まずは頭脳派から
―――朝食後、俺はシャナリアがちゃんとやってるか見る為に中庭の所に居た。
なんでも騎士団本部の施設は老朽化で壊れてるのが多いらしく、今は中庭で訓練等々をしてるらしい。
そして来てみたんだが本当にやっていた。シャナリアが指示をしてるわけじゃないが、彼女の配下らしき吸血鬼がやってる。あとファームも居るね。
ヴォイドもだ。まぁヴォイドの方はマッスル系しかいないけど。
「あっ、シード様!」
「お、おう。ファームか、弓はどうだ、良い感じか?」
「最高です!そ、それと一つお聞きしたい事が…」
「……こっちに来い」
「皆はそのまま訓練を続けて!」
「「はい!」」
一旦城内へと入り、人が居ないところで立ち止まる。
「何だ?」
「………夜、私は一人で夜風に当たる事が多いんです。その時に…その……シード様の言葉を聞いてしまって…」
「…………お前はフロルの腹心と聞く。だから正直に話そう。だが一つ聞かせてくれ、彼奴は…7歳までお前と共に過ごしてたのか?」
「はい、そうです。私がお世話係って感じでした」
「…ん。なら話そう」
―――屋敷に転移で移動し、俺の部屋であの時何が起きたのかを分かりやすく説明した。
彼女は衝撃の余りに泣いていたが、決してこっちを攻める事は無かった。だが…その気遣いは逆に俺にとってキツイものでもあった。
「…ご、ごめんなさい、その…」
「良いんだ、気にするな。……連れて行きたい場所がある、良いか?」
「は、はい」
「…敬語は辞めろ。俺はフロルの親友、お前はフロルの腹心。…仲良くしようぜ」
「…分かった」
「ん」
と言う事で地下に移動し、研究施設の方には行かず、しっかりと封印してある部屋の方へ向かう。
そして鍵を取り出し、三つ鍵穴があるのでそれぞれに適したものを使って解除。それから魔法陣を解除して中へ。
「……あ、あそこに寝ているのが…」
「…本当のフロル。最初の親友にして最高のライバルだ」
「シード…」
「何だ?」
「あの…ありがとう、本当にありがとう!肉体が生きてる、それだけで私は…満足」
「気にするな。それと満足しちゃだめだ。此奴は何時か必ず戻ってくる」
「そうだね!…そうそう、一つ相談があって」
「ん?」
「頭が良いけど力無くて前線に出れない将軍が何人かいるんだけどさ、彼等がシードの下に付きたいって」
「新生魔王軍に加入したいと」
「そそそ」
「おっけおっけ。今日の夕方にでも会議室を取っておこう。そこで」
「おっけ~」
――――夕方、会議室にて
「なるほどね、話は理解した。折角将軍になり上がったけど、知識しか無くて他の奴等に邪魔されると」
「「はい」」
「ただ部下からの信頼は厚い様だな。まぁ良いぞ、こっち側に来い。逆に邪魔してきた奴を教えてくれるか?この紙に将軍の名前が載ってるからこれで線を引いてくれ」
「えっと…」
―――結構将軍ってのは居るんだが、まさか半数線が惹かれるとは思わなかったよ。あぁいや、もうちょいマシかと思ってた。
これが本当のフロルならもっと凄い魔王軍だったんだろうけどな。彼奴の心理掌握は凄いぞ。マジで。
俺がライバルと認める理由の一つだ。10歳になった頃に目覚めた能力らしいが、竜程度なら簡単に洗脳できる。
まぁそれより恐ろしいのはカリスマだけどな。魔族の王になる素質が昔からあったのかは知らんが…とにかく凄い。
「…大将軍の連中はどうなんだ。まず見かけた事が無いけど」
「今代の魔王は何かがおかしいとか言ってどっか行っちゃいました。別に寝返ったわけじゃないけど…」
「勘が良い奴は嫌いじゃない。放置で良いや。なら今は…力でやり返す番だな」
「「?!」」
「力がある連中はな?自らより力があるのを見ればやる気を出して精進するタイプと、馬鹿みたいに怒る二タイプなんだよ、大抵が」
「「なるほど…」」
「前者が昔は多かった、と言うか基本そうだった。偶に二つの複合タイプも居たらしいが…」
「「複合……」」
「まぁ今は後者が多いんだ。後者は基本役に立たん。負けて怒るけど努力するなら良いんだが…基本怒り散らかし、自分は強いって思いこんで変なのに手を出す。魔剣やらが代表」
「「あ~」」
「魔剣も良いんだけどね、手懐けられるなら。でもそういう輩は無理。まぁ取り敢えず一人ずつぶっ倒して、その後の反応を見てから処遇を決めよう」
「「はい!……え?」」
「え?」
「だ、誰が倒すのですか?」
「俺。あとファーム」
「あっ、私も何ですね」
「武闘派だろお前。いや、どっちもか」
「まぁ天才的な武闘派かな」
「ククッ…まぁ任せるぞ」
「了解」




