表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/199

No. 77 まだまだこれから

最終的に、ケイローンはツバキさんが契約することになった。



「私も、遠距離からの攻撃が出来るようにしたいのです」



とのこと。

ツバキさんは、魔術が苦手なんだとか。

騎士団内では、一番魔術が下手らしい。

それと、今度、騎士団に新人が入団するのだとか。

新人に何かを教えるのに、ケイローンの知識を使おうということだろう。



「じゃ、行くわよ」



契約が完了したら、アダマスがサッサと出口に向かって歩き出した。

オレ達は、それに続く。



「これで二つ目のダンジョンクリアか。割と順調、なのかね?」



伸びをしながらつぶやく。



「どうかしら?まだ十も残ってるわけだし。それに、今回は簡単な方だしね」



「え、簡単な方って」



「ケイローンは優しいからね。道中の魔物も、そんなに強い奴は置いてなかったし」



「確かに」



真冬がうんうんと頷く。

同意するなよ。



「今後はドンドン厳しくなっていくでしょうね。中には、武器による攻撃を完全に無効化出来る神器もあるから気をつけなさいよ」



「いや、それを無効化されるとオレは詰むぞ」



アダマスで殴るにせよ、武装召喚をぶっ放すにせよ、どちらにしても”武器による攻撃”なんで、オレには何も出来なくなる。

本当に魔術を覚えないとダメだなこりゃ。



「まあ、精々頑張りなさいな。私の契約者に相応しい活躍を期待してるわよ」



ハードルを上げやがったよこいつ。

まあ、努力はするさ。

••••••努力=いい結果が出るとは限らないけどね。






それからしばらく経って。



「出口に着いたわ」



アダマスが足を止める。

目の前には重そうな扉がある。



「ここから外に出れるわ。でも、その前に••••••」



アダマスが、扉の近くの壁に触れる。

すると、回転扉のようにその壁が回転した。



「••••••いや、何でだよ!」



何だそりゃ!

いや、むしろ何故作った!



「これを置いておくためよ。••••••はい、これ」



「これは••••••」



前にアダマスから渡されたのと同じ、鎖に絡まれた分厚い本。

違いは、表紙の色くらいなもので、他は厚さ、重さも同じだった。



「私が前に渡したのは?」



「リオンに預かってもらってる」



リオンに目を向けると、リオンがその本を取り出した。



「これ、結局何の本なんだ?」



「さあ、私にもーー」



わからない、とアダマスが言おうとしたところで、二冊の本が輝き出した。



「眩しッ!?」



光に視界が覆われる。

微妙に暗いダンジョンなのでやたらと眩しく感じる。

光が収まったタイミングで目を開けると、二冊あった本が一冊になっており、表紙が二冊を合わせたような色になっていた。



「何が起きたんだ?」



「わ、私に聞かれても••••••目が痛い」



アダマスが涙目になっている。



「ギャー!目が、目がぁ〜!?」



真冬は何処ぞの大佐みたいになってる。

クレイも同じような感じだ。



「二冊の本が融合したのでしょうか?」



「わからん。この本は、何故か私の図書館にも存在していないのだ」



光を直視していなかったらしいリオンとツバキさんは、興味深そうにオレの手元にある本を見ている。



「リオン、目をやられてる連中を何とかしてやれよ」



「断る。今はこっちの方が大事だ」



と、本を調べ出すリオン。



「••••••はぁ」



まあ、いいか。

しばらく休憩だ。

オレは壁にもたれかけ、王様からもらった紙を取り出す。

ダンジョンの位置が書かれた紙。

オレは今回来たダンジョンにバッテン印をつける。



「まだまだ先は長い、か。••••••何でこんなことになったのやら」



そう口にしながら、何故かオレの口元には、嬉しそうな笑みがこぼれたのだった。













次回は視点が変わります。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ