No. 68 霧の森のダンジョン
「ーーなあ、本当に今日行くのか?」
霧が立ち込もる森、ミストフォレスト。
王様から、ダンジョンの場所が書かれた紙を貰った後、妙にやる気に満ち溢れたクレイの、
「せっかくだから、今日一つ攻略しちゃおうぜ!」
とのお言葉により、ダンジョンに向かうことになった。
オレは反対した。
だが、悲しいかな。
いつの時代も、数の暴力には勝てないというわけだ。
何故だか、クレイ同様やる気に満ち溢れまくっている他のメンバーに押し切られ、一番近くにあったミストフォレストのダンジョンに挑むことになってしまった。
リーダーとは何だったのか。
オレの意見はゴミのように一蹴された。
オレの味方はアインスだけだったよ。
リオン?
あいつは、なんでもいいという、料理人が困りそうな意見でしたよ。
味方してくれよ。
「ここまで来て何言ってんだよ。もう、ダンジョンは真ん前だぞ?」
言ってクレイが指差す先には、苔に覆われた扉がある。
ミストフォレストのダンジョンの入り口だ。
歩道から外れた先にあった。
そこまで深い場所でも無いし、普通に誰かに見つかりそうな場所にあるが、アダマス曰く、資格持ち以外には認識阻害の術式に掛かる仕組みになっているらしい。
ついでに、この森の霧の発生原因もその術式の一部の影響らしい。
「何でお前はそんなにやる気に満ち溢れているんだ?」
「そんなもん」
ドヤ顔でサムズアップして続ける。
「ロマンに決まっているだろう!」
••••••。
「••••••ロマンか」
「そうだ、ロマンだ!ダンジョンとはまさしくロマン。そして俺は早くロマンと遭遇したかった」
「••••••そっすか」
もう、何も言わん。
ただ、王様は子供にどんな教育をしたのか。
こいつが王様になったら、国が荒れるんじゃないか?
「開いたよ」
どうやら、オレがクレイと話している間に、真冬が扉を開けていたようだ。
まあ、開けるというか、勝手に開いたような感じではあるが。
「よっしゃ、行くぜ!」
ノリノリのクレイの後ろを、オレも諦めてついて行く。
さて、出来るだけ楽に終わって欲しいものだが、どうなることかな。




