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魔王の生き様~遠い未来で君と共に~  作者: 赤天アリス
一章 魔王軍を作り替えよう
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死を招く協奏曲

―――翌朝


「…起きて、フロル朝だよ、起きて~」


「んぅ…」


「相変わらず寝坊助さんだね?」


「…ん……」


「ほら、顔を洗ってきなよ!」


「ん………」


ゆっくりと歩いていくフロルの頭を軽く撫で、扉の方を睨む。そして足音を立てずに歩き、剣を抜いて突き刺した。


「ッア…!?」


「………」


ゆっくりと引き抜き、黒い剣に付着した鮮血を一瞥してからタオルでふき取り、鞘へと納める。


そして手を軽く叩いてボロスを呼び、指だけさしてフロルの方へと歩いて行った。


「ご飯食べに行くよ~」


「…ん」


「ま~だ寝ぼけてる?ほらしゃきっと!あっ、その前に着替えか…」


「着替えるの手伝って…」


「…いやいや、流石に自分でやりなよ」


「……んぅ…」


「…ボロス、終わったらこっち」


「忙しすぎる…」


――――色々あったが何とか着替えが終わり、共に食堂へ移動した。すると真っ先にシャナリアが謝罪に。


「昨日はゴメン…」


「い、いや…謝るのは俺だよ。悪かった」


「…私が配慮に欠けてただけだから」


「そんな事は無いから。…仲直りしよ」


「うん」


握手を交わし、クスッと笑い合ってから席に着く。その後も着々と皆が来て席へと座っていった。


「坊ちゃん」


「おっ、ヴォイド」


「屋敷に国の上層部が集ってるらしい。中に入れないか色々してるそうだ」


「……誰も寄せない様にしてたはずだけど…。燃えた後、敷地内には入れない様に結界を張ってたよね」


「高位の魔法使いが結界を解いた可能性がある。どうする?」


「…すぐ行く。先に食べてて」


「「了解」」


立ち上がってから装束に魔法で着替え、転移で屋敷の近くへと移動。それから敵を観察。


「……なるほどな。財宝探しか」


そう言いながら魔法陣を複数展開させ、無数の銅像を地面から出現させる。


「な、なんだ?!」


「気味が悪いな…」


「…変な銅像だ……」


「………防音結界と転移阻害の結界を張ったら…ミュージックスタートだ」


指揮棒を取り出し、軽く振るう。それと同時に銅像の口が動き始め、素晴らしい音楽が聞こえ始めた。


やがて歌が始まり、屋敷に入ろうとしていた全員が狂ったように走りながら耳を抑え始める。


…この魔法は味方にとっては心が安らぐものだが、敵からすれば最悪だ。何せ不協和音の極みとも言えるのが脳に直接響くのだから。


曲に至っては呪いの言葉を詠唱してる感じで、聞こえれば聞こえる程デバフが付与されていく。まぁ耳塞いでも絶対聞こえるけど。


敵か味方かの判断だが、俺の場合は此方に敵意を抱いてるか否かで判断してる。殺意とかじゃない、心の中でだから…スパイとかでも殺せる。


とは言えこの技はMPの消費が激しいからそうそう使わないだろうね。


「……これのせいで屋敷に居る奴等は更に眠るだろうな。…はぁ、全員揃うのは何時になるんだか」


そう言いながら後ろを向くと、武装集団が立っていた。


「おっと…やぁ、こんな所で何を?」


「構えろ」


「待て待て、人に武器を向けるんじゃない、危ないだろ?」


「お前は死ぬべきだ」


「ふむ、一理ある。だが残念、死ぬべきはお前たちだ」


そう言いながらパチンと指を鳴らし、100名近くの信徒を召喚。彼等は全員武器を構え、一瞬で配置についた。


「流石は暗殺集団だ。…さて、殺るかな?」


「暗殺集団如きに後れを取る我らではない。殺れ!」


「……消せ」


「「ハッ」」


まぁそこから先はほぼ一瞬だったね。トップの女以外は見る見るうちに倒れ、そして死んで行った。


「お前は俺とだ」


「…図に乗るな」


「お前の仲間が俺の仲間として戦ってくれるらしい」


死体に死霊魔法を使って復活させ、ゾンビ状態で襲わせる。反応が面白いので次々と魔法を発動させていった。


「人の心が…無いの!?」


「無いな。いや、あるにはあるが…死体に結界を張らないのが悪い」


そう言いながらゾンビの体内に組み込んである魔法回路を起動させて自爆させる。


彼女は諸に爆発を喰らい、片腕を失って半身火傷を負った状態でぶっ飛んで木にぶつかった。


「あっ…ぐぅ……え?わ、私の腕は…!?痛い、痛いぃぃぃ!!?!!」


「………」


ゾンビだけ消滅させ、手を叩いて攻撃を中止させる。彼女は何かを言っているが、もう悲鳴なのか何なのかよく分からない。


「おい」


「く、来るな…!化け物!」


「ったく…素直に答えたら殺さないでやるから。国のトップは何を考えてる」


「ま、魔族の殲滅に…決まってるだろ…!」


「………アテニアを信仰する国はやっぱダメだな」


「「その通りで御座います」」


「もう良いや、殺せ。計画の邪魔になる」


「「ハッ!」」


「!?そ、そんな!私はちゃんと―――あっ」


鮮血が飛び散り、俺の足元の地面に付着する。それを一瞥し、屋敷の方に目を向けた。


それから銅像を消し、死体を片す様に命じてから魔王城へと帰宅。


「寝てる組の眠りをさらに深くしてしまったよ」


「「あちゃ~」」


「それとやっぱ魔族の殲滅を企ててるそうだから…早めに体制を立て直さないとダメだな」


朝の暗殺者と言い、まだろくでもない奴等が蔓延ってる。どうせ暗殺者を寄越してくれたのは馬鹿貴族共に違いないからな。


「……所でシード」


「ん?」


「私はシードの事が――――むぐっ!?」


「えっ、ど、どうしたのパラサイト…。ってかレイちゃんは何してるん…?」


「き、気にしないで!ね!」


「…仕方ないなぁ、気にしないであげる」


―――うわっ、確かにレイにだけちょっと優しい…。皆がそう思った瞬間であった。

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