No. 83 誘拐••••••ではない!
「••••••バーン、誘拐はダメだと思うんだ」
「いや待て」
「今ならまだ間に合うから、騎士団に自首しに行こうか。何ならオレも一緒に行ってやるから」
「だから待てと言っているであろう!誘拐などしとらんわ!」
バーンの咆哮が響き渡る。
音、デカッ!
可哀想に、後ろの娘がビクッとしてるよ。
「犯罪者は大体皆そういうことを言うのだ」
「そう、なんで、すか、?バーン、さん、誘拐犯、?」
リオンが冷たい視線を送り、アインスが悲しそうな顔をする。
「だから違うと言っているだろう!寧ろ、誘拐犯は小僧の方だろう!」
「ハァ!?」
何のことだよ!?
「罪を押し付けんな!」
「それはこちらのセリフだ!」
お前だお前だお前だと、お互いに罪をなすり付け合うオレとバーン。
そのままギャーギャー騒いでいると••••••。
「イテッ!?」
「むぅ!?」
頭上に分厚い辞書が降って来た。
こんなことをする、というかこの場で出来る奴は一人しかいない。
オレは、リオンに文句を言おうと目を向けるが••••••。
「とりあえず落ち着け」
「••••••ハイ」
静かなる威圧感に押されて、口から出なくなった。
「で、一から説明しろ」
リオンがテーブルを指で何度か叩く。
バーンはうむ、と頷いて話し出す。
「それは丁度今日の朝のことだ。我が最近の日課である、そこの小僧が押し付けてきたネズミ共の餌やりに行った時のことだ」
「何でちょっと怪談話すような感じなんだよ」
それと、押し付けたのは間違いじゃないが、お前は喜々として飼育していたじゃないか。
「まあ、話を聞け。いつも通り餌やりに行ったらーーそこにこの娘が居たのだ」
••••••?
あれ、話が飛んだか?
「つまり、ハムスター達を置いていた場所にそいつが居たのか」
「うむ、その通り。流石、小僧と違って頭の回転が速いな」
「悪かったな、頭の回転が遅くて」
「まあ、まあ、シュウヤ、さん、落ち、着いて」
むくれるオレをアインスが慰めてくれる。
「ハムスター達はどうした••••••と、聞くまでもないか」
「••••••本当に理解力が高いな。流石に予想外であるぞ」
どうやらリオンは状況を理解したらしい。
どういう思考回路をしてるのだろうか?
「オレに状況を説明してくれないか?」
オレがそう言うと、リオンは不思議そうな顔をした。
「本当にわからないのか?」
「ああ、サッパリだけど••••••」
てか、わからないから聞いてるんだけど。
そんなオレを見て、リオンが簡潔にこう言った。
「あの少女は、どういうわけかは知らんが、君が召喚したハムスターが人化しているもののようだぞ」
••••••は?
ちょっとオレの理解力を超えたことが聞こえてきた。




