No. 85 名付け
「で、話を纏めると、オレが呼び出したハムスターの中にフュージョン・ハムスターがいて、そいつがミミック・ハムスターを含むネズミ達を融合素材にしたら人間の美少女に擬態出来るようになった、と」
なるほど••••••わからん。
いや、わかるんだが意味不明。
うーん、これも違うな••••••そうかわかった、理解したくない。
これだ!
「諦めろ秋矢。現実とは受け入れるものだ」
「いや、だってさぁ••••••」
考えれば考えるほど頭が痛くなってくるんだもん。
どうすりゃいいのさ、これ。
とりあえず受け入れようとは思ったけどさ。
「受け入れろ、としか言えん」
「えー」
まあ、いいや。
とりあえず受け入れました。
••••••納得は出来ないけど。
「意外だな。秋矢ならすぐに納得してくれると思ったが」
「何を根拠にそう思ったんだお前は」
「日本人だから?」
どんな根拠だ。
みんな大好き二次元で擬人化とか色々やってる日本人ならすぐに納得出来るとか思ったか?
アレは二次元限定の話だ!
リアルで遭遇して納得なんか出来るか!
「••••••それで、オレを呼んだ理由は?」
もう、面倒だからサッサと話を進めよう。
まあ、ハムスターが人化したってだけで呼ばれる理由にはなるかもしれんが、それだけじゃないような気がするからな。
そしてそれは予想通りだった。
「簡単に言えば、あの小娘の面倒を小僧が見ろ、ということだな」
「え、何で?」
「奴はお前が呼んだからな。召喚者が召喚獣の面倒を見るのは当然であろう」
あの娘は召喚獣扱いなのか?
元がハムスターだから間違ってないかもしれないが。
「面倒を見るってどうすればいい?てか、何をすればいい?」
見た目一応、人間の女の子なわけだし、人間として扱うべきか、それともハムスターとして扱えばいいのか。
「ん?」
服を引っ張られる。
そちらを見ると、ハムスター少女が無表情にオレを見ていた。
何だ、と思ったら、頭の中に声が聞こえてきた。
『とりあえずなまえください』
この声、アダマスじゃないな。
誰だ?
『めのまえにいるかわいいハムスターちゃんです』
はい?
••••••イヤイヤ、どうやって。
『多分、念話のスキルでも持っているんじゃないかしら』
アダマスの声。
念話のスキルって。
だからハムスターってのは何なんだよ••••••。
『それよりなまえください』
「マイペースかお前は!」
思わず声を上げてしまった。
この状況で名前をくれって。
空気読め••••••と思ったが、おそらく中身は幼い子供だから空気を読む能力は無いんだろう。
声も幼かったし。
「どうした秋矢。いきなりそいつと見つめ合ったかと思えば声を上げて」
リオンが訝しげに聞いてくる。
無理もないか。
客観的に考えて、今のは完全に変だったし。
「実はこいつ、念話のスキルが使えるらしい」
「ふぅむ、テレパシー・ハムスターとも融合していたか」
だからハムスター(ry
「それで、名前が欲しいって言って来て」
「付けてやればいいだろう」
そんな簡単に言わないで欲しいんだけど。
「ハム子でいいか」
「もっと、ちゃんと、した、名前を、付けて、あげで、ください。可哀想、です」
むぅ、アインスからダメ出しされるとは••••••。
仕方ない、もうちょい考えるか。
そうだな、ハムスターだろ。
「••••••ハム○郎はどうだ」
「女の子、です」
あ、そうか。
「秋矢にはネーミングセンスが無いな」
うるさいよ。
そういうお前はどうなんだ。
「私か?そうだな••••••ハムニバルというのはどうだ?」
「お前のほうがネーミングセンス無いじゃん」
ハンニバルさんに謝れ。
結局、名前は髪の色の茶色から取って、”ラン”になった。




