秘められた魔力
「知り合いも何も・・・ロッジ・ハイハーはうちの従業員ですよ?」
「ロッジ・・・そんな名前の従業員見たことないぞ?」
「ロッジは家に、病を患った母親を持っているので、勤務時間を過ぎるとすぐに帰るんです。それに、スーパカーコンサルタントの資格を持っていつので、だいたい表には出ず、裏でスーパカーの設計を主にやってもらってます。グレカロイドさんが来るの、だいたい製造工程の場所なんで、見られなかったのかもしれません」
クレアが言うと、グレカロイドは険しい顔をし、クレアの方を向いて言った。
「うーん・・・車名だけでそのロッジっていうお前の従業員とは判断できんが、もし、そうならそいつがお前を襲ったっていうことになるな」
グレカロイドがクレアの方を向いて言った。
「そんな・・・ロッジがそんなことするはずないですよ!だって、ロッジとは歳も家が近かったんで、私達が小さいときからよく一緒に遊んでいたし、何より彼、とっても臆病者なんです!」
「そうですよ!それに、魔法が使えないっていったってましたもん!」
シフォンも続いて言った。。
「・・・まあまあ。わかったわかった。すまんすまん。見ず知らずの人のことを疑ったりして。」
グレカロイドがなだめると、シフォンが言った。
「そうだ、とりあえず、コマンダーだけ取り出しましょう!この車体のことは取りあえず、帰ってからロッジに聞くってことで」
「そうね。コマンダーはどこに内蔵されているのかしら」
「うーん、そうだな。普通ならアクセルを踏んで魔力を循環させるから、普通車のエンジンの位置に変わりに埋め込まれているはずだが・・・色んなタイプがあるしな」
グレカロイドはそう言うと、スーパカーに乗り込んだ。
「おら・・・この・・よいしょっと」
グレカロイドは、アクセルをめいっぱいの力で引いた。すると、凄まじい音をたてながら芋ずる式にアクセルと、様々な機械が引っ張られて出てきた。
「す、凄いですね。強化魔法もかけずに腕力だけで引っ張るなんて」
クレアがグレカロイドの鍛え上げられた血管むき出しの腕を見つめながら言った。
「この程度でわざわざ魔力使ってられるか。えっと・・・お!これだ!ビンゴだぜ。」
グレカロイドはコードの束を掻き分け、すべてのコードが集まっている、手のひらサイズの四角く、黒いケースを見つけ出した。グレカロイドは、そのケースに繋がっているコードを全て引きちぎり、ケースのみを取り出した。それと同時に、シフォンとクレアもそばにやってきた。
「どれどれ?」
そう言うと、グレカロイドは懐からコンパスのような形の魔力測定器を取り出し、ケースに近づけた。
ピピッピピピッピと鳴りながら、針が徐々に回り始める。試運転はできるだけした方がいいが、3回分もあれば、とりあえずノルマクリアということになる。針が半周すれば、試運転三回分の魔力量があるということになる。三人は、針が半周するのを期待しながら、まじまじと見つめる。
しばらくして、針は一回も止まる事もなく半周を通り過ぎた。
「ふう」
三人は、同時に一息ついた。
「これで何とか納品できそうね。いや~時間が経って魔力が流出しても試運転三回分の魔力があるなんて、やっぱり私の魔力量って凄いのね」
クレアはそう言うと、立ち上がり、大きな伸びをした。しかし、他の二人はまだ測定器に釘付けになっている。
「え?何?どうしたの?」
「お姉ちゃん・・・お姉ちゃんって、こんなに魔力を持ってたの?」
シフォンがそう言うと、クリアは不思議そうにしながら、また覗き見た。
「え!何?この速さは!」
コンパスを見ると、そこにはさっきの倍以上の速さで回り続ける針があった。その針は止まることなく、回り続ける。
「ちょっと、この測定器壊れているんじゃない?さすがに針が何回も振り切れるなんて有り得ないわ!」
クレアが、グレカロイドの顔を見ながら言った。
「いや、それはない。この測定器は魔力を物質に変換してから作っている。壊れる確率なんてゼロだ。」
しばらく、三人は回り続ける針を無言でただ目で追いかけていた。
どれくらい経っただろうか。針は突然失速し始め、4分の3の所でピタリと止まった。
「おい・・・何周した?」
グレカロイドがキョトンとした顔をしながら、シフォンに聞いた。
「28周です。G1カーレースの優勝レベルがせいぜい2周ですから、その約14倍です。」
「これ・・・絶対に私の魔力じゃあありません」
クレアが言うと、グレカロイドはもう一度測定器を見て言った。
「ああ、分かってる。こりゃあ元々この車にそれほどの魔力があったっていうことになるな」
「え!じゃあ何で私の魔力で止められたんですか?こんなの、私の魔力だけで止められる訳ないですよ」
グレカロイドは、ケースを握りしめ、測定器を懐にしまいながら言った。
「ああ・・・いろいろ気になるが、一つ分かることは、この車の謎を解くには、ロッジに話を聞いてみるしかないということだ」
グレカロイドは立ち上がり、二人の方を向くと、真剣な眼差しで二人をみつめた。二人は何か察したのか、黙ったままグレカロイドの眼をみつめ返した。
「今日は取りあえず帰ろう。魔力をかなり使っちまうが、この車は転移魔法で俺の家に転移させておく。二人は明日、従業員を早めに帰らせてロッジを引き止めろ。俺がこの車を工場まで持って行く。事情はそれからだ。それまでは、今日のことはロッジには秘密にしておいてくれ。もしかしたら、ロッジがお前を殺す気があったかもしれないからな」
「ロッジがそんなことするはずありません!でも・・・分かりました」
クレアはそう言うと、少し俯いた。その様子を見てシフォンは少し唇を噛み締めた。
内容薄いかもしれませんね・・・。次はもっと読み応えがあるようにします!




