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初心者女子  作者: nim
モデル女子編
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第五十一話  電車に潜む神

ホテルの豪華な朝食を食べて学校の修学旅行に合流したボクと紗良

ボクを苦しめた女子の日に、適当に返事して決まっていた班割り、ボクは毎度お馴染みの紗良とリキと智秋の四人で班を組まされていた

いつも通りの四人・・行き先は紗良が勝手に決めていたらしく、とりあえず電車に乗るボク

紗良に行き先を聞いてみると、どうやら有名な中華街に行きたいらしい

ボク達以外にも同じ電車に乗ったうちの学校の生徒を見たが、時間帯のせいか見渡す限りの人でどこに行ったか見当もつかない

そんなボク達も人混みに押され紗良と智秋とはぐれてしまっていた

車両の出入り口付近にリキと一緒に押し込められ、リキがボクの前に立ってギュウギュウにならないように踏ん張って守ってくれている


「カーブが・・カーブがつらい・・うぎぃぃぃ〜!」


電車がカーブに差し掛るたびに、リキは壁ドン状態のボクの人柱になって、すし詰め人間遠心力アタックをモロに食らい限界が近いのか目が血走っている

ボクはカーブの度にリキの顔を見て苦笑いをして労ってやってるのだが、表情からしてそろそろ限界の限界が近いようだ


このままでは中華街に着く前にリキのライフが底をつくな・・

仕方がない・・

ボクのトレーニングの成果を見せてやろうではないか!


脳内でマッチョな千秋ちゃん見せびらかせてやったところで、ボクはリキに提案してやった


「リキ君、場所変わろうか?今度はボクが人柱になってあげるよ!トレーニングしてるし多分大丈夫だからさ!」


ニコッと笑顔を向けてやると、リキは汗だくな顔をブンブンと横に振って疲れ気味にボクに言った


「いや・・千秋さんには無理だ・・気を抜くと・・やられる・・田舎育ちには・・キツ過ぎる状況だ・・!それに・・すでに動けない・・」


ボクに話ながらもギュウギュウとすし詰め遠心力で圧縮され続けているリキ

段々とボクの方へと寄ってきてる気がする

必死なリキの表情に、ボクは少しいたずら心が刺激されて指を立ててリキに話してみる


「ふーん・・リキ君相手してくれないからつまんないなぁ・・仕方ない・・人差し指でこの辺突付いて暇でも潰そうかな?」


そう言って上目遣いでニヤニヤしながらガラ空きのリキの胸辺りに指を近づけてやる

それを必死な顔で見てイヤイヤアピールをするリキ

その刹那!


電車の急カーブと一瞬力が緩んだリキをすし詰め人間遠心力アタックが襲った

ボクはリキと向かい合わせにギュウギュウすし詰め人間プレイになってしまった

近づけたボクの指もリキの顎を撫でてしまって顎クイ状態だ


こ・・これは色々まずい・・

このポジションで密着だと・・?

ボクの胸が・・リキのお腹に・・ギュウギュウに・・

その目の血走しりは・・

ボクを守るために踏ん張ったせいだよな・・?


身動きが取れずにモゾモゾ身体を動かしていると、何やらボクのお腹にギュウギュウ当たるものに気付き、視線を落とすボク

それに気付いたのかモゾモゾ動いたリキが話しだした


「こないだのデジャヴか・・すまん・・我慢してくれ・・それと・・動かないでくれ・・色々と凄い感触が・・」


目を閉じて無心の表情のリキ、それとは裏腹にボクのお腹に当たってるリキのリキは存在を隠す気など更々なく闘気を纏っているようだ


お腹に・・膨らむ感触が・・

ボクの胸に反応してるのか・・?

とてつもねぇ力を感じるぞ・・!

これは・・

股間の神様のお出ましか・・!

そろそろこのボクに生殺ししたままのリキに告白をしろと言う暗示なのか・・?

智秋といいリキといい最近やたらとこのボクに股間を突き付けてきやがる!!

股間の神様の怒りの突き付け・・なのか・・

生殺しの・・呪い・・

このままだと・・祟られる・・!

やられる前に・・謝ろう!


股間の神様の力に恐れ慄いて戦慄の表情でニヤッとリキにほくそ笑んでやると上目遣いで言ってやる


「リキ君・・ごめんね?ボクの胸当たってるからだよね?痛くない?ボクは大丈夫・・空くまで我慢するから・・」


内心ドキドキのボク、苦しいのかドキドキのせいなのか呼吸が早くなり胸も合わせて早く動いてしまう

それに釣られてなのか、力が増強してボクのお腹を攻めてくるリキのリキの股間の神様

どうやってもこの状況に怒りが収まらないらしい


どうする・・

ボクは元男子だ・・

股間神の鎮め方は心得ている・・

だが!!

女子であるボクがこれを鎮めるには・・

力不足・・加えて覚悟ができない・・

どうする・・!

万事休すか・・!!


その瞬間、ボクの後ろのドアが開きリキと共に外に倒れ込むボク

どうやら目的地の駅に着いたらしい

決壊したダムのように勢いよく出ていく車内のお客さん、それがひくまで倒れたまま待っているとボクに話し掛ける声が聞こえる


「なにしてんの?こんな人目に付くところで抱き合って・・そういうのは二人きりのところでやってくれる?」


ボクを覗き込んでニヤついている紗良、ふと隣に立っていた智秋の下の変化にボクは気付いてしまい言ってやる


「これは・・不可抗力だよ・・それより・・智秋の智秋・・なんか元気だよ・・?」


それを聞いた紗良が腕を組んでチラッと智秋を睨むと優しく話しだす


「私の魅力に取り憑かれたんじゃない?勝手に私に引っ付いてきて勝手に元気になってるのよ、鍛錬が足りないよね」


そう言って崩れた制服を正す紗良


ボクは悪い夢でも見ているのか・・?

股間神が二体も同時に出現するだと・・!?

何と恐ろしい都会の電車・・!

股間神の巣窟ではないか!!

なるほど・・

ニュースで見た女子専用車両・・

それに乗っていれば神々の怒りに触れずに女子は安全に移動出来ると言う事か・・

心に刻まなければ・・!


このあとリキと智秋はホームのベンチに座り股間神を冷やして鎮魂したところでボクは駅を後にした





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