No. 76 誰が契約する?
「ーーで、こいつは誰が契約する?」
予想通り、頭を打っても特にダメージを受けていない真冬が復活を果たした。
そして、ケンタウロスの手からケイローンを取ったわけだが••••••。
「弓を使う奴がいないんだよな••••••」
このメンバー、基本的に前衛でドンパチするのがメインだからな。
前衛に立たないオレやリオンは、召喚術なり魔導書なりがあるので、ますます持って弓なんか使わないのだ。
アインスは、正直まだわからないので保留としている。
「誰でもいいから早くしなさいよ」
人間体になったアダマスが、オレ達をジト目で見てくる。
「別に弓を使わなくていいのよ。ケイローンの知識だけでも、充分強力な武器になるじゃない」
「それはそうかもだけどさ••••••」
クレイに目を向ける。
「クレイはどうだ?」
「俺はもうちょっと派手な能力がいいんでパス」
お前は、次期国王としての頭が足りないんだから、契約しておいて損は無いんじゃないかな?
「ツバキさんは••••••考え中ですか」
「••••••」
ケイローンを見つめ、何やら考え込んでいる。
「というかさ、神器って複数と契約出来るのか?出来ないなら、最初からオレと真冬は対象外になるだろ」
オレはアダマスと、真冬はアステリオスと契約しているのだから。
「可能か不可能かで言えば可能だけど、オススメはしないわね」
「ほう、理由は?」
「単純にスペック的な問題よ。あんたが私と契約した時に、頭に使い方を流し込んだでしょ?」
「ああ、無理矢理な。頭が爆発するかと思った」
「アレを何回もやったら、本当に頭が爆発するわ。つまりはそれが理由ね」
「人間じゃ、身体のほうが保たないってことか」
「そういうことよ。まあ、オスカみたいな例外もあるけどね。基本的に、神器と複数契約出来るのは、神霊の特権みたいなものよ」
そうか••••••。
••••••。
••••••••••••ん?
「オスカは複数の神器と契約してたのか?」
「ええ、そうね。私も含めて十五の神器と契約してたわ」
マジでか。
十五って、よく頭が爆発しなかったな。
「オスカは特別なのよ。性格はともかく、能力的には間違い無く人類最高峰の人間だったわね」
「へぇ••••••じゃあ、クレイはどうなんだ?スペック的には」
「全然ダメね。資格もギリギリだし」
「オイ!?」
即答したアダマスに、クレイが突っ込む。
「もっと別の言い方があるだろ!?オブラートに包んでくれよ!」
「そんなこと言ってるからダメなのよ。オスカなんて罵倒されると、笑顔で、もっと言ってくれとか言ってたわ」
「ただのドMじゃねぇか!聞きたくなかったわそんなこと!」
うん、何というか••••••クレイ、ドンマイ。
例え先祖が残念でも強く生きてくれ。
心の中で無責任にそんなことを思った。




