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魔王の生き様~遠い未来で君と共に~  作者: 赤天アリス
三章 世界の命運を決める大戦
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総力戦

猛吹雪は止み、風と雷鳴は収まり、ただ雨だけが降り続けた。すると彼女は転移を発動して遥か上空へと姿を移動させ、ジェネシスは何処かへと姿を消す。


「さぁ、君達の力を見せて?」


「…全員、死を覚悟しろよ」


そう言いながら後ろを振り向くと、ラスハントやファームと言った四天王や、レイちゃん時代の幹部に四天王、総司令官も居る。無論アトラスにプレイオネ、プロエレフも。


あとアルスも居るね。他のダークエルフはもう全員死んだっぽい。殺されたら爆発するようにしたからかなり役に立っただろう。


「ぼ、僕も戦う…!」


「私も」


「…お前等は帰れ。その傷じゃ瞬殺される」


「「そんなの―――」」


「そんなのやってみないと分からない、か?…そう思ってるなら駄目だ」


城の方から来た二人を気絶させ、転移で屋敷へと飛ばした。それから刀を引き抜き、ゆっくりと彼女の方へ向ける。


「殺れ」


「アハハハハッ!!!!」


全員が一斉に向かう中、彼女はずっと俺だけを見つめながらバカみたいな速さで移動して幹部クラスを瞬殺。


俺はその場で留まり、彼女が周囲を圧倒する様をずっと眺めた。


「…君の矢は速くて精密。だけど接近された時はもう駄目だね」


ファームを本気で蹴り飛ばし、ラスハントを聖なる鎖で拘束。それからバルバストの全力の魔力光線を大太刀で切断。


「魔法は駄目だ、彼奴には意味がない!」


「ッ…」


「遅い」


バルバストは一瞬にして宙に飛ばされ、そのまま要塞の方に蹴飛ばされた。その瞬間、プレアデスが彼女の背後を取って攻撃。


「ワオ…君は一流だ」


彼女の装束に少し傷をつけるも、それだけ。プレアデスは驚きながらも追撃は行わず俺の隣に。しかし追撃を行ったアストラルとプレイオネが深々と斬られて地面に落下。


「シード、君が動かないと彼等は死ぬよ?最も…そこに居るセグルスとプレアデス、そしてボロス君は別だけど」


「ボロス!?」


「………恐らく三人で動いても一瞬しか隙は作れない。…シードはそこで決めて。タイミングを間違えれば終わる」


「大役だねぇ。でも君等、ちょっと彼を舐めすぎじゃない?」


「仕方ないさ。…俺に何があったのか、俺が何をしたのかを知る奴は此処には居ない」


そう言いながら息を整え、魔力の上限を全て解放し、抑えていた魔力を一気に放出!


「…君は死霊魔法が異質だけど、やっぱ闇魔法の方が得意?」


「闇と死は密接の関係にある」


「まぁ違いないね。…コラプスは炎、アルマは水と風、私は闇、オメガは生産系、ジェネシスは氷。と言う事でやっぱ君は私と戦う運命!」


「ハハッ…それならそうだな!!」


刀に魔力を流し込んで斬撃を複数飛ばすと、彼女はそれを全てぶっ壊しながらこっちに移動してきた。その後、閃光の如き斬撃が天と大地を切り裂く!


「―――今度こそ倒す!」


「シャナリアも来たか」


「メンバーは揃ったようだね!ってか君は魔力を宙にばら撒いてるけど何でだい?」


「内緒さ」


刹那、全員が動いて激しい戦闘が始まった。だが…やはり彼女は能力をいまだに一切使ってない。純粋に魔力を循環させ、その肉体だけで戦ってる。


「粉塵爆発!」


ボロスの技の一つ、粉塵爆発。何時発動するのかがほとんど分からないのがみそだ。粉塵が舞ってるらしいが、魔力で隠されてるって言うね。


「危ない危ない、火傷する所だった」


「…!」


「うわっ、流石デミウルゴス時代の総司令官、攻撃が激しいね!そしてシャナリア君、君は…冷静だとかなり強いね」


だが彼女は一切負傷してない。危ないだとか、驚いた様子を見せてるが何処となくつまらなそうにしてる。


「……星漣」


ボソッと呟き、刀を思いっきり振るう。一つの斬撃は無数の刃となって彼女に襲い掛かり、漸くまともに頬を切り裂いた。


と言うより皆が注意を引いていたお陰と言えよう。そしてそれのお陰で彼女がやっと笑ってくれた。


「お前は笑ってた方が良いな」


「つまらないと笑えないんだよねぇ。偽るのは嫌いなもんで!」


「ククッ…じゃあ笑わせてやるよ、もっとな!」


彼女が目の前に移動して俺の左腕を宙に飛ばすと同時に、思いっきり踏み込んでから思いっきり刀をぶつけ合う!


火花を散らしながらぶつけ合い、ぶつかった瞬間に互いに距離を取って別の場所へ移動してまたぶつけ合う。それを繰り返してるうちに俺の左腕は生えていた。


「…至近距離ならどうだ」


「見え見えだよ~!」


「ハハッ、俺じゃ無いさ」


刹那、複数の短剣が彼女の周囲を通過。しかし彼女は訝し気な表情を浮かべながら全てを回避。


「?」


「至近距離って言っただろ」


俺が距離を取ると同時にボロスの捨て身特攻。だが彼女はそれを回避してボロスを深く裂き、そして…遂に彼女の額が削られた。


「プレアデス…!」


「ナイス…!」


――――その頃


「この子凄いね」


「気配の消し方が上手いのもそうだが、ふむ、シードが変に魔力を宙にばら撒いていたのは彼女のサポートか」


「自分の魔力に注目されてるって分かってるからこその作戦だね!こりゃぁびっくり」


「二人はどっちが勝つと思う?私はやっぱパル」


まぁ私の大親友がそう簡単に負けるとは思えない。と言うか負けなしの彼女に敗北が付くとは思えないんだよねぇ。長い時を生きてるけど、彼女が敗北を味わったことは今の今まで無い。


「…シードだな。彼女はシードとの一騎打ちをしようとしているが、だからこそ他の奴の存在を忘れてる。普段ならあり得ないが、今は状況が違う」


「そうね。彼女の超人的な身体能力や反応速度をもってしてもそれなりに厳しい。けれどシードの勝率は1%も無い」


「それもそうだな。シードの実力は恐らく奴の4割あるかどうか。さっき腕を斬られた時に反応出来て無かったしな」


「要するにパルの勝ちじゃん」


「と言いたいんだが普段じゃあり得ないことが起きてる。あんな簡単に怪我をする彼奴を見た事あるか?」


「…無い」


「シードと遊びたいだけなんだろうね。…もし彼女が本気を出せば無理だと思うよ。あっちの形態になったら…」


「無理無理」


「勝ち目無いでしょ」


―――その頃


「君のお気に入りのメイドであるボロス君は地に倒れ、傷をつけたプレアデス君もその近くで倒れている。…残るは君、そして…無謀にも駆けつけたエトワール君とワールス君のみ」


彼女が口に出さなかったセグルスは既に瀕死。だからさっき転移で要塞に飛ばしたが、何で此奴等が…。


「…自分でどうするか決めろってシー君はよく言う」


「だから決めた」


「ちっ…どうなっても知らないからな」


息を吐き、振り上げの斬撃を横に避けて回避。さっきまで俺が居たところの地面は深くまで裂け、深淵がこんにちはしてる。


「君の回避能力には目を見張るものがあるよ!」


「そりゃどーも!」


本気で刀を振るった刹那、彼女の表情が笑顔から驚愕に変わり、一気に上空へと飛んでいった。かと思えば魔力の性質が変化していき、穏やかだったそれは急激に殺意が増して過激な魔力へ。


「シードは私に何を望む?」


「…本気」


「そうだよね!もう遊びは辞めよっか。…でも大丈夫、本気を出すけどある意味では本気じゃないから」

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