No. 82 バーンからの呼び出し
雪よ、何故降った。
足を滑らせて死ぬかと思った。
「それで、君は秋矢に何をしようとしていたのだ?」
腕を組み、仁王立ちでティアの顔を睨むリオン。
「••••••何をって、ナニだよ」
オレに言ったことと同じこと言ってるよ••••••。
「••••••ほう」
「あはは••••••ティアちゃーん、ちょっとわたしとOHANASHIしようか?」
額に青筋を浮かべるリオンに、いつの間にか湧いた真冬が笑顔で同調する。
いや、てか、ホントにいつの間に現れた!?
「そうだな、そうしようか。というわけで、裏庭に来い、変態王女」
「••••••嫌だと言ったら?」
「わたしが無理矢理引きずって連れて行くよ」
うん、二人とも凄く怖い。
早く何とかして離脱しよう。
いや、その前に。
「とりあえず着替えたいから部屋から出てってくれないか?」
オレは今だ寝間着のままである。
仕事もあるし、早く着替えたい。
「ああ、済まないな。安心しろ、すぐに出て行くから」
真冬と共にティアの肩をガッチリ掴んで部屋から出て行くリオン。
ティアはオレに向かって手を伸ばして助けを求めてきた。
「••••••シュウヤ、助けて。この二人、目が笑ってないの」
「無理だ。骨は拾ってやるから、キッチリと怒られてこい」
「••••••シュウヤ、ボクを見捨てるの?」
••••••目をうるうるさせるな!
オレが悪いことをしてるみたいじゃないか!
「ではな、秋矢。また、後で」
「またねー」
ティアを引きずりながら、リオンと真冬は部屋を出る。
••••••引きずられているティアからドナドナと聞こえた気がしたが、多分気の所為である。
着替えたオレは、サッと仕事場に向かい、サッと仕事を終わらせた。
適当過ぎないかって?
••••••仕事をしてる光景をダラダラと説明されてもつまらんだろう。
そんなことより、仕事が終わって城に向かう準備をして、それが終わったところでバーンに庭に来るように言われた。
まあ、別にやることも無いので行く。
同じくやることが無くなったアインスとリオンも着いてきた。
ちなみに、真冬は昼食を食べている最中である。
「応ッ!来たか!」
「ああ、来たぞ••••••だから筋トレは後にしてくれないか?」
明らかに大きさのおかしいダンベルを使って筋トレしているバーン。
こんなの何処に置いてたんだよ••••••。
「フゥー••••••せい!」
バーンが炎を纏わせた拳でダンベルを消滅させる。
••••••。
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤ!?!?」
何やってんのお前!?
「む、何をそんなに驚く?この程度のことは火竜の嗜みだぞ」
火竜とは一体何なのか。
そんな嗜みはいらんだろ。
「ふーむ、腐っても竜王か。凄まじい熱量だ」
別に腐ってはいないだろ。
後、突っ込むところはそこなのか?
「••••••まあ、いいや」
不思議生物相手に一々ツッコミを入れてたら日が暮れる。
そんなことより、サッサと本題に入ってもらおう。
「で、何の用だ?」
オレが聞くとバーンは、ああ、という顔をした。
••••••忘れていたんじゃないだろうな。
「用というのはこいつのことだ」
バーンが自分の後ろを指差す。
そこには、ケモミミみたいな形の髪型をした茶髪の少女が花壇に座り込んでいた。




