↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元独裁者が異世界で生きる話  作者: みみみみやっち
1章 新たな世界での日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/26

22話 バトロワ開幕 モノVSアヘナ

俺は木刀を片手に森を歩く。


「よく考えたら遊んでていいのかな。少し前まで食糧不足で大変だったのに」


自分が無職なことが不安になってきた。

村を追い出されたりしないよな……


「今は戦いに集中しよう。最初にやられたら絶対に馬鹿にされる」


俺は気持ちを切り替え索敵に集中する。

範囲は微妙でも木の後ろとかに隠れてる相手に気付けれるので不意打ちに対処できるようになる。

あと戦闘時に使おうとしても俺は瞬時に索敵を使えないから接敵してから使うのでは間に合わないのだ。


悪寒が走る。

索敵が後方から飛んできたなにかを捉えた。

俺は考えるより先に横に跳んだ。

転がって顔を上げると木刀が木に刺さっていた。


「っぶねえ。木刀ってことはアヘナか……アヘナ自身の魔力を感知できないってことは俺の索敵範囲外から投げたんだな」


木刀には魔力が纏われていたので当たれば一撃で敗北もあり得た。

改めて魔力の恐ろしさを感じたが俺は少し喜んでいた。


「アヘナならギリ許容範囲だ」


誰とも出会わずに残り続けるのがベストだったのだが、出会うなら一番弱いアヘナが理想だった。

アヘナが使う能力である超常・情報は厄介だが、あれはサポート寄りの能力。

更にアヘナの身体能力は俺より低い。

戦いになった時に一番勝てる可能性があるのがアヘナだった。

これが他の人だったら俺がボコボコにされて終わりである。


「ただ人が集まって来る可能性もあるし、やっぱ戦わないのがベストだったな」


また俺の索敵が飛んでくるなにかを捉えたので俺は回避する。

今度は魔力を纏った石だった。


俺は魔力を自分と持ってるものに纏わせることのほうが上手い。

逆にアヘナは自分に纏わせるより投擲物に纏わせたりするほうが上手い。

要は俺が自分と武器を強化して戦う近接戦闘の戦士タイプだとしたら、

アヘナは魔力を魔法に変換したり自分の魔力を切り離して飛ばす遠距離戦闘の魔法使いタイプだ。

俺が木刀に魔力を纏わせて投げたら途中で維持できなくなり魔力なしの木刀が相手に届くだけだろう。

だがアヘナの場合は近接戦闘のほうが苦手というだけで、できないわけではないのだ。


「さて、次はどう来る?」


俺が索敵に集中しようとしたその瞬間、索敵に関係のない俺の耳が音を拾った。

近くからした僅かな足音。

俺は振り向きざまに木刀を振るった。

木刀と木刀がぶつかり合う。


「え!気付かれるの?!」


「魔力隠して近づいて来たのかよ!」


アヘナが俺に押し切られて下がる。

アヘナは魔力を隠して接近、そして木刀を木から引き抜き俺に斬りかかっていた。

ちなみに俺は魔力を隠すことがまだできない。

アヘナの魔力が感知できるようになったので、アヘナも戦いながら魔力を隠すのは不可能なのだろう。


「お前の能力はよく分かってるからな。どんだけ見切られても避けれなくすれば終いだ」


「それができるの?」


「できる」


俺は言い切って木刀を振るう。

アヘナは索敵で見切り余裕で回避した。

アヘナの索敵は能力である超常・情報の効果で精度が高い。

俺の実力ではどれだけ攻撃を仕掛けても全て捉えられるだろう。

弱点はアヘナの身体能力。

アヘナの索敵がどれだけ凄くてもアヘナの体は認識した攻撃にいずれ追いつけなくなる。

それまで攻め続ける。




アヘナ視点




モノが想像以上に強い。

私に対して効果的な攻め方を遠慮なくしてくる。

純粋な腕力差で防御ごと押し切られたり、私の剣速では追いつけない攻撃がくる。

それでも、モノが私のことをよく理解してくれてて嬉しい気持ちがあった。

モノに負けそうで悔しい気持ちもあるけど。


「女の子を殴るのはまずいんじゃない?!」


「俺は男女平等の政策を掲げてたから」


「嘘つく余裕まであるんだね」


モノが明らかな嘘を言う余裕があることに腹が立つが、この間合いでは勝ち目がない。

そもそも不意打ちで仕留める作戦だったのだ。

私はまだ自分の魔力を隠すことしかできない。

遠距離攻撃の魔力を隠すことはできないのだ。

つまり遠距離攻撃は全てモノに捉えられる。

だから魔力を隠して接近からの不意打ちを選んだのにバレるとは思わなかった。

魔力を隠すのに集中しすぎて他が疎かになってしまった。

この状況は圧倒的に不利……それでも


「負けないよ」


私は言ってモノの攻撃を回避しながら後ろの木を斬りつける。

魔力を纏った木刀が木にめり込む。


「なにして……っなるほど!」


モノは一瞬だけ困惑してすぐに状況を把握した。

モノは攻撃を止めることができず、私に当たらなかったモノの木刀がその木を斬った。

私の木刀がめり込んだ、ちょうど反対側にモノの木刀が当たったため木が切り倒される。

モノの攻撃の軌道を予測して、動き出しで見切り、木が倒れるように仕向けたのだ。


能力を使った予測は人間相手には大幅に精度が落ちる。

それでも成功した。

相手がこの世で私が最も理解している人間だったのが幸いした。

精度が落ちた予測でもモノのことは読み切れた。

私とモノのいる位置に木が倒れてきたため二人とも後ろに回避する。

モノの攻撃が止まった隙に少し前に精神世界の図書館で覚えた魔法を使用した。




モノ視点




アヘナが木を倒した。

後ろに回避してすぐに間合いを詰めようと思ったら風が吹き荒れた。

とても攻撃とは呼べない程度の風だった。

少し強い風、その程度だった。

俺がそれに疑問を持った次の瞬間、風の塊が俺を叩いた。

俺は数メートル吹き飛び木に叩きつけられる。


「げほっ……!」


俺が体勢を立て直す前に索敵がさっきと同じ技を捉えた。

それを転がるように回避するが回避先にも同じ技が迫る。

俺は木の後ろに飛び込み回避する。


「危ね……」


体勢が整えば回避はもう少し容易にできるのだが、あの姿勢からの回避はかなり危なかった。

木を盾にすることで体勢を立て直すことに成功したので俺は飛び出し間合いを詰めに行く。

アヘナは動かない。


俺はどんな策があるのか考えながらも突撃した。

どうせ詰めないと勝てずに後手に回るのだ。

俺の間合いに入り木刀を振るった。


「「獲った」」


俺とアヘナは同時にそう言った。

俺が疑問を抱くより先に俺の右足が沈んだ。

右足がある地面だけがぬかるんでいた。

俺の踏み込みが失敗した。




アヘナ視点




私は力が乗り切らなかったモノの木刀を防ぎ流した。

そのまま、モノに向かって木刀を振るう。


確実にやったと思った。

だけどモノは左手で私の木刀を掴んで止めた。

私が驚くよりも先に衝撃が走り、私の意識は途切れた。




モノ視点




「ふう……」


アヘナに勝った。

左手が痛い。

魔力のお陰で激痛ではないが痛い。

多分ヒビがいってる。


「勝てた……俺も強くなれてる。やる意味がわからない修行も無駄じゃなかった」


嬉しかった。

自分の成長を実感できた。


「いや、喜びすぎだな。俺はまだまだ弱い。それにアヘナのことも上手くフォローしてあげないと」


あんま調子に乗ると負けた時に恥ずかしいので自制しよう。

アヘナのことは俺に負けて傷ついてるかもしれないから気にかけておいたほうがいいか。

勝った側が心配するのは余計に傷つくかもしれないのでちゃんと様子を見て考えるが。


倒れてたアヘナが消えた。

恐らく妖玄師匠によって転移させられたのだろう。

俺は左手をじわじわと再生しながら歩き始めた。



バトロワ脱落者

・アヘナ

投稿が遅くなってすみません。

次回は10月21日水曜日の夜に更新する予定です。

ブクマと評価もよろしく。

気軽に感想も書いてね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。