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SACRED BASTER  作者: Null=10
神と魔神と適応者と
7/9

魔神撃退と新たな適応者

「さて、あのページをどのタイミングで使おうか…」


 互いに己の力を見せ、一時戦闘が硬直状態となる。そんな中先に動き出したのは氷の魔神グラジァード。貴理哉と距離を詰め、強化された剣から斬撃を飛ばす。貴理哉はすかさずジャンプで回避。だがその先でグラジァードが待機していた。


「さっきまでの礼だ。技の一つ位は見せてやるとしよう。【氷柱円獄(アイシクライトヘル)】」


 貴理哉の頭上には氷でできたジャングルジム程の大きさの円錐ができており、既に落下してきていたが、「瞬間移動(テレポート)」により何とか避ける。


「おっと…こんなのも隠し持ってたとは、やはり油断はできないな。しかしおかげでこ(・)れ(・)を使う隙ができた!」


 貴理哉は本の一番最後にあるページを破り、頭上に掲げる。


「チャンスは今しかない。頼むから外すなよ!【醐苦烙鳥醐苦烙鳥(ごくらくちょう)】」


 空中に巨大な魔方陣が現れ、そこから大きな炎で出来た鳥が飛び出してくる。その炎は一直線にグラジァードのもとへ向かってく。グラジァードは直ぐに回避行動に移ったが直撃は免れなかった。


「よし、流石の奴もこれが当たれば只では済まないだろう。」


 命中を確信した。それに、貴理哉の言う通り当たれば確実に有利《アド》を取れた。…しかし、魔神もそれをあっさりと喰らってしまう程度の実力ではなかった。


「残念!氷の強度を一気に上げたのさ!惜しかったなぁ!」


「何!?当たってないだと!?」


 まずい、切り札も不発に終わり相手の剣すらも強くなってしまった。これ以上やれることが…!


「どうしたぁ!?とうとう万策尽きたk——」


「ピピピピピピピ!!」


「電話?良いところだってのに。誰だ?」


「ピッ!」


「誰だ?こんな時n」


「オイコラグラジァード!一体どこで何をしている!もうとっくに時間は過ぎてるぞ!」

 

 突然掛かってきた電話に嫌々ながら出ると電話の相手はグラジァードのよく知る魔神だった。


「お前は!…誰だっけ?」


 多分。


「ハァ!?一体何度言ったら覚えるんだ!「怒りの魔神アングレンス」って毎回言ってるだろうが!あと今日は幹部会議があるって事前に言ったよな!今どこで何してんだ!今すぐ来い!!」


「アングレンス...?確かにそんな感じの名前の奴がいたな。お前だったか。幹部会議については謝ろう。行くついでに適応者(マスター)を始末しておこうと思ったんだが苦戦してな。とにかく今すぐ行くからもう少し待っててくれ。」


「適応者(マスター)の始末ゥ!?その事も今日相談する手はずだろうが!何勝手な行動してやがる!」


「別に減るもんじゃないしいいだろ?それに邪魔が入って失敗したから会議の進行も問題ない。」


「はぁ...言いたいことは色々あるが、今は取り敢えず会議に来い。話はそれからだ。」


「了解。」


そう言うとキューブ型の紫色の物体を出し空中に投げる。すると、どんどん円形のものになっていき、最終的に全体的に禍々しい空間へと繋がる。


「それじゃぁな。中々悪くなかった。そのうちまた会うと思うからもう一人の雑魚適応者(マスター)にもよろしく。」


 そう言い残し、グラジァードは別の空間へ去っていった。


「……ふぅー!何とかなったか!いやー流石にヒヤヒヤしたな。おっと、それより今は奏の様子を見に行こう」


 戦いの余韻に浸る暇もなく、応急処置で済ましていた奏のもとへ走って行く。


「音の神。奏の体調はどうだ?」


「見ての通り、お前のおかげで良好だ。多分すぐに目を覚ます。」


 そう話していると奏の目が開き始め、すぐに起きた。しかし、刺されたこともあって、少し混乱状態の様だ。


「…んん?確か僕は鬼士を倒して、それから———そうだ!確かやばそうなのに奇襲を受けて!もしかしてここ天国!」


「大丈夫だ。ここは天国でもなければ地獄でもない。ちゃんと生きてるよ。私の治療でね。」


「…そうだったのか。ありがとう。にしても治療ってどうやって?…まさか!」


「何とそのまさかだ。生徒会ちょ…貴理哉はお前と同じ適応者(マスター)。本を統べる者、理読視貴理哉だ!」


 貴理哉が言っていたセリフをレオはそっくりそのまま、さも自分が考えたように言っていく。


「うへぇ、まさかこんなにも近くにいたなんてね。全然気づかなかったよ。…ん?助けてもらっといてなんだけど、鬼士と戦ってる時は何してたの?」


 貴理哉は少し微妙そうな表情を浮かべる。


「お前なら余裕だと思ってな…と言いたいところだが実を言うと神器を図書館に忘れてしまってな。急いで取りに行っていた。」


 学内一位にも可愛いところはあるんだなと思いつつ、鬼士戦の時、裏で実はやらかしていた判明したので少しからかってみる。


「結構ドジなんだな…」


 認めたくないが確かにそう。と思っているだろうと見ただけですぐ分かってしまうような表情をしながら反論をする。


「たまたまだ!」


 顔に図星って書いてありますよ。しかしまぁ助けてもらったのだしこれ以上からかうのは止めておこう。ていうかそんな事よりもっと重要なのがあるじゃないか。


「それであいつはどこに!」


 奇襲とは言え少しも反応できなかったのだから、相当強かったはず。


「私が何とか追い返したよ。向こうも向こうで何か揉めてたみたいでね。」


「それは良かった。改めてこれからよろしくな!貴理哉!」


 早速波乱万丈の一日だったが、終わり良ければ全て良し!後は生徒会の資料の事を忘れていたら完璧なんだが。


「あぁこちらこそだ!奏。勿論生徒会としてもな。まだ資料が半分残っているだろう?」


「クソっ!忘れてなかったか。」


 すると貴理哉は笑みを浮かべ。


「学内1位の記憶力をなめるなよ。」

授業は大丈夫なのかと思う人もいるかもしれませんが、入学式の日は、生徒交流(3話参照)と、部活見学、生徒会活動だけなので問題ないです。

教室でやる学校説明的なのをやるのは、入学式の次の日の一時間目です。

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