No. 64 出身地不明
大晦日。
今年もこれでお終いです!
「じゃ、俺からいくぜ?クレイ・アルファ・ギシリヤだ。この国の王子••••••って、言うまでもねぇな」
誰から言うべきか迷っていたところで、クレイがアッサリと名乗った。
まあ、話が進んでありがたいが。
「星水••••••いや、シュウヤ・ホシミズです。現在はフォルティシモ家で執事やってます」
「リオンだ。秋矢と同じ職場でメイドをしている」
「んー、マフユ・ホシミズです。以下同文で」
「アインス、です。リオン、さんや、マフユ、さん、と同じ、ように、メイドを、して、ます」
フォルティシモ家使用人メンバーも簡単に名乗る。
残るは黒髪の女性だけだが••••••。
「えと、ツバキ・ヒビヤです。騎士団に所属しております!」
••••••日本人か?
名前からして、この国の人じゃないと思うのだが••••••。
「日本人か?」
リオン、しれっと聞くな。
「日本人?何ですかそれは?何処の民族ですか?」
「うむ、違うのか?では、君は何処の国の出身なのだ?」
この国の出身ではないことは確定なのか?
まあ、ギシリヤ人とは思えないが。
「ええと••••••わかりません」
「わからない?」
どういうことだ?
「私、自分でもよくわからないんですけど、いつの間にかこの国にいて、行く当てもないところを団長に拾ってもらったんです」
「団長って••••••騎士団のだよな?あの脳筋団長がそんなことしてたのか」
この国の騎士団長は脳筋なのかよ。
「団長は脳筋じゃありません!ただ、頭で考えるのが苦手で、何でもかんでも力で解決したがるだけです!」
それって脳筋じゃないかな?
「それを世間一般では脳筋というのだ。てか、この国じゃ、バーンと並ぶほどの脳筋だと民からも言われているぞ」
さりげなく脳筋扱いされるバーン。
いや、確かにあいつは脳筋だけど。
暇があれば筋トレしてる筋肉竜王だけど。
というか、有名なんだな、バーン。
いい扱いかどうかは別として。
「とりあえず、出身地は不明ということでいいのか?」
確認するように聞くリオン。
「はい、そういうことになりますね。覚えてませんので」
覚えてない。
記憶喪失者か?
この国、記憶が曖昧な人間多過ぎだろ。
『別にこの国は関係無いでしょ』
あ、いたんだアダマス
『あんた、喧嘩売ってるの?ずっとあんたの手の中にいたでしょうが!』
怒るな怒るな。
しかし、手の中って。
文字通りの意味なのが何とも言えないよな。
アダマスは今、まさにオレの手の中にいるからな。




