No. 75 癒しポジション
「ふむ、どうやら倒せたみたいだな」
リオンがつぶやく。
それと同時に、真冬とツバキさんが、オレの近くに落ちてきた。
「痛い!?」
受け身をとったツバキさんとは裏腹に、真冬は着地に失敗して頭を打ち付けていた。
マズイ角度から落ちてたような気がするが、多分気のせいだと思う。
気のせいで無くとも、真冬なら別に大丈夫だと思うし、とりあえず放っておこう。
「この二人は何処に居たんだ?」
てか、どんな効果の魔導書を使ったんだ?
「私が使用したのは、あらかじめ設定した場所に対象を飛ばす効果の魔導書だ。それを使って、私の図書館に飛ばしたのだ」
「それはまた便利だな」
つまり、二人は無限図書館に居たのか。
「あの」
「ん?」
いつの間にかに近づいていたアインスが、オレの頬に触れる。
「ケガ、してます」
「気にするなよ。かすり傷だし」
おそらく、頬だけでなく、全身にあるだろう。
直撃はしなかったが、大量の矢が身体を掠めていたからな。
「私、何の、役に、立て、ません、でした」
アインスが暗い表情で俯く。
「••••••あー」
こういう時って、どうすればいいのだろうか?
女の扱いに慣れてるギャルゲー主人公では無いオレには厳しい状況だ。
「役立たず、です」
どんよりとしたオーラを出すアインス。
どうすればいいんだよ••••••?
リオンにヘルプの視線を送っても、自分で何とかしろと視線を返される。
ええい、こうなりゃ、ノリでいくぞ!
「アインス、世の中には適材適所という言葉があってだな」
「適材適所、ですか、?」
「そう、オレ達も一応、真冬とツバキさんが前衛。リオンが後衛。余ったオレとクレイが中衛って形になっているだろう。つまりはそういうことだ」
「私、は、?」
「アインスはそうだな••••••癒し?」
首を傾げるアインス。
いや、でも実際間違ってはいないような、アインスはいるだけで空気が和むから癒しポジションで合ってると思うんだ。
「出来ることは、これから見つけていけばいいさ。アインスは、今回が初なんだから、そこまで気にするなよ。次に活かせればいいさ」
オレの言葉に、目をパチクリさせた後、アインスが微かに笑った。
「はい、そう、ですね、また、今度、頑張り、ます」
これでいいのか?
まあ、オレにしては上出来かな?




