第五十話 お風呂の二人
人の前でどうやって身体隠したらいいんだ?
胸隠したら下見えそうだし・・
尻隠したら前がガラ空きだし・・
女子って・・不便すぎる・・
他人との裸の付き合いなど頭の片隅にもなかったボク、脱衣所て右往左往していると風呂場からボクを呼ぶ声が響く
「ちょっと!早くしなさいよ!女同士で隠すとこなんてないでしょ!?ウロウロしてないで早く入れ!」
何故か半ギレの紗良、鬼神の素性が垣間見えボクはフルフルと震えながら風呂場に入った
かなり広い空間、個室の風呂場とは思えない作りにボクのバイブレーションは自然と止まり身体を隠すのも忘れ、その爽快感に身体が勝手に動き両腕を天に突き出すボク
ふははははっ!!
入ってやったぞ!!
家の風呂もそこそこ広かったが!
こちらの風呂は倍以上更に広いぞー!!!
鬼神がなんだ!!
ボクは今最高の風呂場を手に入れたのだー!!!!
疲れもどこ吹く風、テンションが上がるとアホになる千秋ちゃんになりかけたところで、風呂に浸かりながらこちらをジッと見ている紗良と視線が合った
「なんだ・・恥ずかしそうにしてたのに・・平気そうじゃん・・わかってはいたけど流石モデル・・良い形してるねぇ・・」
湯けむりの中でニヤついてボクの胸をガン見していた紗良、そんな状況でも爽快感が勝るボクは紗良の胸を見てやろうと紗良をガン見してやる
テンションがMAXなボクに怖いものなどない!
裸の付き合い?
結構なことではないか!!
同じ女子として語り合ってやろうじゃないか!!
まずは手始めに・・
揉まれ続けているボクの胸の仇を・・!
ガン見したままお風呂にダイブしようと石の風呂の縁に足を掛けたところでツルッと滑り紗良のいる方に豪快に落ちたボク
慌てて何かを掴むと、お湯から顔を出して確認するとボクは驚愕した
なにっ!?
ボクのより大っきくて弾力が上だと!?
張りとツヤまでありやがる!!
さては戦闘タイプの女子だな?!
やはり普段のキレやすさは大きさに比例するのか・・
流石ボクが鬼神と認めただけのことはあるな!
だが!!
女子の真価は大きさだけではないのだよ・・
このボクにはそれを更に上回る張りとツヤ・・極めつけは形!!
やはり女子はオールマイティーでなくてはな・・!
鬼神が肉弾戦タイプだとすると・・
このボクは技巧派タイプ・・と言ったところか・・
脳内で女子の間違ったタイプ分けに自信をつけたところで、ボクは無意識に向かい合ってる紗良にニヤッと怪しいほくそ笑みをお披露目してやった
それを間近で見ていた紗良が言う
「またアホなこと考えてるでしょ?胸で女子は分けられないからね?それにしても・・千秋は胸だけじゃなくて他のパーツもいいよね〜」
知らないうちにボクのウエストと太ももに手を回していた紗良
お湯の中で優しく擦って話しだす
「見るのと触るのとじゃ・・やっぱ違うね!ウエスト細っ!これがモデルのウエストかぁ〜太ももも弾力あってスベスベで気持ちいいねぇ!太くもなく細すぎる訳でもなくジャストって感じた!さっすがモデルの身体は違うな〜」
さわさわ触られて少し前なら変な感じになって声を出してたボク
耐性がついたのか、はたまた女子同士で気が緩んで身体が敏感じゃなくなっているのか、女子と裸の付き合いで密着してても平気なボク
どうやら知らないうちに気持ちも完全体女子になりつつあるようだ
ボクはフッと少し笑うと紗良に話しだす
「触られても平気だよ?紗良も見た目じゃわからなかったけど凄くキレイな身体だね!ボクと一緒にモデルしてみる?」
そう言うと紗良は優しく笑ってボクに言った
「無理無理!千秋の身体見ちゃったら私なんか足元にも及ばないよ!やっぱりモデルは凄いね!引き締まってカッコよく見えるように体型維持しなきゃだもん!アホな千秋でもモデルに関して言えばプロの中のプロだね!」
突然のお褒めの言葉を紗良から頂いたところでボクは紗良の隣に移動して言ってやる
「お母さんもうるさいし・・それにボクがやるって決めたことだからね・・絶対仕事は手抜きしたくないんだ・・!それはトレーニングも同じだね、なんの因果が女子になっちゃったから、もう戻れならトコトン女子を追求してやるんだ!って思ってさ」
そう話すとお湯の中で伸びをして、そのまま脚を組んで両腕を頭の後ろへやって枕にするボク
紗良もそれを見て真似して同じ体勢になると紗良が口を開く
「良くも悪くも千秋って感じだね・・?純粋で真っ直ぐ・・私、マネージャー頑張るから・・千秋の追求に私も付き合うよ」
そう言ってクルッとボクの方に転がってきて覆いかぶさり、ボクの枕にしてる両腕をホールドしてくる紗良、そのまま真剣な顔をボクに近づけて話しだした
「それから・・追求もいいけど・・隙だらけなのは直さないとね・・?この体勢・・リキ君にしか許しちゃ駄目だよ・・?この先の千秋にはきっと沢山のファンも付くと思うけど、千秋は美人だから同じくらい悪い虫もよって来るから・・一人でも身は守れるようにしときなさいね・・?」
ポンッとボクの頭を撫でて、また隣に転がって移動する紗良、暫く静粛の時が流れる
心臓がバクバクしてる・・
突然だったから・・
あんな体勢でホールドされたら・・
ボク・・されるがままだ・・・
少し女子に慣れてきて安心してた・・
身を護る方法・・
やはり結月とのアレの習得が急務だな・・
少し前の結月と護身術を思い出したところで紗良が優しく話してきた
「それと・・ありがとね・・こんなに華のある人生にしてくれて・・」
その言葉にボクは小っ恥ずかしくなったが無言で笑顔になると、暫く静かにお風呂のお湯を楽しむだった




