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ジパンニア戦記 ー奇策士に拾われた俺は召喚ガチャを使い、駒として最強の“変態”騎士となるー  作者: 桜椛 牡丹
牧瀬幸也立志編

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御告は優しい女神様から!

 《御告の儀は吾(あ)が担当しようぞ》


 なんて声が拝殿に響く。

 その声は聞き覚えはないが、不思議と心に響くというか、とても耳触りの良い声だ。

 声だけで魅力されてしまいそうである。


 《さて、聴こえておるであろう牧瀬幸也。返事はせんでよい、そもそも御告とはそういうものじゃからな》


 《お前さんに告げる言葉はちと長過ぎての。その場に居合わせておる者も黙して聴くがよい》


 《さて、まず何から話したものか……。まずは直近の予定じゃな。三年後、とある者がお前さんを迎えに来る。それまで心身共に鍛えよ。魔術は焦る必要はないが、学べるなら学んでおけ。いずれ良い師が見つかるからの》


 御告とは曖昧なものだと思っていたが、やたらと“決定事項”のように語られるものだ。

 普段からその精度なのに多くを語らずいるのか、俺だけがこれだけ具体的に述べられているのか、それは分からないけど。少なくとも異常事態なことは理解できる。


 《吾がお前さんに求めるのは、今後来る乱世を生き抜き子孫を多く残すことじゃ》


 《それも一人や二人ではないぞ? 多種多様な種族と婚姻を結び、生涯を賭して山ほどの子を成せ。早い話が『はぁれむ』というヤツじゃ。お前さんには義務として課されるから気軽な話ではないがの》


 ……神様の御告で重婚前提の子宝に恵まれろ宣言が為されたで御座る。

 えぇ……? 一体、どういうことだってばよ……?


 《疑問に思うのも無理はないが、まずは前提の話をしようかの。この世界に生きる多様な種族は、基本的には同族と婚姻して子孫を成すものじゃ。犬人族と猫人族が結ばれても子を成せぬし、鬼人族と犬人族が結ばれようと同じこと》


 《じゃが人間族だけは違う。人間族は多種ある人族の中で“間(あいだ)”となる種族。つまり男女問わず、他人族との子を成せる存在というわけじゃな》


 へぇー、そうなんだ。そりゃいいこと聞いた。

 他の種族とは結婚できないものかと思っていたけど、これで俺の夢は頓挫せずに済むワケだ。

 いや、これから義務に変わるんだっけ? まぁヤることは変わらないんだろうけど。


 《じゃが人間にも趣味趣向というものがあってな、他種族と子を成そうという者は極小数でしかない。しかしお前さんは他種族との婚姻に抵抗がない。そこに目を付けたワケじゃ》


 ……さっきから思ってたけど、これ俺の思考が読まれてたりするか?

 少なくとも俺が前世の記憶を持っていることは把握されていそう。まぁ神様だしそういうこともあるか。

 俺が思い出せていないだけでガチャの能力をくれたのもこの女神様の可能性があるわけだし。


 《遠い将来の話じゃが、今のままだと各種族の個体数が減っていき断絶する可能性がある。お前さんらも知っての通り、そこな鬼人族も同族を求めて旅をせねばならないほどに事態は切迫し始めておるでな》


 《そこで吾は、目を付けておったお前さんを遣わすことを思い付いたのじゃ。お前さんには子宝に恵まれるよう吾の子孫繁栄の加護を授ける。時の帝にも御告をしてお前さんの多重婚姻を許可する免状も出させよう》


 《ただまぁ、無名のお前さんに素直に娘を差し出す親もおらんじゃろうから、それなりに名を上げてもらわねばならん。迎えに寄越すヤツの下で働くも良し、その気があるなら一国一城の主を目指すも良しじゃ》


 なんとも致せり尽くせりというか。

 そこまでしないと将来的に滅びる種族が多いのだろう。

 というかサラッと時の帝とか言ってるけど、女神様ってばもしかして裏でこの国を運営してたりしない?


 《はてさて》


 あっ! やっぱり思考盗聴してるだろこれ!

 アルミホイル……いやねぇわ。ガチャで出るかな……。

 そもそも頭に巻いたらそれこそ見限られそうだけども。でもおにぎりとか持ち歩くのに便利なんだよなー。火に強いしいずれ欲しい。焼き芋焼きたい。


 《吾からお前さんに託す使命はふたつ。ひとつは後の乱世を生き延び、名を上げること。もうひとつは様々な種族との子孫を多く残すこと。その為の力はなるべく用意してやろう》


 凄い、この女神様めちゃくちゃ優しい。

 なるべく、という点は気になるけど、新たな能力をくれるというなら是非もない。

 できるならバトル向けの能力欲しいなー。俺には能力ガチャがあるとはいえ、メダルを手に入れるのはものすごく手間というか探す為に国中を飛び回らなければいけないのがなぁ。

 まぁ勝手に『小さなメダル』形式だと思っているだけで他の手段があるのかもしれないけど。


 《……残念ながら吾の権能はさほど戦闘向きではない。与えられるチカラも強力ではないが、上手く使えばそれなりに使えるものであろう》


 その言葉と共に、俺へと光が降り注ぐ。

 降り注ぐ、降り注ぐ、降り注ぐ……。

 うおっ、眩しッ!


 《……ふぅ。能力の説明は脳裏に刻んである。他言したくないこともあろうから言葉にはせん。上手く使い、使命を果たせ》


 ──そうしてようやく御告の儀が終了した。


 俺の場合はだいぶイレギュラーなんだろうけど、御告を頂戴し能力まで授けられた事に相違はない。

 この後は村総出でお祝いをする事になっているから、今日一日はおそらく引っ張りだこになるだろう。能力を検めるのはまたの機会になりそうだ。

 だけど、さ……。


 『獲得能力』

 ・分析

 ・解析

 ・探索

 ・子孫繁栄

 ・子宝

 ・イケメン指向

 ・念話

 ・身体能力向上(小)

 ・『浮窓の写本(ウィンドウ・ブック)』


 ツッコミどころ多過ぎない?

 能力解説はまた次回

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