No. 99 暗殺者と戦闘開始
「オラッ!」
開幕一発。
武装召喚で適当な(街中なので普通の)武器を召喚して、とりあえず頭上の二人に撃ち出す。
だが、アッサリと避けられる。
「ほう?妙な使い方をするな」
前方の女が興味深そうにその様子を観察しているが、隙だらけだ!
「••••••!」
こういう時、何か言うのがお約束かもしれないが、わざわざ隙だらけの相手に声を掛ける意味がわからないので、無言で攻撃する。
汚い?知らねぇよ!
てか、普通に避けられたよ!
「面白い奴だな、お前は」
口元は見えないが、相手が笑みを浮かべているだろうと確信があった。
「召喚術をこんな風に使うとはな。初めてだ。なるほど、こんな使い方があるのか。いや、だがこれではすぐに魔力が切れてしまうな。一回使っただけで召喚した武器を切り捨てるのだから」
余裕そうな表情で、冷静に分析される。
「しかし、お前は躊躇うことなく武器を召喚し、投げ捨てる。召喚術は消費魔力量が多い。魔力消費軽減のスキルを持っていたとしても、そんな風に連続で発動することなど普通は出来ない」
こちらを見透かすように、じっくりと見られる。
思わず嫌悪感に顔を顰める。
「つまり、考えられることは、魔導具で魔力を補助してることだ。だが、貴様が魔導具を持っているようには見えん。つまりは、人の身で召喚術を連続して発動出来るほどの魔力を秘めているということになる」
「••••••オレの唯一ズバ抜けたステータスでね。ガス欠を狙うなら諦めた方がいいぞ?」
冷や汗をかきながら、挑発するように笑ってやる。
こいつら、オレのことを敵とさえ思って無い。
目の前でペラペラ喋り出したのはつまり、いつでもお前なんて殺せるって思われてるんだろう。
『まあ、そうでしょうね。実際、あんたは相手からしたらただの雑魚でしょうし。知性の低い魔物相手なら相性良いのだろうけど、相手が知性のある生き物だと相性が悪いわねあんた。行動が単純過ぎて読まれるわ。なんでダンジョン攻略の方に行かなかったのよ』
今頃それを言っても遅いだろう。
ここは意地でもなんとかするぞ。
スピカが心配だしな。
てなわけで、何かないかね?
この状況をなんとかする方法。
『••••••一つ、ないこともないわ』
何!?
あるなら早く教えろ!
『ダメよ。あんたじゃ、レベルが足りないわ。使ったら身体が持たない』
知るか!
今やらなかったらここで死ぬだけだろ!
『••••••』
アダマスは黙り込んだ。
「魔力はいくらあってもいいものだ。そして貴様は魔力を大量に持っている。となればだ」
アダマスと話している間に、どうやら向こうはオレの扱いを決めたようだ。
「貴様は魔力タンクとして使わせてもらおう。丁度、我が組織でそういった魔導具を完成させたところでな。貴様には実験体になってもらおう」
好き勝手いいやがって!
「んなもんごめんだ!全力で抵抗させてもらうぞ!」
「フン、好きにしろ」
殴ってやりたいあの顔を!
でも、ピンチだどうしよう。
と、思ったところで。
表通りから誰かがこっちに向かって来た。




