美しい花には棘がある
「無天」
そう言いながら大太刀を振るって斬撃を飛ばし、変に思いっきり避けたワールスの真横へと移動。それから頭を掴んで地面に押し付け、エトワールの投げた短剣を回避。
からの…彼の刀を後ろに跳躍して躱し、地面に足を付いたと同時に闇の鎖を作って左手で握り、彼の腕を拘束。
「振り回される気はないぞ」
「力比べ?アハハ、良いよ!」
彼女達が攻撃してくるも、大太刀を振るって全てを捌いていく。背後から来られても部分結界を作って防ぎ、そして…10秒くらい経った頃にやっと彼に勝った。
「ちっ…」
彼がこっちに引き寄せられる間に鎖を消し、魔力を大太刀に目一杯込めて思いっきり振り上げる!!
だが流石はシード。無茶苦茶な態勢だったけどうまく立て直し、思いっきり刀を振るってきた!
響き渡る金属音と同時に、宙を回転する刀の音が聞こえてくる。それからそれは地面に刺さり、彼の胸元が裂けて血が流れ始めた。
「見事としか言えないや!流石に今のは凄いよ、確かに力で私は勝ったし君に傷をつけた。でも…その程度で済んでる」
「俺の後方か。…取りに行ったらお前絶対来るよな」
「ど~だろぉ」
「仕方ない…」
彼は剣を引き抜き、一気に踏み込んで迫ってくる。ので大太刀をぶん投げてから両方の掌に獄炎の球を作ってから正面でそれらを合体させ、獄炎の光線を放った!
「ッ…!」
スライディングで横回転をしながら飛んでくる大太刀を回避し、そして即座に飛び上がって獄炎の光線を回避。それから剣に魔力を込めて急降下してきた!
「これはちょっと不味いね…!」
これは冗談じゃなくて本当の方でちょっと不味い。後方にはワールス&エトワール。前方の上空からはシード。
左右に避ければ躱せる、なんて考えは甘い。彼は宙を蹴って移動できるから普通にこっちに来る。なら正面に移動?…いや、そう甘くはないな。
今から大太刀を引き寄せてもギリギリ間に合わないだろうから…うん、決めた。
思いっきり後ろに跳躍し、二人の間を通過してから闇の槍を地面から無数に放ってシードを、それと同時に魔弾を次々と生成して二人を攻撃していく。
それから大太刀を魔力で引き寄せ、彼が目の前に来た瞬間に大太刀が右手に収まった。
「あっぶなぁ」
「ちぇっ」
思いっきりそれを振るって剣にぶつけると、剣はすぐ罅が入って彼は思いっきり後ろに跳躍。私はそれを追いかける為に地面を思いっきり蹴った。
途中でワールスとエトワールの攻撃を躱し、複数の魔弾を圧縮した魔弾で二人の脇腹を抉り、突風を巻き起こして吹き飛ばす!
そして…シードの方を見てニヤリと笑いながらさらに地面を蹴って加速。
「仕留めるね!」
「フンッ!」
すると彼はボロボロの剣を思いっきり投げてくる。不思議に思いながらもそれを大太刀で斬った瞬間、大爆発が巻き起こって諸に食らった。
アルマとかオメガも似た様な事をするけど、二人は触れた瞬間とかに爆発するからそっちの感覚でやってる。…だから触れた時に何も無いから安心してたけど、まさか斬ってから発動かぁ…!
「爆発自体の影響はないけど…剣の破片で頭と右腕の出血が止まらないなぁ」
そう言いながら大太刀を振るって煙を裂くと、刀を握って迫ってくるシードと目が合った。
「君の策略は素晴らしい!」
「星漣!」
「無天!」
互いの刀をぶつけ合ったその瞬間、地面にひびが入ってから次々と闇の魔力が噴き出していく!それは大地を破壊して天高くまで昇り、雲を突き破って行った。
すると辺り一帯が徐々に暗くなり始め、視界がかなり悪くなっていく。だけどきっと彼もこの程度の暗さは夜は慣れてる筈。
「お前も超速再生持ちか」
「普段は再生使わないんだけど、今は使わないとね!」
ニヤッと笑ったと同時に左の掌を背後に向け、黒炎を放って二人を牽制。
「ちっ…」
彼が力じゃ勝てないと悟って後ろに跳躍したので、彼が着地しそうなところに魔力を地面を使って送り込む!
そして彼が地面に足を付くと同時に闇の竜を召喚。咄嗟に後ろへ跳躍するも、右足は見事に食われ、竜は天高くに登ってやがて姿を消した。序でに闇の柱も姿を消していく。
「無天!」
「再生不可のデバフ…!」
「その通り!再生させないよ!」
「なら…!」
闇が体から溢れ出したかと思えば、切断面より先に黒い鎧が出現し、その状態で彼は地面に足を付く。それから刀を振るって斬撃を切り裂いた!
「…デュラハンみたいなもんだね?」
「そうだな。ただ鎧を足に付けてるだけさ。中身は無い」
「面白い!」
一気に接近した刹那、あの二人が思いっきり突っ込んでくる!驚きながらも地面を蹴って宙に上がり、回転しながら大太刀を振るって黒い竜巻を生み出した!
「お前等…大丈夫か?」
「も~駄目…」
「限界…」
「…そうか」
どうやら結界を張って防いでいたらしい。流石と言えば流石だけど、どっちみち二人が限界だね。…脇腹を抉られても動いてたのは尊敬する。
「別れの言葉を告げた方が良いよぉ。シードはこの後負けて私の部下になるんだからね!」
「……俺は奥の手が二つある。だけど一つ目は勝手に発動したそうだ」
「どゆこと?」
すると地面が一気に凍り始め、突風と共に猛吹雪が周辺を襲い始めた。周囲を見渡してると、彼等が居る場所を中心に巨大な竜巻が発生!
「―――これから第二ラウンドかしら?」
勢いよく竜巻が霧散したかと思えば、ワールスとエトワールの二人が消えた代わりに一人の少女が。
「あぁそうだ」
「…なるほどね、そう来るかぁ」
「私はフロル、彼の大親友よ」
「フフッ…私はパルパータ、彼の最愛の恋人かな」
「ふぅん…」
「アハハ」
「えっ、なんか…二人とも笑顔が怖いんだけど…」
「シード、彼奴をぶっ倒そう」
「…やってごらん?でも彼は私のだから!」




