暗殺者の極みを目指して
「「ここ~?」」
「そうだ。俺は話を聞いてみるからちょっと待機な」
「「は~い」」
2人を待機させ、近くに居る魔導士に話しかけてみる。
「おい」
「は、はい…」
「…体調が悪いのか?」
「……食事が質素で…。給料も少ないから何も買えず…」
「あぁ?結構金取られてたぞ?…すまん、言い方を間違えた。結構お金払ってるぞ?それに食料も……って上か」
「………」
「よし分かった。俺に任せろ。具体的に誰がダメだ?」
「一部の隊長と、団長や副団長が…」
「意外と少ないんだな。どうせ貴族に横流しにしてるんだろうから…」
「わ、私はこれで失礼します。…あの人が…」
「シード様!部下が何か失礼をしてしまったでしょうか!!」
「あぁちょっとな」
「やはり!今この場で指導させていただきます!…燃えて悔い改めると――ぬぅ?!」
何処からともなく飛んで来た直刀が男の腕を貫き、数本の短剣が顔や足に刺さった。
「ちぃ…!一体誰が―――」
刹那、首が宙を舞って近くに落下。だがそれを見ていた他の魔導士は助けるどころかこっちを見て安堵の表情を浮かべている。
「…お前達は一度休め。俺は今からお前達の上司に話を付けてやる」
「だ、団長と副団長はこの中です。…ただ隊長達は今居らず…」
「問題無い」
そう言いながら建物の中に入り、二階に上がって執務室の扉を開けた。するとそこで優雅に寛いでる団長と副団長の姿がすぐ目に入ってくる。
「「し、シード様!!」」
「お前達が部下の給料や食料を一部制限していると聞いたが、どう説明する」
「そ、そんなわけは―――」
「素直に言えばこの件は無かった事にしよう。俺も面倒事は嫌いだ。あぁ、それ以外で金貨もあれば…もっといい事があるかもしれんな」
「ハハハッ!シード様は分かる方の様だ」
「その様ですね!こちらが名簿になります。給与アップの所にチェックが付いているのが給料を減らし、我々に捧げている隊長です」
「それからこちらが…」
「白金貨か!ハハッ、悪くない。それじゃ、この件は無かったことに」
「「有難う御座います!」」
扉を閉め、溜息をつく。その数秒後、扉の隙間から鮮血がゆっくりと出て俺の靴を濡らした。
それから扉が開いて満面の笑みを浮かべた二人が姿を見せる。
「余裕のよっちゃん!」
「魔法使いなんて魔法封じの結界張っとけば雑魚!」
「世の中には魔力で結界破壊してくるヤバい魔法使いが居るからそれは危ないぞ?」
「うげっ、何そいつ…」
「あと魔法使いの癖に剣士並みに強い人とかね。魔剣士って名乗れって何度思った事か」
「怖すぎぃ」
「まっ…音すら無く、そして彼奴等にバレずに部屋の中に入って待機してた事の方が怖いけどな」
「「気付いてるシードもね!」」
「俺は魔王を目指してるから当たり前だ」
「そっか!」
「納得!」
「んで…うん、まぁ住んでいいよ。部屋もあげるから」
「一つで良いよ!」
「そうそう!二人で一つ使う!」
「りょーかい」
―――屋敷
「我帰宅」
「「おかえり~!」」
「……あ、暗殺者…。わ、私もう…用済み?」
「んなわけあるか!お前の先輩だよ。金色がアトラスで、赤色がプレイオネ。お前ら確か双子だよな」
「「うん!」」
「まぁお前の先輩。紅ノ影の暗殺者で、何か…仲間になった」
「宜しくね!」
「宜しくぅ!」
「…よ、宜しくお願いします。……ほ、本当に捨てない?」
「捨てない捨てない。お前は俺の大切な仲間だ。ずっと一緒に居るんだろ?」
「…ん!」
それから数十分後、プレアデスが我が家を訪問。そして謝罪の意と彼女達を宜しくという趣旨を伝えて帰って行った。
嵐の様な感じだったが、それでも彼女達の事を本当に大事にしていることはよく分かる。何せ…泣きそうになってたから。
―――それから夕飯を食べたり交友を深める為にカードゲームをしたりしていると、気付いたら夜中に。
「エトワール。これを」
「これって…刀!」
「あぁ。名前とかは今度付けると良い」
彼女はそれを受け取ると、鞘から引き抜いて緋色の刀身をうっとりと眺めた。それからギュッとハグをしてくる。
「疲れた~って…ずる!…あっ、そゆことか、じゃあ今回は譲ってあげる!」
「フフッ…ありがと!」
「随分と仲良くなったなぁ。お兄さん嬉しいよ。…っし、それじゃ二人は今日何処で寝るんだ?」
「「決めてない!」」
「そかそか」
「シー君はレイの部屋?」
「そんな毎度行かないって。それに今日はレイちゃん下で寝てただろ?」
「確かに」
「…今日は三人で」
「まぁそれもありだな!…それじゃまずは布団を敷くぞ~」
「「ん!」」
三人で協力しながら布団を敷き、それから布団の中に潜って手を繋ぐ。俺が真ん中なのはもう…二人の意思だから逆らう気も無い。
「……シード」
「ん?何だ?」
「私もっと頑張る。…あの二人に負けないぐらい強くなる」
「お前ならなれるさ。……まだ若いしな、お前。まぁ魔人の人生で考えれば俺もお前も赤ちゃんみたいなもんだし」
「確かに。私まだ15歳だもんね」
「私より一歳年下だったんだ…。大人びてて分からなかったよぉ」
「まぁ身長私が高いだけで胸のサイズも変わらないしね。要するに私の方がシードにモテる」
「なぬっ!?」
「ま、まぁ落ち着け。…ワールス、お前は結局どうしたい?人として尽くすか、魔人となって共に戦うか」
「…僕は魔人が良いよ」
「そうか。…人が魔族になる方法としてあるのは、お前もあの時に見た感じで魔石を適当に埋め込んで強化させる人体錬成の一種が有名だ」
「流石にあれはなぁ…」
「二つ目。悪魔に頼む。ただしその場合は知っての通り代価を払う必要があるが…サタン曰く代価は力を示すことで無しにしても良いらしい」
「サタンって…悪魔のトップ?」
「そうそう。最後に一瞬だけ来た彼奴」
「何時来たか全く分からなかった」
「まぁ最初の悪魔の一人だからな。…ってか4/7嫌だなぁ」
「「?」」
「サタンが前に何か言ってたんだよ。7日はろくなことが起きない気がするって。…取り敢えず寝るか。代価云々の話は後日するよ」
「「は~い!」」




