No. 78 テロリストside1
テロリストの視点です。
味方側でない場合は三人称にしようと考えていますが、確定ではありません。
「ーーふん、これで四つ目の神器か」
ギシリアの、とある場所の、とあるダンジョンにて。
一人の青年が、つまらなそうにつぶやいた。
片手には、黄金の剣が握られている。
そして、片方の目が、金色に輝いていた。
その青年ーー世界的に有名なテロリスト、ジークフリートは、肩をほぐしながら、自身が持つ剣に向かって話しかけた。
「まあまあだったな、今回は。強さ的にはそれなりだったが、攻撃が単調過ぎたのが残念だぜ」
ハッキリ言って、不審者以外の何者でもないが、それを指摘するものはいない。
ただし、返答はあった。
自分の持つ剣から。
『貴様から見れば、大半の相手は大したことが無い扱いだろう。そんな貴様がそれなり、と言ったのだ。それならば、充分だろう?』
若い女性の声。
『金の皮を持つ羊••••••攻撃はともかく、防御力と回復力はかなりのものだったぞ。それをスキルも機能も使わなずに倒したお前が異常なだけだ』
黄金の剣ーージークフリートが契約している神器、”バルムンク”は、呆れたような声でそう言った。
「そんなこと言うなよ。俺が異常なんじゃねぇ。奴が期待外れだっただけだ」
もちろん、そんなことは無い。
そう言い切れるジークフリートが明らかに異常である。
「ふぅ••••••まあ、いい。今後に期待だ。••••••それより、あの二人はまた」
頭を抑え、とある方を見る。
そこには、真っ黒な燕尾服に同色の破れた山高帽を着た青年と、白衣を着た薄紫色の髪と目をした幼女が、金色の髪をした少女に何やら話し掛けていた。
••••••鼻息を荒くしながら。
「お嬢ちゃん、今夜、私の部屋に来てくれ。なぁに、悪いようにはしないさ。優しくしてあげよう」
「引っ込めエセエロ紳士!ねえねえ、こんな奴の部屋にじゃなくて、私の研究室に来なよ!たくさん実験••••••じゃなくて、お話しようよ!」
「???」
金髪の少女は、不思議そうに首を傾げているが••••••。
「事案発生だな。絵面が完全にアウトだ」
『街中でやったら速攻で騎士団に囲まれるだろうな••••••』
あの二人は、一応ジークフリートの仲間ではある。
が、あんな変態共が仲間だとは思いたくも無い、とジークフリートは密かに思う。
『貴様も変態だがな』
ジークフリートの心を読んだバルムンクは実に冷ややかに告げる。
「オイオイ、流石にあいつらと同類扱いされるのは心外だぞ?俺は変態ではない」
『変態だろ。戦闘狂というな』
「••••••」
反論出来ずに黙り込む。
そして、それ以上の地雷を回避するために、仲間達の元に行く。
三人には、特別共通点など無い。
いや、一つだけある。
それは三人とも片目が金色に輝いていることだ。
「お前ら、程々にしとけよ。神器の扱いは丁重にな」
自身の神器とのやり取りを逸らすようなことを言う。
それを聞いた二人は、やれやれという仕草をした。
「君がそれを言うのかね?先程まで、散々暴力を振るっていた君が」
「あはは、正しく、お前が言うな、って状況だよねー」
「••••••ふん」
肩を竦めるジークフリート。
顔は実感不機嫌そうだが、邪険な空気は流れていない。
「それで、神器”アリエス”と戦った感想かどうかね?」
「硬さはともかく、攻撃力が足りん」
「ファフナーの機能を持つ君にとっては、大概の攻撃は効かんがね」
「ジークは硬いからねー」
一応、神器本人が近くにいるのに、駄目出しをするジークフリート。
本人がキョトンとしてるのでいいが。
「お前らはどうだ?こいつをどう思う?」
金髪の少女ーー神器”アリエス”を見て問う。
それに燕尾服の青年が反応した。
「最高だ!最高に可愛い!ああ、出来れば今から一緒に寝たいところだ!」
『ゲーデよ。貴様は女なら誰でもいいのではないか』
冷めた口調のバルムンク。
それを気にすることなく肯定する。
「その通りだ!私は女性であれば、例え、幼女だろうが熟女だろうが愛でてみせよう!」
ダンジョン内に、変態の宣言が響き渡った。
仲間達の目は大変冷たいが、変態には柳に風であった。
次回も引き続きこの視点です。




