No. 74 魔法陣の設置
「真冬!ツバキさん!オレが合図したら全力でそこから離れてくれ!」
大声で、二人に呼びかける。
「わかった!」
「••••••何か策があるようですね。私も了解しました」
二人とも頷いてくれたので、早速行動を開始する。
やることは簡単、武装召喚の魔法陣をケンタウロスの周辺に大量に設置する。
そこから、ヒュドラの毒付きの矢を大量に召喚してぶっ刺す。
これだけだ。
これだけなのだが、奴の回避性能からして、隙間なく設置する必要があるだろう。
ちなみに、この魔法陣を設置するという技術、あのムカつく初代国王、オスカ・アルファ・ギシリヤが書いた本、『馬鹿(笑)でもわかる!強化召喚マニュアル!』の最後の方に載っていた。
あいつ、性格は悪いが、魔術に関する説明はかなり上手い、性格は悪いが。
最後に小さく、『この程度のことも出来ないの?無能?ポンコツ?バーカバーカ!』とか書いてあったが、怒りを糧に、オレは習得に成功した。
かなり魔力を使うことになるが、幸いにも、ここに来るまで全く魔力を使ってないので問題無い。
「クレイ!オレが魔法陣を設置してる間のオレの防御を頼む!」
「ああ?よくわからんが、わかった!任せろ!」
よくわかってないであろうクレイだが、守ってくれるようなので、特に問題は無い。
「おわっ!?おい、掠っただろ!弾くにしても、オレの方に飛ばしてくるなよ!」
頬を矢が掠ったので文句を言う。
「済まんな!悪気は無かったんだが」
「悪気があったら殴ってたところだよ」
やっぱり、問題はあったな。
クレイの剣は、何と言うか、対人戦向けというか、正面から斬り合うような感じの型だ。
しかも、防御はあまりしない。
つまり、守りは弱いのだ。
「人選ミスったかな••••••」
「聞こえてんぞ。安心しろ、お前くらいは守ってやるぜ!」
「とか言ってるけど、微妙に対処出来てない矢が飛んで来るんだが••••••」
もういいや。
多少の痛みは我慢するとしよう。
そのまま、何十個もの魔法陣の設置を完了する。
「これでよし!後はタイミングだが••••••」
これが一番難しいな。
近くで戦っている二人には、一ミリだろうと当ててはいけない。
てか、人間じゃ掠っただけで死ぬからな。
あ、そうだ!
「リオン、あの二人に攻撃が当たらなくなる魔導書とか無いか?」
「無いこともないが••••••もう少し効率のいい効果の魔導書があるからそっちでいいか?」
「任せる!」
あの二人に当たらなければ、正直何でもいいからな。
「で、すぐにやるか?」
「そうしてくれ」
「わかった」
リオンが一冊の魔導書を開く。
すると、二人の姿が消えた。
「••••••え、お前何やった!?」
「心配するな。それより、今だ」
いきなり敵が消えたことで、動きを止めたケンタウロス。
大変隙だらけだ。
二人がどうなったか気になるが••••••後にしよう。
「魔法陣、一斉起動!」
オレが設置した全ての魔法陣が光だし、身体から魔力がゴッソリ持って行かれる。
これがキツイ。
だが、どうやら成功のようだ。
避けきれなかった矢がケンタウロスの身体に刺さる。
「••••••!?」
声にならない悲鳴を上げながら、奴は倒れ込んだ。
「••••••ふぅ」
どうやら倒せたみたいだが、魔法陣を大量に設置するとかは、もうやりたくないと思った。




