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No. 81 朝這い

「••••••頭、痛い」



朝陽に照らされ目を覚ましたオレは、頭痛を感じて頭を抑える。

昨日は、ダンジョンから帰って来てすぐに、フォルティシモ家に戻って夕飯を食べ、風呂に入って寝た。

王様へは、クレイが報告してくれると言っていたので任せたが、今日も王城に来るように言われている。

一応、執事なのにほとんど仕事してないような気がしてくるな••••••。



「何か、夢を見ていたような••••••」



懐かしいような、でも、全く身に覚えの無い夢を。

やたらと印象的と言うか、リアルな夢だったのだが、何なんだろう。

前にもこんなことがあったが••••••。

と、そこで布団の中に違和感を感じる。

そっと、布団を捲ると••••••。



「••••••すぅ••••••すぅ••••••うぅ、さむい••••••」



••••••前にもこんなことがあったな。

スピカに怒られたはずだが、どうやら王女様は全く懲りてないらしい。



「って、そんなことより起こさないと」



スピカに見つかったら大変だからな。



「ティア、起きろ」



肩を掴んで揺さぶり、頬を軽くペチペチ叩く。

すると、ティアが薄っすらと目を開けた。



「起きたか」



「••••••ん、シュウヤ、おはよう」



寝ぼけているのか、緩い口調で挨拶する。



「おはよう。起きたなら早く布団から出てくれないか。てか、前にスピカに怒られたのに何でやったんだよ」



オレがそう言うと、ティアは寒そうに身をよじらせ、オレにしがみついてきた。



「おい!」



「••••••前と同じじゃない」



「は?」



「••••••前回は、夜中に忍び込んだけど、今回は朝に来た。だいたい、一時間前くらいに」



「イヤイヤ、何でだよ!」



スピカは夜中に忍び込んだことを怒ったわけじゃないだろ!



「というか、何のためだよ」



「••••••夜這い?」



「朝に来たって言ってただろ。見ろ、あのウザイくらい自己主張の激しい朝陽を」



今日はやけに朝陽が強いような気がする。



「••••••じゃあ、朝這い?」



「そんなものは無い」



「••••••でも、シュウヤ興奮してる」



ティアがチラッとオレの下半身に視線を送る。



「見んな!そしてそれは整理現象だ!」



「••••••シュウヤ、興奮してない」



「してない」



「••••••実際のところは?」



「••••••ちょっとは」



いや、まあ、オレも健全な男子として可愛い女の子に密着されればそりゃ興奮くらい••••••誰に言ってるんだろうか、オレは。



「••••••このまま、する?」



「何をだよ!」



「••••••わかってるくせに。もちろん、ナニだよ」



どうやら、ティアはまだ寝ぼけているらしい。

テンションがおかしい。



「アホなこと言ってないで起きろ。他の奴らに見つかったらうるさいぞ」



「••••••とりあえず、服脱ぐ?」



聞いていないのか、話が噛み合ってない。

••••••って!



「おい待て!脱がそうとするな!」



「••••••そんなに照れなくても」



「照れてるわけじゃねぇから!」



「••••••大丈夫、ボクも恥ずかしいから」



ダメだ、話が通じない!

誰か通訳の人を呼んでくれ!



「••••••したことないから、優しくしてね」



潤んだ瞳で見つめられる。

••••••なんか、もうこのまま流されちゃってもいいんじゃないかなー、って。

思ったり思ったり思ったりしたところで。

派手な音と共に、部屋のドアが蹴り破られる。



「お楽しみのところ失礼するぞ、お二人さん」



どう見てもマジギレしているリオンが降臨した。













・夢

ダレカノキオク2(by. ???)



男の子ーー秋矢に出会ってから数年が経った。

適当に話して気がついたら周りから人がいなくなっているのが普通だったのだが、秋矢と出会ってからは、大体秋矢が近くにいる。

どうでもいい雑談など時間の無駄だ、と数年前まで思っていたのに、秋矢と話すのが楽しいと感じている自分がいる。

だが、悪くは無い。

そう思う。

そんな私の様子を見て、お母さんとお父さんは嬉しそうにしていた。



秋矢「今日は合わせたい子がいるんだよ」



ある日、秋矢は唐突に言った。



???「合わせたい子?」



秋矢「うん、前に話した妹を。というわけで、入って来て!」



秋矢の妹か。

前に聞いたが、仕事で遠くに行っていた父親についていったのだったか?

そういえば、もう少しで帰ってくると言っていたな。

秋矢の呼び方に応じて、一人の女の子が入ってくる。



秋矢「こいつが妹の真冬だよ!」



そう言って紹介された女の子は誰かにとてもよく似ていた。

隣に立つ秋矢とは、兄妹なだけありよく似ている。

秋矢が女顔なこともあり、姉妹にしか見えないほどに似ている。

しかし、それとは別に似ている人を知っているような••••••。

そう考えたところでわかった。

彼女の顔は、自分が毎日鏡で見ている顔にソックリなのだ、と。



真冬「真冬です、兄がお世話になってます」



秋矢「堅苦しいぞ。無理にそういうことを言う必要は無いと思うぞ」



???「ふふ、ああ、そうだな。これから、私と友達になってくれると嬉しい」



そう言って、私は手を差し出した。

これが私にとって、二人目の友達が出来た瞬間であり。

初めて自分から友達を求めた瞬間だった。



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