が解決できれば海の覇者になれるやつじゃん。
夢が膨らむな!
「……で、問題なのはこれなんだよなぁ……」
俺は今まで無料ガチャから引いた物は全て捨てずに、村の随所に隠した分以外は手元に置いてある。
その中で用途不明だったのが今手にしている『チケット』だ。
うん、チケット。ライブとかもなさそうな異世界で。
これは半券付きで、表には“英傑召喚体験チケット”という記載と見知らぬ人間の顔写真と名前。裏には『有効期限:半券を切ってから3時間』と書かれている。
今まではこれだけの情報しか無かったので使い道が分からず、倉庫の肥やしにしていたのだが。今なら分析・解析ができる!
さぁ教えてくれフリクト!
【英傑召喚チケットを使用すると、チケット毎に対応した“英傑の影法師”が召喚されます。英傑はマスターの願いを極力叶えてくれる存在であり、彼らはよほど不快な命令でなければ実行してくれます】
……おお、そういう感じの召喚チケットか。
『サーヴァント〇〇、召喚に応じ参上した。お前が私のマスターか?』とか聞かれるアレね?
【ただしこれはあくまでも体験チケットです。本来のチケットならば呼び出した後は影法師が何らかの理由で消滅するまで仕えてくれますが、こちらでは3時間しか呼び出せないようです】
3時間だけでも上等ではないか?
その英傑の戦闘力がどれほどかは分からないけど、それだけ時間があれば目の前の問題程度なら解決できるだろう。
消耗品という点が痛いが、特技を持つ人間をその場にいきなり呼び出せるだけでも価値はある。
まぁこのチケット、ベリーレアの中でも更に入手難度が高いのか、まだ二枚しか手元にないんだけど。
使い所を見定めなきゃならない。
【貧乏性ですね】
うるさいやい。切り札は最後まで取っておくものなんだよ。
とにかくこれで、俺の手元にある目ぼしい物の情報開示した。
後はこれを上手く活用して後の乱世を生き残るしかない。
とにかくまずは三年後に迎えがくるまで。それまでに出来ることをやっておこう。
「おう、幸也。来てやったぜ」
丁度手が空いたタイミングで金剛山殿と炎陣花殿が現れた。
無論、俺と山茶花ちゃんの特訓の為に来てくれたのだ。彼らは一流の冒険者だというのだから、その彼らに師事すれば村の外でも最低限生きていけるだけのチカラを付けられるはず。
「よろしくお願いします!」
いずれ訪れる乱世を生きる為に、俺は勢いよく頭を下げた。
第一章、完。
この後はキャラクター紹介と幕間的小話でも挟んで、第二章からはこの時間軸より三年後以降の話になります。
書き溜めて毎日投稿した方が人目に付く? らしいので、この先はしばらくお待ちくださいませ。




