私立煌凰創盟学園
「さてと…行ってきまーす!」
証明エンブレムをもらい一段落した所で朝7時を迎えた。そして今日は入学式の日。朝ごはんを食べ、カバンを背負い、高校に登校するため玄関を出た。
「私立煌凰創盟学園」全国の中でもトップクラスの私立高で、受験生の上位1%未満しか合格のできない、軽く偏差値70を超える高校。
学園内は礼儀正しく規律の守れる優秀な生徒しかいないため、校則は緩く、「私服OK」「髪染めOK」「スマホOK」「香水や消臭スプレーOK」等大体のことは可能となっている。代わりにいじめや暴力、万引き等の犯罪行為をした場合は、執行猶予無し、お目こぼし無しの「即退学」及び「場合により裁判開始」ということになっている。しかし、その制度があったおかげか、すぐさまトップ校となり、それ以降は違反者が一人も出なかったという。
私立校なため、学校の敷地も大きく、通常行事以外の特別行事なんかもあるらしい。そんないかにも面白そうな学校に僕は学年2位で入学したのだが、そんな学校より何十倍も面白そうな奇々怪々摩訶不思議な出来事に出会ってしまった。尚、その中心点が今も隣に…
「お前もついてくるのか…?つーかそもそも依り代にしてたヘッドフォンがなくても動けるのか?」
「まぁヘッドフォンはあくまでこっちの世界に来るための起点というか…そりゃあ近くにあった方が色々とやりやすくはなるけど、なくても別に問題ない。学校もどんなものか見てみたいしな。」
そんな風に雑談していると、空き地の陰から何やら紅くてでかい、鳥に似た生物が飛び出してきた。
「クィェェェェェェェェ!」
「…!!」
「なに!もう魔物が出てくるとは!」
「あれが魔物…!」
「あぁ、あれは紅の幻鳥。地獄の湖より生まれし、自らの羽を自在に操ることのできる魔獣だ!幸い今は周りに人がいない!それに初戦にはいい相手だ!行くぞ!」
「了解!」
「それじゃあまずは…」
とレオが戦いについての説明をする間もなく。すぐさま奏がアイテムボックスから「ポリゴンソード」を取り出し一直線に走り出す。
「うおぉぉぉ!こんなに早く進めるのか!」
習得済みの「刺突一閃」によりものすごいスピードで紅の幻鳥の腕をさすともう一つの「チェンジングポリゴン」により、刺した個所の周辺が雑なポリゴンのようになり、動きが鈍くなった。
「クィェェェェェ!」
「よし!」
「奏!神器を使え!」
『神器』それは神と契約した際に獲得できる、適応者のみが扱うことのできる武器。適応者の力を最大限発揮できるようになっており、無限の可能性を秘めている。尚それを引き出せるか否かは適応者次第。
「神器!自由のタクト!」
「ポリゴンソード」が消え、手には「自由のタクト」が装備された。僕がそれを一振りすると、「奏音」の力により楽譜の書かれた五線譜が宙に現れ、紅の幻鳥の四肢に巻き付き拘束した。
もう一振りすれば、今度はトランペットが現れ、奏者がいない中自動的に音が鳴ると、トランペットが音と同時に魔力弾を放ち紅の幻鳥に命中した。
『プーーーー!』
「クァァァァァァ!」
命中した数秒後紅の幻鳥が黒いモヤを出ながら消滅していった。
『スキル:奏法・五線及び奏法・黄金大笛を習得しました』
「ふぅ…何とかなったな。いきなり飛び出したときはびっくりしたぜ。」
「いや~早速使試したくなっちゃって。気づいた時には頭も体も動いて他わ。」
とりあえずはスキルや武器がどんなものかは理解できた。それとどうやら、戦うことで覚えることのできるスキルもあるらしい。他にも色々できそうで楽しみだ。
「さてさて、初勝利もしたところだしさっさと登校するか。」
———五分後———
「さぁ、着いたぞレオ!ここが今日から僕の通う「私立煌凰創盟学園」だ!。」
「お~~!中々でかいな!俺が下界を覗いてる時に見た中でもここまで大きい建物は見たことがない。」
募集人数がまぁまぁ多いため、周りには、同じく入学式に来ている生徒が結構おり、皆体育館へと向かっている。
これだけの人数がいれば退屈はしなさそうだな。別に元々退屈しそうとは思ってなかったが。
『本日は桜も咲き入学式にはピッタリの天気ですね。えーでは改めまして、新入生の皆々様、入学おめでとうございます!我々教師陣一同もうれしく思います。そして、これから様々なことがあると思いますが、失敗があってももくじけず、困ったときには仲間に頼り、しかっりと学業に励み、楽しい高校生活を送ってください。ではまず主席挨拶————」
入学式が終わると、皆割り当てられた教室に入り、自分の席に座った。1限目は生徒間交流といって、特に何かやるわけでもなく、ただ自由に生徒にやらせるだけという非常にシンプルかつ、生徒が優秀だからこそできる行事だ。早速所々で話し始めている生徒もいて、もちろん僕も手あたり次第話しかけていた。元々人と話すのが得意だったというのもあり、周りの生徒とはすぐに仲良くなった。
「それでさー僕道に迷っちゃって、どうしたと思う?」
仲良くなった生徒と、早速雑談していると、一人の生徒がやってきた。黒い眼鏡に、脇と腕の間には分厚い本が挟まっており、腕には緑色の腕章がついている。要は生徒会長だ。生徒会長なだけあってか、ひと際目立つくらい、見事なまでに身だしなみが整っている。しかし一体何の用だろうか。
「学内順位2位の特待生、紡音奏君は居るか。居るのなら生徒会室までご同行願おう。」
「???」
主人公は一応オレンジ色の髪なんですけど、染めているわけではなく地毛です。ただ、勘違いされやすいので、髪染めOKだとやはり有難い。
紅の幻鳥
地獄に存在する血でできた湖「サングィス湖」より生まれし悪魔鳥。その羽は血よりも紅く、暗闇のように黒い。また、名前にグリフォンと入っている通り手足があり、その手足すらも紅い血の色に染まっている。自分の羽を自由に操れる能力を持っており、大きさは平均3m強。
結構強そうに見えますが、実はかなり弱く、羽の操作レベルに関してはピンからキリだし、体も結構脆く、大体の攻撃は通る。




